海外就職の業界・会社研究

日本国内の就活以上に、海外就職では志望業界、会社の研究が重要です。

日本国内の就活でも、新卒は企業の情報に疎いと言われています。結果、学生に馴染みのある消費者向けの大企業ばかりが人気になり、B to B(法人向けビジネス)やニッチなビジネスの優良企業は見過ごされがちです。

しかし、日本国内であれば、日々のニュースなどで少なくとも有名企業の動向は知っている人が多いでしょう。海外になると、一部の超有名企業を除いて、ほとんど何の情報もないと思います。

外国人として海外で就職活動するということは、現地の人に比べて、スタート地点での情報量で負けているということです。現地の人以上に徹底的に志望業界、会社について調べて、就職活動の準備としましょう。

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業界・会社研究の目的

志望業界・会社を明確にする

海外就職経験者のブログやインタビュー記事を読むと、人材紹介会社に登録して、人材紹介会社から薦められた会社の中から就職を決めているケースが多くあります。

国内での新卒就活や、転職活動では、応募を始める前に、志望の業界や会社について考えるのではないでしょうか?

人材紹介会社を活用すること自体は、問題はありません。しかし、付き合い方には、気を付ける必要があります。人材紹介会社は、ボランティアではなく、営利事業です。あなたのキャリアを真摯に考えてくれたり、思いがけない仕事を提案してくれるコンサルタントもいるとは思います。しかし、あくまでも仕事を紹介する前提は、会社にとって利益が出ることです。

あなたに合った求人があっても、紹介料を払わない会社の求人は紹介できません。あなたのキャリアにはベストだが難易度が高い求人より、確実に早く就職できる案件を優先するコンサルタントもいるでしょう。

人材紹介会社と上手く付き合うには、どのような業界の、どのような会社に就職したいのか、自分で明確にイメージを持っていなければなりません。自分の志望が明確であれば、紹介された案件のどれを優先するかも明確になります。また、志望が明確な方がコンサルタントも紹介がしやすいです。

面接に説得力が出る

日本でも同じですが、面接で必ず聞かれるのが志望動機です。また、一般的に、面接の最後には企業や仕事について質問がないか聞かれます。

海外就職だからこそ、応募する企業や業界について徹底的に調べていることは大事です。外国人として、現地の事情には詳しくないわけですから、それを補うくらいの知識を身につける努力をしましょう。

就職後のミスマッチを避けられる

無事に内定を得られたとしても、そこが海外就職のゴールではありません。就職活動としては終了ですが、海外で仕事をして、初めて海外就職の成果が得られます。

日本国内の就職と同じで、海外就職も成功例だけではありません。海外就職のサイトが宣伝する成功例の裏には、多くの失敗例があります。日本での就活よりも、情報が少ない中で決断しているのですから当然です。

就職の失敗例の原因の多くは、就活の時の想定と、実際の職場の状況が異なることです。例えば、自分の専門が活かせる仕事ではなかった、残業時間が長すぎる、会社のカルチャーに馴染めない、仕事の進め方に融通が利かない、などです。

社内の内部事情を完璧に知ることはできないので、ミスマッチが起こる可能性は必ずあります。しかし、できる限り情報を集めることで、ミスマッチの可能性を低くすることはできます。

日本での就職活動との違い

日本での就職活動と調べる内容は変わらないですが、異なる点は、言語の壁です。日本語でも、それなりの情報はつかめますが、得られる情報が少なくなります。本気で海外就職をするなら、英語や現地語での情報収集は必須です。

英語圏以外の場合は、現地語での情報収集も必要です。英語でも、日本語よりは情報量が多いですが、現地のことは、やはり現地語で調べるのが一番です。現地語が得意でなくても、Google翻訳で大まかな意味はつかめるはずです。現地のビジネス用語の勉強にもなりますので、大事そうな情報については、頑張って解読しましょう。

どこの国でもネットに豊富な情報がある現在、ゼロから情報ソースを探すことはそれほど難しくないです。今後現地で働くにあたって、現地語で、ゼロから情報を探すスキルは重要です。

業界・会社研究の前にやること

海外就職の理由を考える

そもそも、なぜ海外就職をしたいのか考えてみましょう。英語力を高めたいから?自分の専門を活かすには海外の方が良いから?将来的に、その国に移住したいから?

例えば、英語力を高めたいのであれば、英語が使える環境を第一に考えるべきです。海外で働いても、90%以上日本語という職場もあります。英語圏以外では、日常生活も英語ではありません。英語がメインでも、黙々と作業をするので、あまり会話はしない職場もあるでしょう。

移住を考えているのであれば、移住につながる確率の高い職場を選ぶべきです。欧米のような移住の申請が厳しい国であれば、どのような職歴かで申請が通る確率が大きく変わります。どのような職歴が優遇されているのか調べておいて、それに適した職歴を作れそうな職場を選びましょう。

海外就職の理由については、こちらの記事もご参照ください。

海外就職をお薦めする8つの理由~新卒、転職で海外で働く
新卒、転職で海外就職を検討すべき理由:海外経験は、人材市場で評価されている。伸びている国にチャンスあり。すごい会社は海外にあり。外資は本社の仕事の方が面白い。日本は他国と比べて豊かでなくなってきている。日本の給与水準は高くない

海外就職の方向性を決める

就職活動の方向性が異なると、業界・会社研究の仕方も変わります。

例えば、日系の現地採用を志望する場合、研究する企業は、海外に拠点のある日系企業に絞られます。業界も日系の海外進出が進んでいる業界に限られます。一方で、現地企業に就職したい場合は、全ての業界、現地の全ての企業が検討対象になります。

全体的な方向性の議論についての参考記事

高校生のための海外就職戦略
高校生以前で、将来海外の就職を希望しているなら、進路の選択は海外大学留学の一択です。①就労ビザの取得が有利になる。②現地の語学や文化を学べる。③現地の国へのコミット。④海外での就職活動の拠点確保。⑤日本の大学のランキングは低い
大学生、新卒のための海外就職戦略
大学生で海外への転職を考えている人向けに、海外就職を実現するための選択肢を解説します。① 海外大学に留学し、新卒で海外就職。②国内の大学から新卒で海外就職。③ 日本で就職、海外転職を目指す。④ 日本で就職、駐在での派遣を目指す
社会人(転職、第二新卒)のための海外就職戦略
社会人(転職、第二新卒)のための海外就職戦略を紹介します。現地就職、インターンシップに応募。日本で駐在や外資での海外転勤を狙う。大学院留学、語学留学、ワーキングホリデーで海外経験を積んでから応募する、など。

駐在か、現地採用の選択肢についての参考記事

海外就活で海外駐在 / 赴任か現地採用どちらを目指すべきか?
海外での就業の可能性は、駐在か現地採用です。駐在の利点として、待遇の良さがあります。現地採用では、現地の人と同様の給与体系になります。逆にメリットは、自由な選択ができることです。自分が行きたいタイミングで、海外就職を始めることができますし、国も自由に選べます。

日系、外資、現地企業についての参考記事

海外現地採用は、日系、現地、外資企業の選択肢がある
「海外現地採用」とは、駐在や転勤ではなく、海外で直接採用されることです。海外現地採用には、日系、現地企業、外資企業で就職する選択肢があります。本記事では、それぞれの場合のメリット・デメリット、就職活動の進め方を解説します。

志望の国を決める

国ごとに参考になるサイトや他の情報源は異なります。志望業界、志望企業をを決めるためには、まずは志望の国を決める必要があります。

海外就職をする国の決め方については、以下の記事をご参照ください。

海外就職をする国の選び方
海外就職を考えているなら、最初に就職活動をする国を決める必要があります。国の選び方の基準を紹介します。①日本との貿易総額。②日本人在留数。③日本語学習者数。④就職サイトの求人件数。⑤言語から選ぶ。⑥所得が高い国。⑦就労ビザの取りやすさ

業界・会社研究の情報源

就職サイト

日本の新卒の就職活動だと、まずはリクナビ、マイナビに登録することから就活が始まります。海外就職でも同様に就職サイトに登録します。

リクナビ、マイナビのようなサイトでは、就活生向けに主要な業界の概況を紹介しています。

日本人向けの海外就職サイトでは、業界の情報は掲載していないと思います。国ごとに状況が異なるからです。日本人向けのサイトでは、業界情報ではありませんが、日本人として海外就職を進めるための情報が確認できます。例えば、ビザの情報などです。

現地のサイトでは、業界の情報や、個別の企業の情報も集められると思います。志望する国が決まっていれば、まずは、その国の就職サイトを見てみましょう。

企業のサイト

志望の業界の大手企業のサイト、気になる会社のサイトは全て熟読しましょう。扱っている商品・サービスや採用情報などについてです。

上場企業であれば、投資家向けの説明資料が掲載されているはずです。自社の企業情報に加え、業界の概況や競合企業についても説明していることがあります。

日本企業の海外オフィスを探す

日系の現地就職を目指している場合、日本の企業のサイトも参考になります。就職したい日本の企業があれば、どの国に海外オフィスがあるか調べます。

志望の国にオフィスがあれば、採用を検討してもらえないか、直接連絡してみましょう。公式に求人を掲載していなくても気にする必要はありません。ダメ元で連絡しましょう。

口コミサイト

日本と同じで、海外でも大企業については、多くの経験者の口コミがあります。口コミのサイトは、国ごとに異なります。まずは、現地語で「企業名+評判」などのキーワードで検索してみましょう。

例えば、アメリカにはGlassdoorという求人情報サイトがあります。Googleのレビュー数は8,000件もあるなど、多数の口コミが掲載されています。

口コミでは、企業の公式情報では掲載されていない内部情報を知ることができます。社内の雰囲気、ワークライフバランス、給与などです。

業界の情報サイト・ニュース

今ではどんなニッチな業界でも、何かしらの情報サイトやブログがあります。興味のある業界のサイトは定期的にチェックしましょう。

特に注目している業界、企業については、「Google アラート」を設定すると、最新の情報を得ることができます。Google アラートとは、設定したキーワードについて新しいページやニュースがあった場合にメールなどで通知してくれるサービスです。

書籍

就職活動向けの本、一般向けの業界全体の解説本など。志望する国に旅行に行くことがあれば、書店に行ってみましょう。もしくは、Amazonがある国であれば、日本のAmazonで買うのと同じ感覚で日本に発送することができます。Amazonがない国でも、国際発送に対応している現地のECサイトも多いです。

現地でのイベント

日本の就活でも合同説明会が開催されるように、海外でも就職関連のイベントが開催されています。合同説明会に参加すれば、多くの企業を一度に知ることができます。

特定の業界に絞っている場合は、業界のイベントに参加しましょう。例えば、テクノロジーのスタートアップに興味があれば、起業関連のイベントに参加します。面白い企業が見つかるかもしれませんし、そこで知り合った人から求人の情報をもらえるかもしれません。

知り合いに聞いてみる

活きの良い最新の情報を得たり、自分が学んだ知識の確認をするのに、詳しい人と話すことは非常に役に立ちます。知人で詳しい人がいれば、気軽に話しましょう。

SNS、ブログ

知人でなくても、SNSやブログなどで見つけた人に直接連絡するのも一つの方法です。注意点として、親しくない人に連絡するときは、自分で調べられることは徹底的に調べて、自分が相手に情報を提供するくらいの気持ちで連絡しましょう。

例えば、欧米ではLinkedInというビジネス向けのSNSが使われています。LinkedInでは、部署名や役職を公開している人が多いので、興味のある会社の、自分に関係しそうな部署の人を探すことができます。メッセージを直接送ることもできます。

LinkedInについては、こちらの記事もご参照ください。

海外就職向け人材紹介会社・エージェント・求人情報サイトに登録
日本での就職活動と同じで、海外就職でも最初に行うのは就職サイトへの登録です。海外就職の就職サイトを「求人情報サイト」、「人材紹介サービス」、「ソーシャルネットワークサイト(SNS)」分けて解説します。

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