アメリカで就職するための就労ビザ:H-1B

H-1Bは、アメリカで外国人(非居住者)が就職する場合の最も一般的なビザです

H-1Bに限らずですが、アメリカで就労できるビザは、取得が難しいです。。。アメリカで就職したいと思う方は、まず現実的にビザが取れそうか確認しましょう。学歴や職歴的に、ビザを取るのが無理なら、就職活動しても意味がないです。

*当記事も含めて、第三者によるアメリカのビザについての説明は、情報が遅れている、または解釈が間違っている間違っている可能性があります。気になる点は、アメリカ大使館・領事館に確認しましょう。

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まとめ

・基本的には、大卒以上の学歴が必要。大学院(修士以上)であれば有利。

・ビザ取得の実績は、圧倒的に技術職(Engineering)、特にソフトウェア、コンピュータ関連が多い。

・文系では、会計(Accounting)が比較的多い。

・営業、事務などは、困難。他のビザや進学を考えたほうが良い。

・発行数には制限がある。本来は取得できる条件の人でも抽選で落ちることがある。

・期間は3年。1度更新して3年間延長できるので、最長6年間。

・H-1Bで最長の6年間を経過した後は、永住権(グリーンカード)の申請が考えられる。

H-1B(特殊技能職)とは

会社員としてアメリカで長期就労する場合の最も一般的なビザです。「特殊技能職」とありますが、一般的な技術職や、管理職なども該当します。逆に「一般技能」で取得できる長期就労ビザはありません。アメリカ政府としては、国内で足りている「一般技能」しかない外国人は受け入れたくないからです。

H-1B ビザは事前に取り決められた専門職に就くために渡米する方に必要です。職務が求める特定分野での学士あるいはそれ以上(もしくは同等の学位)の資格が必要です。雇用が特殊技能職としてみなされるか、あるいは申請者がその職務に適格かは USCIS が判断します。雇用主は、労働省に雇用契約の内容や条件に関する労働条件申請書を提出する必要があります。

在日米国大使館・領事館:就労ビザ

申請条件

<学歴>

・原則としては、大学の学部卒以上の学歴が必要。

・実績を見ると、2015年のH-1B取得者の99.7%以上が大卒以上です。しかも、修士以上が、54%を占めています。高卒は0.05%、短大は0.07%。最低でも大卒以上の学歴がないと、ほぼ無理であることが分かります。

Characteristics of Specialty Occupation Workers (H-1B): Fiscal Year 2015 (英語)

・アメリカ政府の公式の情報ではないですが、以下のサイトなどでは、3年の職務経験が1年の学歴に相当としています。つまり、短大であれば6年間、高校であれば12年間の職務経験があれば、大学卒と同等ということになります。実際には、高卒、短大でH-1Bを取得している人はゼロに近いので、期待しないほうが良いと思いますが。。。

移民弁護士.com、米国移民法情報

<専門知識>

・学校の専門が申請している職種の内容と関連している。例えば、情報学部卒の人が、プログラマーの仕事に応募するなど。

・もしくは、上記の学歴に相当するような、関連する職務経験が十分にある。

・もしくは、就労する州で公認されている関連する資格を持っている。

<職種>

「特殊技能職」というくらいなので、一般事務など専門的な知識が必要ない職種は該当しないと考えられます。しかし、何の職種が「特殊技能職」に該当するのか、政府のサイトには具体的な職業は掲載されていません。アメリカ国内で足りていない職種は、その時々で変わりますので、曖昧さを残しているのかと思います。

実際にH-1Bを取得している職種の実績で、現在「特殊技能職」として求められている職種が分かります。次の表のように、圧倒的に技術職(Engineering)、特にソフトウェア、コンピュータ関連が多いことが分かります。

非技術職では、会計関連(Accountants Auditors and Related Occupations)が比較的多いです。営業や事務など、文系の学生が志望するような職種は、少なくとも公式の統計上はゼロに近いです。「Administrative Specialization」などに若干含まれているのかもしれませんが。。。

「普通の文系のサラリーマン」がH-1Bを取得することは、現実的に非常に難易度が高いです。進学して、会計などの専門を学ぶか、ほかのビザの取得を目指した方が良さそうです。

ちなみに、日本では過剰に持ち上げられがちなMBAですが、H-1Bの取得では不利です。MBAは、ビジネスの全般的な知識を学ぶので、専門性が薄いからです。また、MBAはアメリカでは供給過剰気味なので、よっぽど条件の良い人でないと、H-1Bは難しいです。

職種 比率
Occupations in System Analysis and Programming 56.1%
Computer-Related Occupations その他 8.7%
Occupations in College and University Education 4.4%
Electrical/Electronics Engineering Occupations 3.3%
Accountants, Auditors and Related Occupations 2.5%
Physicians and Surgeons 2.1%
Mechanical Engineering Occupations 1.7%
Budget and Management Systems Analysis Occupations 1.4%
Misc Professional Technical and Managerial Occupations その他 1.2%
Occupations in Architecture Engineering and Surveying その他 1.1%
Occupations in Administrative Specializations その他 1.1%
Occupations in Biological Sciences 1.1%
Occupations in Economics 1.1%
その他 14.2%

出典:Characteristics of Specialty Occupation Workers (H-1B): Fiscal Year 2015 (英語)

<公式情報>

*以上の説明は、英語で記載されている公式情報の抜粋、意訳です。正確に理解するためには、元の英語の資料を見てください。不明点は、米国大使館など、アメリカの政府機関に問い合わせましょう。

H-1Bの定義

U.S. Citizenship and Immigration Services, H-1B Specialty Occupations(英語)

H-1Bビザの実績。職種別、国籍別発行数など。

Characteristics of Specialty Occupation Workers (H-1B): Fiscal Year 2015 (英語)

<発行数>

H-1Bの発行数は制限されています。申請者が最大発行数よりも多い場合は、抽選が行われます。本来は条件を満たしている申請者でも、抽選で落とされることもあります。

2017年現在では、年間の枠は8.5万人です。通常の枠は6.5万人で、アメリカで修士以上を終了した人向けに、追加で2万人の枠があります。修士以上の人は、2万人の枠の抽選で漏れた場合は、通常の枠で再度抽選を行います。

直近の申請数を見ると、2018年度分(2017年10月から就労が可能)は19.9万人、2017年度は23.6万人となっており、年間の8.5万人の枠を大幅に超過しています。条件を満たしている人であっても、抽選の運次第となっています。

申請方法

<ビザ申請の流れ>

・内定を獲得:雇用企業が確定しないと、H-1Bは申請できません。就労許可の取得、ビザの申請は、非常に面倒です。まずは内定獲得に集中して、細かい申請方法を調べるのは、それからにしましょう。

・米国市民権・移民業務局に就労許可を申請(請願書I-129フォーム)

・米国大使館・領事館にビザを申請

就労許可を申請(I-129)

内定が出たら、就労許可を申請します。申請方法は、雇用企業から、請願書I-129フォームをU.S. Citizenship and Immigration Services (USCIS)に提出します。USCISとは、「米国市民権・移民業務局」で、ビザや永住権、市民権取得の申請業務を行っている部署です。

H-1Bでの就労は、毎年10月1日から就労が可能になります。そのためのI-129は、半年前から申請の受付を開始します。2018年度だと、2017年4月3日から受付を開始していました。ここ数年は、開始から5営業日で受付上限数に達しているので、4月の初めにI-129の申請が間に合うように準備する必要があります。

I-129は雇用企業が申請します。なので、基本的には、本人は雇用企業に必要な書類を提出するだけで、申請方法の細かい点を知っておく必要はありません。雇用企業がI-129について分からないなら、雇用企業の費用で弁護士を雇ってもらいましょう。

詳細を知っておきたい場合は、こちらです。

U.S. Citizenship and Immigration Services, I-129, Petition for a Nonimmigrant Worker(英語)

ビザを申請

就労許可を得られたら、ビザの申請をします。手順は多く面倒ですが、後は正確に情報を提供するだけで、特に気を付ける点はないと思います。

・オンラインビザ申請書DS-160を作成

・ビザ申請料金の支払い

・面接の予約

・面接を受ける

・ビザを受け取る

・入国する

<DS-160を作成>

・まずは、オンラインビザ申請書DS-160を作成します

・提出資料:I-129請願書、パスポート、写真のデジタルデータ、履歴書など

在日米国大使館・領事館、DS-160オンライン申請書の作成

<ビザ申請料金の支払い>

米国ビザ申請、ビザ申請料金

<面接の予約>

・本人が米国大使館・領事館で受けます

・提出資料:DS-160フォーム確認ページ、パスポート

米国ビザ申請、面接の予約をする

<面接を受ける>

・提出資料:印刷した面接予約確認書、I-129に記載の受付番号、DS-160フォーム確認ページ、パスポート、証明写真など

・面接の結果は、面接後に領事から伝えられます

在日米国大使館・領事館、申請書類の準備

非移民ビザ面接当日の流れ(東京)

<ビザを受け取る>

・ビザが許可された場合は、約7日間でパスポートが返送されます

<入国する>

・普通にH-1Bが付与されたパスポートで入国します

・アメリカ国内で就労許可を証明する書類としてI-94を使います。I-94は、出入国カードです。2013年までは、入国時に手書きで記入していましたが、現在は自動化され記入しなくなりました。

・入国したら、I-94を下のサイトから印刷します。滞在期限などが間違いないか確認しましょう。アメリカからの一時出国時にも、念のため印刷したI-94を携帯しておきます

U.S. Custom and Border Protection, I-94

ビザの有効期間

H-1Bの期間は3年間です。1度だけ3年間の延長をすることができ、最長6年間になります。

6年間が経過した後は、原則としては、再度申請することができません。それでは、6年間経過した人はどうするのでしょうか?アメリカで貴重な戦力になっていても、強制的に帰国になるのでしょうか?

H-1Bの次のステップとして、永続的な就労許可を申請することができます。H-1Bは、あくまでも一時的な滞在のための「非移民ビザ」です。永続的に就労するためには、永住権(グリーンカード)を取得するために、「移民ビザ」を申請します。

雇用に基づく移民ビザには、次の5つの分類があります。

E1: 卓越技能労働者
E2: 知的労働者
E3: 専門職、熟練・非熟練労働者
E4: 特別移民
E5: 投資家

在日米国大使館・領事館、移民ビザ 雇用に基づく移民ビザ

本記事では、これからH-1Bの取得をする読者を想定しているので、移民ビザの詳しい説明は省略いたします。H-1Bの期限の6年間を過ぎても、永住権を申請することで、アメリカでの就労を続けられる可能性がある点だけ、お伝えしたいと思います。


アメリカのその他の就労関係のビザについて

アメリカ就労ビザまとめ~種類、取得条件、期間、申請方法(2017年更新)
アメリカでの現地就職の観点でビザ、就労許可を紹介します。新卒&転職。一般向け就労許可。留学生。インターン。アルバイト。H-1B。J-1。Optional Practical Training (OPT) など

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