オーストラリアの出産・産休・育休~出産の費用や制度

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オーストラリアに住んでいる人、オーストラリアへの移住を考えている人向けに、オーストラリアでの出産費用、育休・産休の制度などについて解説します。

*A$はオーストラリアドル、日本円換算は1A$ = 84円としています。

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出産費用~Medicareの資格がある場合

Medicareに加入していれば、公立病院は基本的に無料

オーストラリアの公的保険の「Medicare」に加入していれば、公立病院(Public hospital)での出産は基本的には無料です。オーストラリアでは、70%の妊婦が公立病院で出産しています(choice)。

病院外での検査や、出産についての講座の受講など、費用がかかることもあります。

Medicareに加入するには、永住権を持っているか、申請中の必要がある

残念ながら、外国人がMedicareに加入するには、既に永住権を持っているか、永住権を申請中のステータスの必要があります。

正確な条件については、オーストラリア政府のページをご参照ください。

Australian Government「Who can get a Medicare card」

Meicareに加入していても、私立病院での出産は、追加費用が必要

Medicareを持っていれば、公立病院は無料なのですが、あえて別途費用がかかる私立病院で出産する人も30%程度います。

私立病院は、担当の産科医を指定できる、入院する部屋が快適など、公立病院よりもサービスが良いケースが多いからです。

私立病院で出産するには、Medicareがカバーできない費用を支払います。費用は、病院ごとに異なるので、最寄りの病院に確認しましょう。

私立病院での出産を希望する人は、民間保険に加入することが一般的

私立病院での出産を実費で支払うと、思いがけず高額になる可能性があります。

そこで、私立病院での出産を希望する人は、Medicareで支払われない項目をカバーできる民間保険(Private Insurance)に加入しておくことが一般的です。

民間保険に加入するなら、何の項目が含まれているのか、実費で支払う可能性のある金額はいくらになるのか、細かく確認しましょう。

出産費用~Medicareの資格がない場合

Medicare以外の保険に加入する

Medicareに加入できない場合、外国人が入れる他の保険に加入します。

出産以外でも、大きな病気や怪我をした時に、保険がないと実費の支払いが多額になります。そもそも、医療保険に加入していることが必須条件のビザも多いです。

保険については、当記事では解説しませんが、どのような項目がカバーされているか確認して加入しましょう。

保険は妊娠する前に加入する必要があり

妊娠してから出産費用をカバーする保険に加入しても、保険は支払われません。

保険には12か月程度の「waiting times」が設定されているからです(保険によって異なる)。つまり、出産を予定している1年以上前には、保険に加入しておく必要があります。

保険に入っていない場合の費用は、100万円以上

妊娠する可能性のある人は、出産をカバーする保険に入るべしという前提ですが。。。

そうはいっても、計画外の妊娠もあるかと思います。

保険なしで出産をする場合、費用は完全に実費です。費用は、病院ごとに異なります。最寄りの病院に確認しましょう。

参考までに、公立病院のWestern Healthが提供している検査、入院など含めた全て込みのパッケージの料金は、A$16,000(約130万円)です。出産で救急の手当が発生する費用も含まれています。

Western Health「Maternity Medicare Ineligible」

最低限の費用は、50万円~だが、リスクが高い

最低限、出産だけの費用であれば、50万円程度の病院もあります。例えば、Benalla Healthというビクトリア州の病院では、A$6000(約50万円)で提供しています。

Benalla Health「FEES FOR MEDICARE INELIGIBLE PATIENTS」

しかし、価格に含まれている入院費用は、たったの3日間です。薬代も入っていません。また、帝王切開になる場合は、A$12,500になります。万が一緊急手術が必要な場合は、非常に高額になると思われます。

日本の出産費用

日本では、出産費用は、ほぼ実質負担なし

日本では、出産費用は自己負担で、健康保険は適用されません。

分娩入院費で約40万円、妊婦健診の費用で約5万8000円ほど必要です(Benesse たまひとnet)。

一方で、日本では子どもが生まれたときは、1児につき42万円の「出産育児一時金」が受けられます(全国健康保険協会)。実質の自己負担は、大きくありません。

オーストラリアの出産でも、国民健康保険が適応される可能性がある

留学など比較的短期の滞在の場合、日本の国民健康保険の資格を持っている人もいるかと思います。

状況によりますが、国民健康保険は、海外での医療費用もカバーできることがあります。例えば、帝王切開は国民健康保険の対象なので、国民健康保険で払い戻しできる可能性があります。

All About「費用は?保険は適用される?海外出産の注意点」

上記の出産育児一時金も、もらえる可能性があります(東京都中野区の回答例)。

オーストラリア生まれの子供の国籍

子供の国籍は、国によって生地主義血統主義があります。アメリカのような生地主義だと、親の国籍に関わらず、アメリカで生まれた子供はアメリカ国籍になります。

日本のような血統主義だと、日本人が親であれば、どこで生まれても日本人です。

どちらかの親がオーストラリア国籍、もしくは永住者の子供は、オーストラリア国籍

オーストラリアは、条件付きの生地主義です。以下の条件の子供は、オーストラリア国籍になります。

・オーストラリアで出生

・どちらかの親がオーストラリア国籍、もしくは永住者

逆に言えば、オーストラリアに住んでいるが、永住権を持っていない場合、オーストラリアで子供が生まれていも、オーストラリア国籍は取得できません。

オーストラリア国籍を取得すると、日本国籍も取得して、二重国籍になる

日本の国籍は血統主義です。オーストラリアで出産をしても、子供は日本国籍を取得します。オーストラリア国籍も取得すると、日本とオーストラリアの二重国籍ということになります。

ただし、日本の国籍を留保するには、出生後3か月以内に出生届を提出する必要があります

日本国籍の不留保(国籍法第12条)
外国で生まれた子で、出生によって日本国籍と同時に外国国籍も取得した子は、子の出生の日から3か月以内に出生届とともに日本国籍を留保する旨を届け出なければ、その出生にさかのぼって日本国籍を失います。

出典:在オーストラリア日本国大使館

二重国籍の子供は、22歳に達するまでに国籍を選ぶ

日本の法律では、二重国籍の子供は、22歳に達するまでに国籍を選択する必要があります。

法務省「国籍の選択について」

オーストラリアの産休・育休の制度

オーストラリアに移住してから子供を産むことを考えている人は、産休・育休の制度が気になるのではないでしょうか?

オーストラリアにも日本と同じように産休・育休の制度があります。

英語では、産休はMaternity Leave、育休はParental Leaveです。

産休・育休の期間

日本は、産休と育休で制度が分かれていますが、オーストラリアでは、産休を含めた育休の期間です。

・最長12か月。会社との合意があれば、24か月まで。

・配偶者(夫)も習得できる。同時に取得できるのは、8週間まで。

・出産予定日の6週間前から取得できる

詳しくは、オーストラリア政府のサイトをご参照ください。

Australian Government「Maternity & parental leave」

産休・育休の給与

上記の期間は、無給の産休・育休です。有給の育休(Paid Parental Leave)の期間は、別になります。

オーストラリア政府から支払わえれる有給の育休は、以下の通りです。

・最長18週間

・配偶者(夫)は、最長2週間

・最低賃金の額(2018年2月では、週給A$695(6万円弱))

・会社で有給の育休があれば、別途プラスで支払われる(会社によって異なる)

Australian Government「Parental Leave Pay」

日本の産休・育休との比較

期間は、日本が若干長い

日本の育休は、1年間です。それにプラスして、産前休暇が6週間あります。オーストラリアは、合計で1年間なので、日本の方が長いです。

夫婦で同時に取得できる期間は、日本が長い

(ほとんど使われていませんが)日本でも配偶者(夫)が1年間の育休を取ることができます。しかも、夫婦同時で1年間休めます。

オーストラリアは、同時取得できるのは8週なので、同時取得の期間は日本が長いです。

育休の有給期間は、日本の方が有利

オーストラリアは、年収に関わらず、一律最低賃金で支払われます。期間は、18週間と短いです。

日本は、年収の応じて支払われます。産休の14週間は、給与の3分の2。育休開始から180日までは給与の67%、180日経過後は50%です。

一般的なケースでは、日本の方が支払われる給与は多くなると思います。特に給与水準が高い人には有利です。

しかも、日本は、夫婦両方が1年間取得できます。夫婦そろって1年間有給で給与をもらいながら、子育てできるということです。

日本は、制度上はイクメンに非常に優しい(しかし、実際は別問題)

夫婦が同時に休める期間を見ても、有給を見ても、日本の制度は配偶者(夫)が育休を取るのに非常に有利です。

しかし、日本の会社で夫が1年間休むのは、実際のところ不可能なケースが多いと思います。

オーストラリアでは、夫も実際に育休を取っている

オーストラリアで子育てをしている日本人のブログでは、夫も実際に休暇を取っていると書いてあることが多いです。

夫が実際に取得する日数は、オーストラリアの方が長いかもしれません。

父親育休のことを英語でPaternity leaveと言います。

オーストラリアでは一般的に男性でも育休を取得するケースが多く、僕の知り合いもほとんど取得しています。

オーストラリアに移住したパパのブログ「オーストラリアの父親育休制度の実態。日本との違いは?僕は3週間の育休を取得しました。もちろん有給。」

日本とオーストラリアの産休・育休比較の詳細

日本の育休・産休の制度は、非常に複雑です。正確には以下のサイトをご参照ください。

全国健康保険協会

厚生労働省「育児・介護休業法について」

日本 オーストラリア
期間 育休1年間+産休が出産予定日の6週前から、出産日の8週後まで(女性は、出産後の産休8週間を含めて1年間) 産休含めて1年間
配偶者の取得 配偶者(夫)も同時に1年間取得できる 配偶者(夫)も習得できる。同時に取得できるのは、8週間まで。
期間の延長 夫婦両方取得する場合は、1歳2か月まで。保育所に入れないなど、条件によっては2歳になるまで認められる。 会社と合意できれば、2年間まで
有給 産休の14週間は、給与の3分の2。育休開始から180日までは給与の67%、180日経過後は50%。夫婦両方が取得できる 最低賃金の額で最長18週間(2018年2月では、週給A$695(6万円弱))。配偶者は2週間

まとめ

・Medicareがあれば、公立病院での出産は基本的に無料

・しかし、Medicareに加入するには永住権を持っているか、申請中の必要がある

・出産費用をカバーするには、出産の1年程度前から保険に加入する必要がある

・産休、育休は、日本の方が条件が良くなるケースが多い

・オーストラリアは、夫でも実際に育休を取得する人が多い(日本は制度があっても使われない)

・オーストラリアで生まれた子供は、永住者の子供であれば、オーストラリアと日本の二重国籍


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