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社会人(転職、第二新卒)のための海外就職戦略

社会人と言っても、状況は様々です。ここでは、いわゆるサラリーマン、技術職、専門職ではない会社員を想定しています。年齢は20代から40代くらいまでを想定しています。

社会人が海外就職を目指す方法は、大きく分けると、1)すぐに海外の仕事に応募する、2)日本で機会を待つ、3)留学などの海外経験を挟んでから応募する、のパターンがあります。

すぐに海外の仕事に応募する

① 日系の海外現地採用に応募

② 現地企業、外資への応募

③ インターンシップへの応募

日本で機会を待つ

④ 駐在員での派遣を狙う

⑤ 外資での本社への異動を狙う

海外経験を挟む

⑥ 大学院留学

⑦ 大学院以外の正規留学

⑧ 語学留学

⑨ ワーキングホリデー

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① すぐに応募する:日系の海外現地採用

アジアで働きたい場合は、普通の会社で数年間経験があり、それなりの英語力があれば、すぐに日系の現地支社に転職することができます。国によって難易度は異なりますが、東南アジアやインドでは、今のところ社会人経験のある日本人は売り手市場です。

欧米の場合は、ハードルが高くなりますが、経歴によっては日本から直接転職することも可能です。特に技術職の場合は、可能性が高くなります。

メリット & デメリット

メリット
・すぐに海外で働ける
・希望の国で就活できる
・自分で就活のタイミング、働く期間を決められる

デメリット
・欧米の場合は、難易度が高い
・待遇は現地水準。途上国の場合は、日本より給与は低い可能性が高い。駐在のような手厚い補助もない

海外就職先としての、日系、現地企業、外資のメリット・デメリットについては、こちらの記事をご参照ください。

海外現地採用は、日系、現地、外資企業の選択肢がある
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「海外現地採用」とは、駐在や転勤ではなく、海外で直接採用されることです。海外現地採用には、日系、現地企業、外資企業で就職する選択肢があります。本記事では、それぞれの場合のメリット・デメリット、就職活動の進め方を解説します。

就職活動の進め方

まずは、人材紹介会社 / 求人情報サイトに登録

日本の就職活動と同じで、海外就職でも最初に行うのは、人材紹介会社 / 求人情報サイトに登録することです。

人材紹介会社 / 求人情報サイトへの登録、人材紹介会社との付き合い方については、こちらの記事をご参照ください。

海外就職向け人材紹介会社・エージェント・求人情報サイトに登録
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日本での就職活動と同じで、海外就職でも最初に行うのは就職サイトへの登録です。海外就職の就職サイトを「求人情報サイト」、「人材紹介サービス」、「ソーシャルネットワークサイト(SNS)」分けて解説します。

アジア就職の場合

アジアで日系に就職する場合は、海外就職を扱う日本人向けのサービスに登録しておけば問題ありません。社会人経験のある日本人で、一定の英語力があれば(目安としてTOEIC 700点以上)、すぐに仕事は紹介されます。

人材紹介会社から良い仕事が紹介されない場合は、英語力の問題と、職歴の問題の可能性があります。人材紹介会社の担当者に、率直に何が足りないのか聞いてみましょう。

英語力の場合は、例えばTOEIC何点以上であれば、どのような仕事が見つかるのか。日本で働きながら、勉強してもいいですし、以下の「海外経験を挟む」で紹介するように、海外で集中的に英語を学んでもいいと思います。

海外就職に必要な語学力は、こちらの記事もご参照ください。

海外就職で必要な語学力はどのくらい?
海外就職で必要な語学力はどのくらい?
海外就職の不安点として、語学力があると思います。海外就職を実現するために必要な語学力は一概には言えません。①駐在の場合。②日系で現地採用の場合。③現地企業、外資系

職歴が問題の場合は、どのような職歴を積めば希望の国での仕事が紹介しやすいのか?例えば、現在は事務だけど、営業の方が仕事が見つかりやすいなら、まずは日本で営業の仕事に転職することが考えられます。日本国内は労働者不足で、若い人は売り手市場なので、転職もしやすいはずです。

海外就職しやすい職種についての一般論は、こちらの記事もご参照ください。

海外就職の職種の選び方、日本人が就職しやすい職種
海外就職の職種の選び方、日本人が就職しやすい職種
海外就職を検討しているなら、日本人が採用されやすい職種は気になると思います。①日本人が海外就職しやすい職種は、国によって異なる。②日系の現地採用で採用されやすい職種。③現地企業で採用されやすい職種。④どのように志望職種を決めるか?

欧米就職の場合

欧米での仕事を探したい場合は、海外就職を扱うサービスに登録しても、あまり選択肢がありません。そもそも、欧米では現地採用の需要が供給(就職希望者)に比べて少ないからです。「海外向けの人材紹介」と銘打っていても、実質はアジアが中心の会社が大部分です。

一般的に、欧米での就職は、アジア就職よりも、遥かに難易度が高いです。簡単には決まらない、最初から理想の仕事には就けない前提で就職活動をすることが必要です。

様々な方法で、多くの求人に当たりましょう。例えば、欧米のグローバル人材紹介会社への登録、現地のローカルな人材紹介会社への登録、企業サイトへの直接応募、ソーシャルメディアで会社の人とつながる、コネを伝って探すなどです。

考えつく限りの方法で求人を探して、条件を落とした仕事でも見つからない場合、残念ながら自分の現在の学歴、職歴、語学力では難しいということだと思います。

そのような場合、すぐ応募するのはいったん諦めて、海外就職に近づくための他の方法を考えましょう。例えば、以下の「日本で機会を待つ」、「海外経験を挟む」で紹介するように、転勤を狙ったり、海外経験を挟んだ方が可能性は高いかもしれません。

仕事は続けながら転職活動をしよう

日本から海外就職に応募する場合、仕事を続けながら就職活動をする場合と、辞めてから行う選択肢が考えられます。社会人が学生より不利な点は、時間です。学生と違って、就職活動のために数週間休むことは現実的でないですし、会社員を続けながらインターンシップをすることもできません。

できる限りは仕事は続けるべきです。履歴書に何も記載がない期間が長期間あるのは、非常に印象が悪いです。辞めてから1−2ヶ月程度で次の仕事が始められれば問題ないですが、就職活動が上手くいくかは、やってみないと分かりません。

在職中であれば、満足がいく仕事が見つかるまで、じっくりと就職活動を続けられます。無職だと、短期間で決めなければならないので、焦って納得のいく転職ができない可能性が高くなります。

すぐに辞めたい場合は、語学留学やワーキングホリデーをしよう

そうはいっても、すぐに今の会社を離れたいという人もいると思います。海外就職だけでなく、国内での転職でも同じですが、転職をする人の大部分は、何らかの不満があるから転職するわけです。

その理由が、毎日深夜まで残業だったり、上司のパワハラだったりする場合は、すぐに辞めたいと思うはずです。そのような状況だと、在職中に就職活動しようにも、時間的、精神的に難しいです。私も、そんな会社は、一刻も早く辞めた方が良いと思います。

すぐに辞めたい場合は、いったん語学留学やワーキングホリデーをすることをお薦めします。語学留学やワーキングホリデーは、履歴書に書く経歴としては強くないですが、長期間空白になるよりは、よほど良いです。

すぐに海外での転職活動をしたい場合でも、語学留学やワーキングホリデー中という身分を確保した上で、就職活動すれば良いのです。その場合、あまりハードな授業の語学留学ではなくて、就職活動の時間が確保できる学校にしましょう。フィリピンの語学学校は、朝から晩まで勉強のスパルタな学校も多いと聞きます。

在職中の転職活動でネックになるのは面接

書類の応募は、日本にいながらでも問題ないですが、面接は最低一回は、現地に行く必要があります。電話やビデオ面接だけで内定が出る可能性は低いです。また、求職者の側から見ても、現地に行かないと、会社の雰囲気が分からないですし、上司と対面で話せません。満足のいく就職をするには、実際に行かないとリスクが高すぎます。

日本の会社に勤めていると、自由に有給が取れない人も多いと思います。相手の会社の都合もあるので、スケジュール調整は、なかなか難しいものがあります。日本の連休を活用するなど、ある程度まとまった日数を確保しましょう。1社だけの面接で決めるのは難しいので、3−4社くらいは同じ日程で面接を入れたいところです。

② すぐに応募する:現地企業、外資への応募

日本にいながら、日系以外の企業に応募をすることは、難易度が高いです。気軽に面接に行くことができませんし、採用側から見ても、海外にいる人をわざわざ呼ぶモチベーションは低いです。

高い専門技術を持っているなど条件が良ければ、電話面接でほぼ確定して、最終面接だけ現地に行くこともありえますが、大部分の人にとっては、現地にいないことは大きいハンデです。

メリット & デメリット

メリット
・就職先を日系に限定するよりも、選択肢が多くなる
・日系に比べて、現地のコミュニティに入りやすく、現地の言語、文化を学べる

デメリット
・日本での就職活動が難しい
・外国人が少ない場合は、管理職への昇進が難しい
・日系に比べて、高い言語力が必要

海外就職先としての、日系、現地企業、外資のメリット・デメリットについては、こちらの記事をご参照ください。

海外現地採用は、日系、現地、外資企業の選択肢がある
海外現地採用は、日系、現地、外資企業の選択肢がある
「海外現地採用」とは、駐在や転勤ではなく、海外で直接採用されることです。海外現地採用には、日系、現地企業、外資企業で就職する選択肢があります。本記事では、それぞれの場合のメリット・デメリット、就職活動の進め方を解説します。

就職活動の進め方

人材紹介会社 / 求人情報サイトへの登録

日本人向けのサービスでは、現地 / 外資企業の登録は少ないです。人材紹介会社のコンサルタントに相談しても、日系の求人ばかり紹介されることが普通です。なぜなら、日系以外の会社では、日本人や日本語ネイティブに限定して求人をする需要が少ないからです。

しかし、それでも日本人が海外で現地 / 外資企業に就職できる可能性はあります。日本に全く関係ない仕事をすることもできますし、日本人に限定していなくても、日本語ができる人を探している求人は多くあります。

現地 / 外資企業の仕事を探すには、欧米のグローバル人材紹介会社への登録、現地のローカルな人材紹介会社への登録、企業サイトへの直接応募、コネを探す、など様々な方法でアプローチしましょう。また、日本から直接応募するより、以下の「日本で機会を待つ」、「海外経験を挟む」で紹介するように、転勤を狙ったり、海外経験を挟んだ方が可能性は高いかもしれません。

人材紹介会社 / 求人情報サイトへの登録、人材紹介会社との付き合い方については、こちらの記事をご参照ください。

海外就職向け人材紹介会社・エージェント・求人情報サイトに登録
海外就職向け人材紹介会社・エージェント・求人情報サイトに登録
日本での就職活動と同じで、海外就職でも最初に行うのは就職サイトへの登録です。海外就職の就職サイトを「求人情報サイト」、「人材紹介サービス」、「ソーシャルネットワークサイト(SNS)」分けて解説します。

③ すぐに応募する:インターンシップ

日本では、インターンシップというと、新卒の就職活動の一環のイメージが強いです。海外の場合は、在学中だけでなく、卒業後にインターンシップをすることも多いです。社会人の海外就職でも、インターンシップを検討することもできます。

以上に説明しましたように、欧米への就職や、日系以外の企業への就職は、アジアで日系に就職するよりも難易度が高いです。直接応募しても採用されない場合には、インターンシップを検討してみましょう。欧米では、現地の学生でさえも、新卒の初めての仕事はインターンシップから入ることが多いです。

メリット・デメリット

メリット

・正社員としての就職よりも、内定が取りやすい

・一般の就労ビザよりもビザが取りやすい(国もある)

・海外での職務経験を積むことができ、正社員としての就職につながる

デメリット

・給料が低いケースが多い(無給のケースも)

・インターンシップ終了後に、就職できるかは分からない

・インターンシップだけで日本に帰国した場合、マイナスの評価になる可能性がある

就職活動の進め方

インターンシップの探し方については、こちらの記事をご参照ください。

海外就職のためのインターンシップ戦略
海外就職のためのインターンシップ戦略
新卒海外就職の王道パターンは、在学中の海外インターンシップの経験です。これから海外就職を考えている人向けに、なぜインターンをするのか、いつ、どこで、どのようなインターンをすべきかについて解説します。

④ 日本で機会を待つ:駐在員での派遣

現職の会社で駐在員の制度があるのであれば、検討すべきです。過去にどのような人が選ばれているか調査して、自分が社内でどのような位置付けなのか、冷静に判断しましょう。例えば、駐在員が出世コースの登竜門の場合、あなたの現状の評価が高くないのであれば、現実的な選択肢ではないです。

また、駐在員は、待遇が良い、出世コースに乗りやすい、などのメリットがある一方、いつ駐在できるか分からない、どこの国になるか分からない、いつ帰国するかも分からない、などのデメリットがあります。現地就職で海外に行く選択肢と比較して、より良い選択はどちらなのか考えましょう。

メリット・デメリット

メリット
・アジアなど途上国でも待遇が日本と同等以上、家賃補助、日本への帰国費用、税金の補助など給与以外のサポートも多い
・特に途上国では、現地社員よりも職責が大きくなる
・社内の様子が分かっているので、直接入社するよりは環境に適応しやすい
デメリット
・駐在の希望が通るか分からない。いつ行けるか分からない。いつ帰国になるか分からない。
・国を選べないことが多い
・日本コミュニティに属して、現地の普通の人との交流が少ない

駐在 現地採用
<メリット>
・途上国でも待遇が日本と同等以上
・家賃補助、日本への帰国費用、税金の補助など給与以外のサポートも多い
・職責が大きい
<メリット>
・希望の国で就活できる
・自分で、就活のタイミング、働く期間を決められる
・現地のコミュニティに溶け込みやすい
・日系以外の会社で働ける
<デメリット>
・国を選べないことが多い
・駐在の希望が通るか分からない。いつ行けるか分からない。いつ帰国になるか分からない
・日本コミュニティに属して、現地の普通の人との交流が少ない
<デメリット>
・待遇は現地水準。途上国の場合は、日本より給与は低い可能性が高い
・駐在のような手厚い補助はない
海外就活で海外駐在 / 赴任か現地採用どちらを目指すべきか?
海外就活で海外駐在 / 赴任か現地採用どちらを目指すべきか?
海外での就業の可能性は、駐在か現地採用です。駐在の利点として、待遇の良さがあります。現地採用では、現地の人と同様の給与体系になります。逆にメリットは、自由な選択ができることです。自分が行きたいタイミングで、海外就職を始めることができますし、国も自由に選べます。

駐在員制度がない会社の場合

駐在の多い会社に転職する

今働いている会社に駐在員制度がない場合や、あっても選ばれる可能性が低そうな場合は、駐在員になれそうな会社に転職する選択肢があります。例えば、商社への転職です。

将来、駐在員になりたくて転職するなら、何となくのイメージだけではなく、具体的に可能性がどのくらいか調べて応募、入社しましょう。入社してから可能性が低いと知ったのでは遅いです。

大企業であれば、ネットで口コミがあると思います。面接でも、はっきりと駐在希望と伝えて、入社何年目くらいに、どのくらいの割合の社員が駐在するのか聞きましょう。面接以外でも、可能であれば働いている社員を見つけて、実情を聞きましょう。

駐在員の新設を提案する

ハードルは高いですが、自分で駐在員ポジションを作ってしまう選択肢もあります。特に、ベンチャーや中小企業で海外進出が進んでいない会社で働いている場合です。どんな国際企業でも、最初は誰かが海外進出を始めたのです。海外駐在員第1号、ある国での初の駐在員に、あなたがなりましょう。

海外進出は大きな経営判断なので、社長など経営者を説得することが必要です。「自分が駐在員になりたいから」では経営者は動きません。会社にとって、なぜ今海外進出や特定の国へ進出をするべきなのか、新規の事業企画を作成して、経営者を説得する必要があります。

例えば、現在の市場環境、競合、取引先の動向の分析、海外進出で見込まれる売り上げ、利益、海外支社を立ち上げるのに必要な費用、人的リソース、リスクなどについてです。海外進出の提案を扱った書籍は多くないと思いますが、新規事業企画についての書籍やネット上の情報はいくらでもあります。自分の会社が海外進出、新しい国への進出の余地がありそうであれば、是非検討してみてください。

⑤ 日本で機会を待つ:外資で本社に異動

日本にある外資で就職して、本社など他の国のオフィスへ社内異動を狙う戦略も考えられます。社内で実績とコネクションを作っておけば、直接海外に応募するよりもハードルは低くなります。ビザの申請も社内異動の場合は緩くなる国が多いです。

メリット・デメリット

メリット
・社内で実績とコネクションがある前提だが、面接やビザの申請の面で、直接応募するよりハードルは低い。
・社内の様子が分かっているので、直接入社するよりは環境に適応しやすい。
・働きながら海外就職を狙うことができる。

デメリット
・まずは日本で実績を積む必要がある。海外へ異動ができるくらいの実績とコネクションを作るには、数年間必要な可能性が高い。
・日本で担当する仕事が海外とのやりとりが少ない場合は、コネクションを作るのが難しい。入社する前に、どのくらい海外と有効なコネクションが作れるポジションなのか判断するのは難しい。
・入社して数年後に海外異動を試みるとして、成功する保証はない。どのくらい可能性があるのか、入社前に判断することも難しい。日系で駐在を狙う場合と同様の問題。

応募の進め方

現在、外資に在籍している場合

現在、外資で働いてる場合は、社内で海外転勤の制度があるか確認しましょう。日本企業と異なり、外資では社員の希望で人事異動が決まることが多いです。空きになっているポジションに自由に応募して、面接をして採用されるプロセスです。グローバル企業であれば、日本だけでなく、世界中のポジションを検索できることが多いと思います。

しかし、外資の社内異動といえども、日本国内での異動より、海外転勤はハードルが高いです。ビザや言語の問題があるからです。可能性を高めるためには、社内で実績を作り、それを海外の希望する部署に知ってもらうことが重要です。

外資といっても、日本国内の仕事が中心で、海外と直接絡まない仕事をしている人も多いです。そのような場合は、海外への異動の可能性を高めるには、日本の中で海外と関わりの深い部署に異動したり、自分で海外と関わる仕事を立ち上げたりしましょう。

日系の場合、もしくは外資でも転勤の可能性が低い場合

海外転勤が狙えそうな外資に転職する選択肢が考えられます。将来、海外転勤がしたいなら、具体的に可能性がどのくらい高いかを調べてから応募、入社しましょう。外資だからと言って、海外転勤の可能性が必ずあるわけではありません。入社してから可能性が低いと知ったのでは遅いです。

面接では、はっきりと駐在希望と伝えて、現実的にどのくらいの可能性があるのか、実際の事例などを聞いてみましょう。面接以外でも、可能であれば働いている社員を見つけて、実情を聞きましょう。

⑥ 海外経験を挟む:大学院留学

高校生向け、大学生向けの記事では、一番の推奨は大学・大学院への正規留学でした。社会人についても、留学の選択肢は考えられます。

高校生のための海外就職戦略
高校生のための海外就職戦略
高校生以前で、将来海外の就職を希望しているなら、進路の選択は海外大学留学の一択です。①就労ビザの取得が有利になる。②現地の語学や文化を学べる。③現地の国へのコミット。④海外での就職活動の拠点確保。⑤日本の大学のランキングは低い
大学生、新卒のための海外就職戦略
大学生、新卒のための海外就職戦略
大学生で海外への転職を考えている人向けに、海外就職を実現するための選択肢を解説します。① 海外大学に留学し、新卒で海外就職。②国内の大学から新卒で海外就職。③ 日本で就職、海外転職を目指す。④ 日本で就職、駐在での派遣を目指す

就職してから留学する場合は、基本的には大学院を目指しましょう。大学を卒業しているのに、海外の大学に入りなおしたり、極端な例では短大に行ったりする人がいますが、履歴書の見栄えとしてよくありません。

海外大学院と言っても、それほど難易度が高くないところもあります。最短で、1年で卒業できるプログラムもありますし、費用の面でも国によっては安いところもあります。

日本では、大学院は大学を卒業してすぐに行くイメージが強いです。欧米では、そうとは限りません。例えば、大部分のMBAでは数年間の就業経験を必須にしています。大学から直接入学する人が多い学科でも、社会人を経験してから入学する人も多いです。

具体的な大学院の進学方法については、書籍やネットで数多くの資料があるので、本記事では説明しません。大学院進学後の就職活動を見据えて、学校の場所や専門を選びましょう。

メリット・デメリット

メリット

・就労ビザの取得が有利になる(国もある)
・現地の語学や文化を学べる
・海外での就職活動の拠点確保
・専門知識を身につけられる
・結果的に、海外でなく日本で働くことになっても役に立つ

デメリット

・費用がかかる
・留学準備、留学期間で時間がかかる

専攻の選択

海外就職、ビザの取得に有利なのは理系や専門職の学科

特に欧米での就職では、採用されやすい、ビザが取りやすいのは、理系やその他の専門職の学科です。詳しくは、こちらの記事をご参照ください。理系以外で海外就職がしやすいのは、例えば会計、財務、建築、Webデザインなどです。言語に依存しにくい学科、専門知識を学ぶのに時間がかかる学科ほど、海外就職には有利です。

海外就職に有利な職種~英語よりもプログラミングを学ぶべし
海外就職に有利な職種~英語よりもプログラミングを学ぶべし
グローバルに働きたいなら、英語やMBAでなくて、理系。将来、海外に住みたいひと、海外で働きたい人は、理系を学ぶべきです。外国語学部の方が、海外に近いように見えますが、海外の会社の視点では、ノースキルの学生です

大学での専攻が、理系、専門職の場合は、同じ学科で受験しましょう。就職しやすい専門を学ぶために、大学とは違う学科に進学する選択肢もあります。

経験が全くなければ難しいと思いますが、例えば大学を卒業した人向けに1年間くらいのプログラムを用意している大学は多いです。パートタイムや、遠隔のプログラムもあります。そのようなプログラムで大学レベルのコースを履修しておけば、大学とは違う学科に進学することも可能です。

MBA

営業や企画など、非技術職、専門職に進みたい場合、第一候補はMBAだと思います。ビジネスの基礎知識を全般的に学べますし、採用側から見ても分かりやすい学歴です。大学での専攻や職歴を問わずに受験することができます。例えば、エンジニアもいれば、NGO出身の人もいます。

日本では、MBAは超高学歴と思われることが多いですが、ただの「経営学(商学)」の修士です。トップの学校に入るのは難しいですが、それはどの学科でも同じです。U.S News Best Business Schoolsに掲載されているアメリカの学校だけでも450以上もあります。当然、難しい学校だけではありません。また、アメリカだけでなく、世界中にMBAを学べる学校はあります。アジアで就職する場合でも、現地のMBAの選択肢はありだと思います。

しかし、注意点として、世間で思われているほど、MBAは海外就職向きの専攻ではありません。MBAの卒業生の主な職種の営業、企画、マーケティング、マネジメントなどは、言語能力が非常に重要だからです。人文、社会学科系などよりは、海外就職には有利ですが、上に紹介したように技術職、専門職の学科の方が役に立ちます。

⑦ 海外経験を挟む:大学院以外の正規留学

留学で最もお薦めなのは大学院への留学ですが、他の正規留学の選択肢も考えられます。留学のオプションは多様なので、本記事では詳しく解説しません。

海外就職の観点で、重要なポイントとしては、留学をした結果、ビザが有利になるか、就職活動で学歴を評価されるかです。大学院の場合は、両方プラスになるケースが多いですが、留学の形によってはプラスにならないこともあります。

ビザが有利になるか

例えば、アメリカ、カナダ、オーストラリア、香港では、現地の大学を卒業した学生向けに、期間限定で就労できる制度があります。アメリカだと、OPT(Optional Practical Training)という制度です。一般の就労許可は、内定を先に得て、雇用企業に申請してもらう必要がありますが、OPTのような制度では、期間中は原則自由に就労できます。就労許可の申請が必要にと、企業も採用しやすいです。

このような制度がある国に留学する場合、留学予定のプログラムが制度の対象になるか必ず確認しましょう。短いプログラムでは対象外になるケースもあると思います。

アメリカの学校を卒業した外国人向けのインターン制度:Optional Practical Training (OPT) for F-1 Students
アメリカの学校を卒業した外国人向けのインターン制度:Optional Practical Training (OPT) for F-1 Students
F-1のビザでアメリカの大学や大学院を修了した人向けにOptionalでPractical Training(要するにインターン)の機会を提供するプログラムです。申請条件、期間、OPT後のビザなど

就職活動で学歴を評価されるか

先ほどの大学院留学でも説明しましたように、海外就職では、専門職、技術職が有利です。できれば、評価されやすい職種に直接的に関係する専攻を学びましょう。

正規留学の種類

大学卒の社会人の大学院以外の正規留学では、以下のような選択肢があります。

・大学で学士を取り直す(second bachelor degree)

日本の大学とは違う学位を取りたい場合。一般教養の単位は認められることが多いので、4年は必要ないです。

・学位の取得にはつながらないプログラム(non degree program)

大学の単位を自由に取ったり、特定の内容について学位(Degree)ではなく「Certificate」を付与している学校があります。これも、日本の大学とは違う専門を学びたい時に。大学院へのステップとしても使えます。

・専門学校

上の二つと同じような内容ですが、大学ではなく専門学校を選択することもできます。

⑧ 海外経験を挟む:語学留学

大学院以外では、海外での語学留学も選択肢の一つです。英語力が低い場合、日系の現地採用でも難易度が高くなります。英語力が足りない場合は、いったん仕事を辞めて、短期集中で英語を学んでから、転職活動をすると良いと思います。

海外就職で必要な語学力はどのくらい?
海外就職で必要な語学力はどのくらい?
海外就職の不安点として、語学力があると思います。海外就職を実現するために必要な語学力は一概には言えません。①駐在の場合。②日系で現地採用の場合。③現地企業、外資系

語学力の強化以外にも、在籍中は現地に拠点を作れることもポイントです。英語留学の他に、働きたい国の言語を現地で学ぶことも考えられます。言語の学習自体も就職活動にプラスになりますし、語学学校に通っている間に、現地で就職活動をすることができます。

フィリピン語学学校経由、東南アジア就職

海外就職のブログをみると、フィリピンで語学留学をしてから、フィリピン、マレーシア、タイなど東南アジアで日系企業に就職を決めるケースが一つの成功パターンのようです。

最近よく取り上げられるのでご存知の方も多いかと思いますが、フィリピンは英語が公用語で、人件費が安いため、安価で質の高い英会話学校が運営されています。日本人が学校で習う北米の標準的な英語とは異なりますが、シンガポールやインド人よりは、日本人にとって聞きやすい英語を話す人が多いです。また、長時間の学習を課す学校が多いそうで、ほぼ学校と宿舎に缶詰状態で勉強するそうです。

アメリカなど英語圏の語学学校に行くと、授業時間が短い上に、学外での遊びの誘惑が多いため、真面目に勉強する時間は少なくなりがちです。日本では語学留学も留学ですが、中国語では「遊学」と呼んで、大学への留学とは明確に区別しています。

英語圏の語学学校にいる人は、遊学という表現がぴったりの人が多くいます。会話で使う活きた英語を習うには、勉強よりも遊びの方が役に立つ場合もありますが、それだけでTOEICの点数が上がったり、仕事で使う真面目な単語や文法を覚えられたりはしません。短期集中で就職活動に必要な英語を勉強するには、フィリピンの方が適していると思います。

⑨ 海外経験を挟む:ワーキングホリデー

ワーキングホリデーとは、日本とワーキングホリデー協定を結んだ外国に1~2年の滞在許可が下り、その間に就学、旅行、就労することができる制度です。18歳から30歳までの年齢制限があります。

2017年の時点では、韓国、台湾、香港、カナダ、オーストラリア、ニュージーランド、イギリス、アイルランド、ドイツ、フランス、スペイン、ポルトガル、ノルウェー、デンマーク、ポーランド、オーストリア、ハンガリー、スロバキアです。英語圏の国が多いですね。ワーキングホリデーの協定国ではありませんが、シンガポールも類似のプログラムがあります。

日本人の海外就職先として多いアメリカ、中国、タイやマレーシアなどの東南アジアは入っていないのは残念なところです。ワーキングホリデーの協定国は年々増えていますので、最新情報を確認しましょう。ワーキングホリデーについては、書籍、ブログも多数ありますし、専門の斡旋会社も多くあります。

ワーキングホリデーはインターンシップやフルタイムでも使える

一般的なワーキングホリデーの過ごし方は、まず語学学校に入学して、語学を学びながら、アルバイトを探す人が多いようです。

ワーキングホリデーの利点は、自由度が高いこと、仕事が決まっていなくてもビザが取れることです。就労ビザの場合は、会社側に就労許可の申請をしてもらう必要があるので、雇い主側からすると手間がかかります。よって、よっぽど取りたい人材でなければ、採用してもらえません。ワーキングホリデーだとビザの問題はないので、採用のハードルが大きく下がります。

外務省のサイトには「休暇目的の入国及び滞在期間中における旅行・滞在資金を補うための付随的な就労を認める制度です」と、あくまでも就労は休暇の付随的な目的と書いてあります。

しかし、対象となる仕事の制限はなく、フルタイムでも問題ないようです。一般的には、飲食店などでのアルバイトの位置付けの仕事を得る人が多いですが、オフィスでフルタイムの仕事をしている例も見られます。

できれば、正社員と同じような履歴書に書く価値のある仕事をすることが理想です。そういった仕事が見つからない場合は、余裕のあるアルバイトをしながら、ワーキングホリデー中、もしくは期間が終わった後の就職先を見つけるための就職活動をしましょう。

アメリカは、J-1ビザ(交流訪問者ビザ)でインターンシップができる

アメリカについては、ワーキングホリデーではないですが、J-1ビザ(交流訪問者ビザ)という短期的な就労ができるビザが比較的容易に取得できます。研究者向け、教師向けなど様々なプログラムがありますが、社会人向けとして最も一般的なのは、トレーニングプログラム(Trainee Program )です。大学卒業後に1年間以上の社会人経験のある人を対象にしており、最大18ヶ月働くことができます。

期間としては、ワーキングホリデーに似ていますが、自由度が低い点がデメリットです。J-1 トレーニングプログラムでは、ビザの申請前にスポンサー (プログラムの認定を受けた会社)を決めておく必要があります。途中で会社を変えることもできません。英語力があることも前提なので、TOEFLなどで英語力を証明しなければなりません。フルタイムなので、語学学校にも通えません。私としては、絶対にアメリカに住みたい人でなければ、ワーキングホリデーで他の国にした方が良いと思います。

アメリカでインターンシップをする:J-1 (交流訪問者)ビザ
アメリカでインターンシップをする:J-1 (交流訪問者)ビザ
アメリカで就労のためのビザを取るのは、難易度が高いです。最大18か月ですが、インターンシップ(研修)として、比較的簡単にビザが取れる制度があります。J-1 Intern(インターン)、Trainee(トレーニングプログラム)について

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海外就職はじめに
海外就職はじめに
①なぜ海外就職なのか考えよう ②海外就職の方向性を決めよう ③就職する国・都市を...
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