海外就職で必要な語学力はどのくらい?

ほとんどの人は、海外就職の不安点として、語学力があると思います。海外就職を実現するために必要な語学力は一概には言えません。もちろん、英語や現地の言語の力は高ければ、高いほど有利です。しかし、目標とする海外就職の形によっては、ビジネスレベルの語学力は必須というわけではありません。

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駐在の場合

会社の方針によって、駐在に選ばれる語学力の条件は異なります。TOEICの点数など一定の条件を課しているところもあれば、全く語学力は検討条件に入れない会社もあると思います。

後者の場合は、研修すればある程度身につく語学力よりも、実際の業務のパフォーマンスを重視しているのだと思います。駐在の場合は、本社とのパイプ役を期待されているので、本社で評価されている人の方が、語学ができるが日本での評価が低い人よりは、役に立つはずです。

日系で現地採用の場合

英語必須の仕事も、ほぼ日本語だけの仕事もある

高い語学力が必須というわけではありませんが、駐在よりは重要度は高くなります。駐在は、語学力が必要なレベルに達していなければ、研修を受けてもらう選択もあり得ます。一方で、現地採用は即戦力採用なので、最初から必要な語学力がある人を採用します。

現地採用でも、日本語で業務をする割合が高い場合は、必要な英語のレベルは低くなります。日本語をメインで仕事をしつつ、少しずつ英語や現地の言語を覚えたい場合は、語学レベルが低い求人が適していると思います。

逆に、ある程度語学に自信があり、外国語メインで仕事をしたい場合には、語学力の条件が高い求人に応募した方が希望の仕事ができる可能性が高いと思います。

日系現地採用で必要な英語力(TOEICの点数)の目安

日系の現地採用では、書類審査の段階でTOEICの点数を見られることが多いです。就活を始める前に、TOEICは受けておきましょう。

日系現地採用で必要な英語力(TOEICの点数)の目安について、日系現地採用を中心に掲載している求人情報サイト「Working Abroad」の分布を見てみます。

英語力 求人件数 %
なし 87 20%
最低限のコミュニケーション(TOEIC 225-470) 33 8%
日常会話(TOEIC 475-730) 133 31%
ビジネス会話(TOEIC 735-860) 126 29%
流暢(TOEIC 865点以上) / ネイティブ 49 11%

出典:Working Abroad、調査日時点の数字

技術職で500点~、非技術職で700点~が目安

英語レベルの内訳では、59%が「日常会話(TOEIC 475-730)」以下になっています。

特に技術職の募集は、英語レベルの要求が低いです。技術がある人であれば、言語能力は問われていないことが分かります。一方で、営業やマーケティングなど非技術職の場合は、「ビジネス会話(TOEIC 735-860)」以上の英語力が求められるケースが多いです。技術職の場合は500点以上、非技術職の場合は700点以上が分かりやすい目処になりそうです。

英語要件「なし」の求人もある

英語要件「なし」も20%と少なからずあります。その他のサイトを見ても、「日本語のみでOK」とアピールする仕事も出てきます。

海外就職でも、日本語コールセンターなど、日本語だけで完結する仕事もあります。顧客が日本人、社内も日本語、社外とは接触しない場合、外国語は必要ないからです。

ただ海外に住みたいだけであれば、日本語のみの仕事でも良いと思います。しかしながら、海外就職をキャリア形成に活かしたいのであれば、日本語のみの仕事は止めましょう。仕事で使わなければ、ビジネス外国語は上達しません。

また、日本語だけで仕事ができるということは、日本語コミュニティで閉じた仕事なので、一般的な現地のビジネスパーソンと交流がないということです。それでは、本当に現地のビジネスに精通することは困難です。外国語スキルの必要ない仕事なので、スキルが低い分、給与も低いです。

英会話力は、面接を突破するために重要

テストの点数だけではなく、実際の運用能力も重要です。面接でテストされる可能性が高いからです。英会話が苦手な人は、英会話学校などに通っておきましょう。現在は、オンラインだと安いサービスもあります。以下の「現地企業、外資系」の項目に詳しく書きますが、就職活動の英語力で最も大切なのは、面接力です。特に面接の練習を重点的に行いましょう。

英語以外の言語が要求されることは少ない

次に、英語以外の言語の要求レベルを見てみます。

英語以外で最も要求が多いのは中国語ですが、それでも88%の求人では全く要求がありません。日本における中国の存在感は高まっていますが、まだ圧倒的に英語の方が海外就職に役に立つことが分かります。

中国での求人だけに絞っても、ビジネス会話以上の中国語が求められる求人は、2割程度です。同様に他の言語も、ビジネス会話以上が要求されるケースは少ないです。元々現地語が得意な人や、語学を武器にしたい人以外は、就職の前に現地語を学ぶ必要は低そうです。

中国語力 求人件数 %
なし 376 88%
最低限のコミュニケーション 8 2%
日常会話 7 2%
ビジネス会話 21 5%
流暢 / ネイティブ 16 4%

出典:Working Abroad、調査日時点の数字

特定の国での就職を目指しているなら、現地語の習得はするべき

しかし、特定の国での就職を目指しているなら、もしくは就職が決まっているなら、真剣に現地語を学ぶべきです。

日本の担当として採用されたとしても、社内での業務は重要です。どんな会社でも、英語が流暢な人ばかりではありません。現地語が話せなければ、現地の人同士のコミュニケーションから取り残されてしまいます。日本人が英語を話す場合もそうですが、流暢でない言葉では、なかなか本音は言いにくいものです。現地語を話せることで、現地のスタッフや取引先との距離は、ぐっと近づきます。

現地企業、外資系

現地企業、外資企業では、高い語学力が必須

シェフなどの専門職や、非常に高い技術を持ったエンジニアなどで例外はあると思いますが、大部分の人は英語か現地語がビジネスレベルである必要があります。

日系企業以外だと、社内言語が日本語である可能性はないからです。たとえ日本向けの営業のポジションであったとしても、社内コミュニケーションが取れない人を採用する可能性は極めて低いです。

競合する求職者は、英語や日本語ができる現地人

日本語必須の求人であれば、競合する求職者は、日本語ができる現地人です。日本語については、あなたの方が有利ですが、現地語については相手の方が有利です。更に、日本人は外国人として応募しているのでビザを申請する手間の面でも、現地人より不利です。

日系企業と違い、現地企業、外資企業には日本人を採用する必然性はありません。日本語、英語、現地語、経歴など、トータルで現地の求職者に勝たなければ、採用されません。

必要な語学力は、面接を突破できる必要十分なレベル

ビジネスレベルの語学力の定義は難しいところですが、就職活動としては、面接を突破できる必要十分な語学力です。相手が理解しやすい発音、文法で、詰まらずに受け答えできれば、最低限の語学レベルはクリアしているはずです。面接で受け答えができるレベルに到達するのが、短期的には難しいと思うなら、語学力をつけてから就職活動をするか、日系を中心に就職活動をした方が良いです。

しかし、就職活動の段階では、面接を突破する語学力が必要なだけなので、全方位的に語学力が高い必要はありません。例えば、外国語で気の利いた冗談を言うことは、非常に難しいですが、面接で冗談を言わないと落ちるケースは少ないと思います(できれば、プラスですが)。

圧迫面接だったり、グループ議論などが入ってくると、即興的に気の利いたコメントをする能力が必要ですが、普通に経歴を聞かれたり、仕事内容についてなど、事前に想定可能な質問しかしない面接も多いです。


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海外就職はじめに
①なぜ海外就職なのか考えよう ②海外就職の方向性を決めよう ③就職する国・都市を...

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