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高校生のための海外就職戦略

高校生なのに、すでに将来は海外で働きたいと考えている気の早い人へ。または、子供に海外就職の選択肢を薦めてみようと思っている親世代の人へ。

高校生以前で、将来海外の就職を希望しているなら、進路の選択は海外大学留学の一択です。

なぜなら、海外で就職するためには、現地の大学、大学院を卒業していた方が圧倒的に有利だからです。また、気が変わって日本での就職を希望したとしても、以前の記事で説明したように、海外大学卒業性は、日本での就職でも有利になります。

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就労ビザの取得が有利になる(国もある)

海外就職で、留学が有利になる理由として、就労ビザの問題があります。国によっては、現地の学校の卒業生の方が、就労ビザの申請で有利になります。

例えば、アメリカで就労するためのH-1Bビザは、2016年の応募者に対して枠が3分の1ほどしかありませんでした。H1-Bビザの枠6.5万の内、2万は特別枠で、アメリカの大学で修士課程以上を取得した申請者に割り当てられます。

アメリカで就職するための就労ビザ:H-1B
アメリカで就職するための就労ビザ:H-1B
H-1Bは、アメリカで外国人(非居住者)が就職する場合の最も一般的なビザです。申請条件。職種。有効期間など

カナダでは、永住権申請を審査する基準の「Six selection factors」で、カナダ現地で大学以上を卒業していると加点されます。

カナダ就労ビザまとめ~種類、取得条件、期間、申請方法(2017年更新)
カナダ就労ビザまとめ~種類、取得条件、期間、申請方法(2017年更新)
カナダでの現地就職の観点でビザ、就労許可を紹介します。新卒&転職。一般向け就労許可。留学生。インターン。ワーキングホリデー、移民(永住権)申請プログラムなど

台湾は、就労許可の申請条件として職務経験が必要です。大学卒の場合は、2年間です。しかし、台湾の大学卒、もしくは海外でも大学院卒の場合は、職務経験が免除されます。

台湾就労ビザまとめ~種類、取得条件、期間、申請方法(2017年更新)
台湾就労ビザまとめ~種類、取得条件、期間、申請方法(2017年更新)
台湾での現地就職を目指す観点で、台湾のビザを紹介します。新卒&転職。一般向け就労許可。留学生。インターン。ワーキングホリデーなど

アメリカ、カナダ、オーストラリア、香港では、現地の大学を卒業した学生向けに、期間限定で就労できる制度があります。アメリカだと、OPT(Optional Practical Training)という制度です。一般の就労許可は、内定を先に得て、雇用企業に申請してもらう必要がありますが、OPTのような制度では、期間中は原則自由に就労できます。就労許可の申請が必要にと、企業も採用しやすいです。

アメリカの学校を卒業した外国人向けのインターン制度:Optional Practical Training (OPT) for F-1 Students
アメリカの学校を卒業した外国人向けのインターン制度:Optional Practical Training (OPT) for F-1 Students
F-1のビザでアメリカの大学や大学院を修了した人向けにOptionalでPractical Training(要するにインターン)の機会を提供するプログラムです。申請条件、期間、OPT後のビザなど

OPTや類似の制度は、あくまでも期間限定です。しかし、現地での就労経験は、一般向けの就労許可を取得する特にも有利です。一般向けの就労許可は、通常雇用企業がスポンサーとなって申請する必要があります。OPTのような制度で働いていた会社で成果を出せば、その会社がスポンサーになってくれます。

現地の語学や文化を学べる

ビザの申請以外でも、現地の学校で学ぶことは現地での就職に有利です。

まず、語学や現地の文化の習得があります。語学の習得は若ければ若いほど有利です。大学の1年から留学した人と、大学院から留学した人では、平均的に見て習得度が明らかに違います。語彙は年齢を重ねてからでも増えますが、自然な発音、文法、流暢さは、急激に習得が難しくなります。大学よりも高校、高校より中学からの方が、語学の習得は有利です。

早い段階で海外に行くと、今度は日本語の習得が怪しくなります。日本国籍の帰国子女でも、日常会話の日本語は流暢だが、堅い言い回しが苦手だったり、書き言葉が苦手な人が多数います。日本語も使う仕事をする前提であれば、早い段階で海外に行くのは、日本語の面で必ずしも望ましくないです。

しかし、大学から海外に行って、日本語に苦手意識を持っている人は見かけたことがないです。海外就職を目指す人は、大学は良いタイミングだと思います。高校生以前で海外に行く人は、将来日本語も仕事で使うことを考えるなら、日本語の訓練を意識的に行うべきです。

現地の国へのコミット

語学やビザ以外でも、心情的な問題もあります。日本で外国人を採用することを想像すると分かると思います。履歴書上は、同じようなスキルに見える人で、一人は日本の大学の卒業生で、もう一人は海外の聞いたこともない大学の卒業生の場合、日本の卒業生を選ぶのではないでしょうか?

既に日本にいる人の方が、日本へのコミットが高いと思いますし、言葉や習慣への適応面でもリスクが低そうですよね。また、海外の一般の人は、日本の大学名は全く知りません。超親日の台湾でも、東大、早稲田(慶應も知名度低い)くらいしか出てきません。一流大学卒業でも、現地の採用担当から見ると、関係ないかもしれません。現地の学校卒で、しかも一流の大学であれば、明らかに選考で有利です。

海外での就職活動の拠点確保

就職活動で、現地に拠点があることは重要です。

日本の就職活動でも同様だと思いますが、全ての就職の情報がネットで公開されているわけではありません。一般に公開していない応募もあるかもしれませんし、就活の最新のノウハウも、周りに就職活動をしている仲間がいた方が耳にしやすいです。

また、日本にいながら、メールやビデオ面接で就職活動をすることは不可能ではありませんが、気軽に面接に行くためには、現地に住んでいなければなりません。

日本の大学のランキングは低い

日本の大学は、世界の大学比較ランキングで順位が低いです。

「U.S. News Best Global Universities 2018」によれば、世界のトップ3はハーバード、MIT、スタンフォード。アメリカ以外のトップは、5位のオックスフォード、7位のケンブリッジ。全く納得の顔ぶれです。19位まではアメリカ、イギリスの大学が独占しています。

出典:U.S. News Best Global Universities 2018

英米以外では、20位にカナダのトロント大学。英語圏以外では、25位にスイスのチューリッヒ工科大学。50位以内の大半は英米ですが、カナダ、オーストラリア、スイス、ドイツ、フランスなどの大学も入っています。

アジアのトップは、43位のシンガポール大学、55位に同じくシンガポールの南洋理工大学。日本のトップは、東京大学の57位です。東京大学は2017年版までは、トップ50以内でアジアのトップでした。ついに、日本の大学はアジアのトップから陥落しました。

出典:U.S. News Best Global Universities 2018

東大は50位にも入っていないですが、東大に入れる頭脳の人は、高校生の早い段階で準備をすれば、欧米のトップ大学に入学できると思います。実際に、最近では開成高校など優秀な高校生の欧米トップ大学への進学が増えていると報道されています。

日本の2位は、114位の京都大学。京大ですらトップ100に入っていません。以下、大阪大学194位、東北大学204位、名古屋大学247位、東京工大281位。私立のトップは早稲田大学の357位。慶應大学は、466位。

日本では一流と思われている大学も、海外のランキングでは順位は高くありません。日本の一流大学に進学できる学力があれば、世界のトップ100の大学は十分狙えると思います。海外就職を考えているなら、海外大学への進学の方が学歴としては有利です。

出典:U.S. News Best Global Universities 2018

特に欧米での海外就職に有利なコンピューター学科(Computer Science)のランキングでは、中国の精華大学が1位、3位に南洋理工大学が入っています。その他、上位に中国を始めアジアの大学が多数ランキングしています。日本は残念ながら、最高順位が東大の91位と、全体の順位よりも更に下がります。

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出典:U.S. News Best Global Universities 2018

海外の大学の方が勉強できる

昔から日本の大学生、特に文系は、勉強しないと言われています。大学入学までは、世界でもトップクラスの勉強量なのに、大学に入ると途端に勉強しなくなります。

東洋経済の記事によれば、日本の大学生の85%が1週間に10時間以下の勉強時間で、アメリカの大学生の6割近くの学生が週に11時間以上勉強しています。

出典:東洋経済、小学生より勉強しない日本の大学生

アメリカ以外については、具体的なデータは見つかりませんでしたが、ヨーロッパの大学生も、アメリカと同様に勉強しているようです。私の良く知っている国では、中国や台湾の大学生は日本と比べて明らかに勉強しています。

日本の大学生が勉強しない大きな理由は、大学で勉強した内容が就職活動にあまり関係ないからです。海外の就職では、日本のような新卒一括採用ではなく、最初から特定の職種に応募することが多いです。特定の職種への応募だと、大学の専門をきちんと勉強していたかが重要になります。

日本で大学生をすると、周りが全く勉強しないので、自分も勉強しなくなります。4年間遊ぶのが目的なら日本の大学は素晴らしい環境だと思いますが、海外就職活動に備えて勉強を頑張りたいなら、海外の大学に進学しましょう。

大学の選び方

特定の国で就職したいのであれば、その国の大学へ。決まっていないのであれば、英語圏の大学へ。英語圏の大学を選ぶのは、英語圏以外の国で働くとしても、英語は必須スキルだからです。また、英語圏の大学は、世界中で認知度が高いため、学歴としても有利になります。

英語圏の中でも好きな国があれば、そこで良いと思います。特にない場合は、アメリカ。アメリカは、労働ビザの制限が厳しいですが、他の国に比べて圧倒的に外国人の雇用数が多いです。また、アメリカでの就職を目指している留学生も多いため、外国人の就職についての情報も充実しています。卒業後の就職活動を考えれば、カルフォルニア州など外国人が多い場所の大学が良いと思います。

上記のように、アメリカ、カナダ、オーストラリアは、現地の大学を卒業した学生向けに、期間限定で就労できる制度があります。イギリスは、大学の知名度は高いですが、留学を修了した人向けのビザがないのが難点です。

アジアでの就職を考えているなら、東南アジアのハブになっており、英語も中国語も学べるシンガポールがお薦めです。

専攻の選び方

専攻は、特に興味のある分野がなければ、理系、特にコンピューター学科(Computer Science)をお薦めします。あくまで現時点ですが、ソフトウェア技術者は人出不足で、言語のハンデも小さいからです。アメリカのIT企業で多数の外国人が働いているように、海外就職と相性が良い学歴です。

以下の表は、アメリカの就労ビザH-1Bの発行実績です。圧倒的にソフトウェア技術者などコンピューター関連が多いです。

職種 比率
Occupations in System Analysis and Programming 56.1%
Computer-Related Occupations その他 8.7%
Occupations in College and University Education 4.4%
Electrical/Electronics Engineering Occupations 3.3%
Accountants, Auditors and Related Occupations 2.5%
Physicians and Surgeons 2.1%
Mechanical Engineering Occupations 1.7%
Budget and Management Systems Analysis Occupations 1.4%
Misc Professional Technical and Managerial Occupations その他 1.2%
Occupations in Architecture Engineering and Surveying その他 1.1%
Occupations in Administrative Specializations その他 1.1%
Occupations in Biological Sciences 1.1%
Occupations in Economics 1.1%
その他 14.2%

出典:Characteristics of Specialty Occupation Workers (H-1B): Fiscal Year 2015 (英語)

また、ソフトウェアは、結果的に技術者にはならなくても、ロジカルシンキングを身につけることに役立ちます。ソフトウェアとは、何かの作業を実行するためのロジックの記述だからです。ロジックが破綻していたら、ソフトウェアは動いてくれません。

数学など、理系科目がそれほど得意と思っていない人にも、お薦めします。欧米の国に比べると、一般的な日本人の数学スキルは極めて高いからです(東アジア人全般ですが)。

日本人の同級生と比べて、自分は理系に向いてないと思う必要はありません。一般的な文系学生の数学力でも、欧米では十分に高レベルです。MBAの受験で、GMATというセンター試験のような標準テストを受けましたが、東アジアの同級生は、英語のハンデがあっても、満点近く取っている人が多かったです。一方で、MBAの同級生で、ケンブリッジ大学の理系学部卒、マッキンゼー出身のエリートが低い点数を取っていて、本当に驚きました。彼によれば、GMATの英語は超簡単で、数学は苦労したとのこと。

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日本の大学に進学する場合

留学の準備が間に合わない場合、もしくは家族など諸々の事情で日本の大学に入学する必要がある場合、できる限り将来の海外就職に役に立つ選択にしましょう。

専攻は、先ほど説明したように、理系にした方が、海外就職で有利です。

大学は、偏差値など一般的な大学選びの基準以外に、実践的な語学学習の環境の充実度、留学生の比率、交換留学の制度なども参考にしましょう。

大学に入学してからも、海外就職を考えるなら、気が抜けません。海外大学への編入や、海外大学院に進学する場合、大学の成績が合否に大きく影響するからです。

卒業後に直接海外企業への就職を狙う場合でも、会社によっては大学の成績を重視します。例えば、Googleは大学の成績を確認することで有名です。

日本の就活では、大学の成績があまり関係しないので、授業を軽視する人も多いですが、多くの国では大学は実際に勉強をする場です。大学の成績は重要なので、バイトよりも、サークルよりも、学業を最優先にしましょう。本来学生として当たり前のことですが。。。

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