オーストラリアの保育サービス・就学前教育~制度や費用

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オーストラリアに住んでいる人、オーストラリアへの移住を考えている人向けに、オーストラリアでの保育サービス、就学前教育の費用や制度などについて解説します。

*A$はオーストラリアドル、日本円換算は1A$ = 84円としています。

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保育サービス・就学前教育の種類

Long day care(デイケア):日本の保育園の役割に近い。0歳~Kindergarten入学まで。フルタイムで働く両親のために子供を預かる施設。Pre-schoolと同じく、教育も行います。

Pre-school(プレスクール):日本の幼稚園の役割に近い。3-5歳~小学校入学まで。Pre-schoolは、児童の教育が目的。

Kindergarten:Pre-schoolとKindergartenの定義は、州によって違います。例えば、ニューサウスウェールズ州では、小学校の1年前がKindergartenで、その前がPre-schoolです。同じような意味合いで使われることもあります。

Before and After School Hours Care(学童保育):学校に通っている児童向けに時間外の保育サービスを提供。学校内あるいは、学校の近くの施設。

Vacation Care(休暇中の保育):学校の長期休みの期間中に児童をフルタイムで預かるサービスです。Before and After School Hours Careと同じ施設のことが多いです。

Nanny(ナニー):0歳~小学校くらいまで。ナニーを雇って自宅での保育。フルタイムでも、パートタイムでも利用もできる。

Long day careとPre-schoolの違い

Long day careとPre-schoolは、どちらも小学校に入る前の児童を保育、教育する施設です。

Long day careは保育サービス、Pre-schoolは教育サービス

Long day careは、日本でいえば保育園の役割です。フルタイムで働いている親の児童を預かることを前提にした施設です。

一方で、Pres-schoolは、日本での幼稚園の立ち位置です。幼児教育のために児童を預ける施設で、Long day careよりも預ける時間が短いです。

しかし、Long day careでも教育はしますので、教育の面で、Pre-schoolと明確な違いがあるわけではありません。

対象の児童の年齢

Long day careは、施設によっては0歳から預かるなど、年齢の低い児童も対象にしています。働く親のための保育サービスの位置づけだからです。

Pre-schoolは、小学校入学準備のための教育サービスの位置づけなので、3-5歳くらいの児童を対象にすることが一般的です。

教育の内容

Pre-schoolも、Long day careも、教育方針や内容は、施設ごとに異なります。勉強中心の施設もあれば、遊びを通して学ばせる施設もあります。

費用

Pre-schoolの費用は、Long day careの半分くらいです。Pre-schoolは預かる時間が短いからだと思われます。また、州によってはPre-schoolは政府から補助されて、安く提供されています。

Pre-schoolのKindergartenの違い

どちらも、Long day careのような保育サービスではなく、小学校入学の準備のための就学前教育の施設です。

しかし、具体的な内容については、州ごとに異なります。州政府のサイトなどを確認しましょう。

ニューサウスウェールズ州

例えば、ニューサウスウェールズ州では、4歳時にPre-schoolで学び、5歳時にKindergartenで学びます。Pre-schoolとKindergartenは、明確に区別されています。

NSW Government「Enrol in a NSW government preschool」

NSW Government「Starting school」

ビクトリア州

ビクトリア州では、4歳からKindergartenで学びます。Pre-schoolがKindergartenの前にあるというわけではありません。

州政府のサイトでは、Pre-schoolは、Long day careを含む、児童保育・教育サービス全般の意味で使われています。一般的な用法では、Kindergartenと同じ意味で使っていたりもします。

Victoria State Government「Preschool」

Nanny(ナニー)

オーストラリアでは、日本よりもNanny(ナニー、保母)を雇うことが一般的です。

ナニーは、子供の自宅で保育をします。サービスの内容や時間は様々です。平日のフルタイムでも雇えますし、休日の数時間でも対応できます。保育の専門的な経験がある人もいれば、学生のアルバイトの人もいます。

ナニーとオペア(AU PAIR)の違い

オペアとは、外国人がホームステイをして、滞在している家で子供の保育を行うことです。

オーストラリアでは、オペア専用のビザや政府の制度があるわけではなく、正確な定義はありません。ビザは、ワーキングホリデーが一般的です。

・オペアは、住み込み(ホームステイ)で働きます。ナニーは、住み込みも通勤もあります。

・オペアは、一般的には保育の専門家なわけではありません。

・オペアは、住居と食費を実費で支払います。現金の時給は、比較的低いです。

ナニーとベビーシッター(BABY SITTER)の違い

こちらも、明確な定義があるわけではないです。

・ベビーシッターは、一般的にはパートタイムです。ナニーは、フルタイムもあります。

・ベビーシッターは、一般的には学生などで、保育の専門家ではありません。ナニーは、保育、幼児教育の専門家として、子供の教育も求められることがあります。

保育サービスの探し方、選び方

認可されている保育サービスを探す

Long day care(デイケア)、Before and After School Hours Care(学童保育)など認可されている保育サービスについては、下記のオーストラリア政府のサイトで探すことができます。

mychild.gov.au

サービスの種類や、住所などからサービスを探すことができ、非常に分かりやすいサイトです。対応している時間や、価格も簡単に調べられます。

施設の選び方の基準

どこのサービスに預けるかは、親が選ぶことができます。子供に合った施設を選ぶためには、以下の項目などを確認しましょう。

・価格

・対応可能な時間

・教育方針

・衛生環境

・食事

・スタッフの質

ナニー、ベビーシッターを探す

ナニー、ベビーシッターやオペアは、マッチングサイトなどを通して直接雇うことが一般的です。仲介業者を通すこともありますが、個人に直接依頼することが多いようです。例えば、こちらのサイトです。

BABY SITTERS NOW

保育サービス・就学前教育の対応時間

種類 時間
デイケア (Long day care / child care centre) 7:00~18:00くらい
プレスクール (Pre-school) / Kindergarten 8:50~15:00くらい
Before and After School Hours Care(学童保育) Before School:7:00くらい~

After School:18:00くらいまで

ナニー (Nanny)
オペア (Au Pair)
契約次第で、フルタイムでもパートタイムでも

具体的な施設ごとの対応時間は、こちらの政府のサイトで検索してください

mychild.gov.au

保育サービスの費用

オーストラリアの保育費負担は、日本と同じくらい(*オーストラリア人 / 永住者は)

各国の保育費の自己負担を比較したOECDの資料によれば、オーストラリアは、OECD平均よりも若干高い程度で、日本と同じくらいの負担です。

イギリス、アメリカ、カナダ、ニュージーランドなどは、非常に負担が重いです。オーストラリアは、英語圏の国の中では、保育費の負担が軽いです。

*以下で説明するように、保育費の負担が軽いのは、オーストラリア人や永住者で、永住権を持っていない外国人には当てはまりません。

表:収入に占める保育費の自己負担額

負担率
イギリス 33.8%
ニュージーランド 29.0%
アイルランド 27.4%
アメリカ 25.6%
スイス 24.1%
カナダ 22.2%
オランダ 20.2%
スロバキア 16.9%
ルクセンブルク 16.9%
フィンランド 16.8%
オーストラリア 15.7%
日本 15.3%
OECD平均 12.6%
ベルギー 11.7%
チェコ 11.6%
イスラエル 11.4%
ノルウェー 11.2%
デンマーク 10.7%
スロベニア 10.0%

出典:OECD「Society at a Glance 2016」、当サイト整理

負担が比較的軽いのは、保育費の補助があるから

オーストラリアや日本の負担が比較的軽いのは、保育費が補助されているからです。オーストラリア、日本ともに実際にかかる費用から、平均すると57%程度が補助されています。

一方で、アメリカは7%、イギリスは15%程度しか補助されないので、保育費の負担が重いのです。

保育費の補助を受けるには、永住権が必要

充実している保育費の補助ですが、残念なことに、補助を受けるには永住権を持っている必要があります。

永住権を持っていない外国人にとっては、オーストラリアでの保育費は間違いなく高いです。

保育サービスごとの費用

以下の表は、保育サービスごとの費用です。これは、各種補助を含まない価格です。補助を受けられるのであれば、実際の費用負担は低くなります。

種類 価格
デイケア (Long day care / child care centre) ・A$70-$192 / 1日
プレスクール (Pre-school) ・A$45-$80 / 1日
Before and After School Hours Care(学童保育) ・午前の部:A$15-$30
・午後の部:A$25-$45
ナニー (Nanny)
オペア (Au Pair)
・住み込み:時給 A$17-$25
・通勤:時給A$17-$35
・オペア(Au Pair)は住み込みで、週給A$200-300(部屋は食事は別途提供)
・仲介業者経由の場合+手数料

出典:Care for Kids「HOW MUCH DOES CHILD CARE COST?」、当サイト整理

保育費の補助

Child Care Benefit(CCB)とChild Care Rebate(CCR)

政府が提供している補助には、Child Care Benefit(CCB)とChild Care Rebate(CCR)があります。

条件に合えば、両方の補助を受け取ることができます。

Child Care Benefit(CCB)に申請しておけば、自動的にChild Care Rebate(CCR)にも申請されます。

Child Care Benefit Child Care Rebate
金額 ・認可サービス(Approved care):A$215 / 週
・就学年齢の児童については、就学前児童の85%
・収入などの条件で、支払い金額は変わる
認可サービス(Approved care)の最大50%が補助(もしくは、年間A$7500まで)
収入の条件 収入が高くなると減る なし
ビザの条件 永住権を持っている(一部例外あり) 永住権を持っている(一部例外あり)

詳しい条件、申請方法については、政府のサイトをご参照ください

Australian Government「Child Care Benefit」

Australian Government「Child Care Rebate」

永住権を持っていない外国人は、保育費補助の対象にならない

大変残念なことに、永住権を持っていない外国人は、一部例外を除いて保育費補助の対象になりません。

永住者でなくても税金は払うのに、ひどいですね。。。

Australian Government「2.1.2.10 Residence Requirements」

認可保育サービス(Approved Care)とは?

日本でも、認可保育園と無認可保育園の違いがあるように、オーストラリアでも全ての認可保育サービスと、それ以外のサービスがあります。

認可サービスは、デイケア(long day care)や学童保育(outside school hours care)などが含まれます。

プレスクール、Kindergartenについては、認可サービスではなく、登録サービス(Registered care)です。

認可保育サービスかは、政府の提供するこちらのサイトで確認できます。

mychild.gov.au

実際の支払額の計算

実際に支払われる金額は、収入、子供の数、利用するサービスの種類など、様々な要因で決まります。

オーストラリアがシミュレーターを提供しているので、自分の条件を入力して、確認してみましょう。

Australian Government「Payment and Service Finder」

保育サービスの利用率

児童の年齢ごとに保育サービスを利用する理由は異なる

下のグラフは、児童のいる家庭の保育サービスの利用率と、利用する理由です(ナニーなど自宅での保育は除く)。

出典:Australian Government「Child care and early childhood education in Australia」

・0歳の利用は、10%未満。育休を取っている家庭が多いためと思われます。

・1歳から、両親の仕事や就学(Parents’ employment/study)が理由での保育サービスの利用が増えます。この理由での利用は、4歳まで同じくらいの比率です。

・2歳からは、児童の理由(Child-related reason)での利用が増えます。主に、Pre-school以外での児童教育のためです。

・3歳から、プレスクール(Preschool)の利用が始まり、4歳では40%程度の児童がPre-schoolに通います。4歳は、合計で80%以上の児童が何かしらの保育サービスを利用します。

・5歳で利用率が下がります。特に児童の理由、Pre-schoolが下がります。州によって異なりますが、5歳から6歳の間に小学校に入学するからと思われます。

児童の年齢ごとに利用するサービスの種類が異なる

下のグラフは、児童の年齢ごとの利用される保育サービスの種類です。

出典:Australian Government「Child care and early childhood education in Australia」

・1歳から4歳:Long day care施設の利用が多い

1歳から両親の仕事や就学が理由での保育サービスの利用が増えます。その場合は、主にLong day careの施設を利用します

・3歳から4歳:Pre-schoolが多い

プレスクールは、保育の必要がない家庭の児童も、幼児教育の目的で通います。小学校に入るまでの教育なので、5歳で少なくなり、6歳はゼロになります。

・5歳:学童保育(Outside-school-hours care)が始まる

小学校になっても、共働きの家庭では児童を預けるニーズがあります。その場合は、学童保育の利用が一般的です。

まとめ

・保育園に相当するのは、Long day care(デイケア)。幼稚園に該当するのは、Pre-schoolやKindergarten

・小学校の時間外保育は、Before and After School Hours Care(学童保育)で対応

・オーストラリアの保育サービスは、補助がなければ日本と比べて高額

・保育サービスの補助は、永住者でないと受けられない


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