小学校の英語授業での少人数レッスンの取り組み

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2020年から、小学校の英語教育が大きく変わります。

小学校3・4年生は週1コマの「外国語活動」、小学校5・6年生は週2コマの「外国語」を受けることになります。4年間を通して、「音声コミュニケーション」、つまり英会話が重視されています。

英語を音声から学ぶ方針は、素晴らしいと思います。文字から英語の学習を始めると、ローマ字読みで単語を覚えてしまい、外国人には通じない発音になってしまいます。最初から、英語の音で覚える方が、通じる英語を学ぶには効率的です。

しかし、小学校で英会話を学ぶ問題点は、小学校のクラスの人数が多いことです。2017年の1クラスの人数は平均で23.6人(文部科学省「学校基本調査」)、上限人数は40人です。

英会話のレッスンをするには、多すぎる人数です。

英会話スクールでも、少人数のグループレッスンが一般的なように、英会話の学習は少人数の方が効率が高いです。学術的な研究でも、クラスの人数と学習効果の関係が証明されています(A Study of Class Size Effects in English School Reception Year Classes)。

言語の学習は、双方向のコミュニケーションが必要です。一方的に、先生の発話や音声教材を聞いていても、リスニングはともかく、スピーキングは上達しません。

本記事では、大人数の学校のクラスで、どのように生徒が実際に英語を話す機会を作れるのか?現在、実践されている例を紹介したいと思います。

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生徒同士のグループワーク

現在の小学校の「外国語活動」でも行われているのが、数人の生徒で行う「グループワーク」、または2人の「ペアワーク」です。

2020年からの英語教育でも、様々なグループワークやペアワークを授業に取り入れることが推奨されています。

グループワークの例

文部科学省の「教材指導書」に掲載されている例です。

・ペアの友達に好きなものについて聞いて、その答えを記入する。

・4人の友達に好きなものについてインタビューする。

・授業で習った表現を使って、自己紹介をする。

グループワークのメリット

・大人数のクラスでも実施できる。

・先生が一人一人に個別指導しなくても実施できる。

・生徒同士なので、気軽に行える。

グループワークのデメリット

・初心者同士なので、生徒同士で正しい発音、表現を学ぶことが難しい。

・初心者同士なので、会話を続けることが難しい。

・日本人同士なので、英語を話す必然性がなく、モチベーションを高めにくい。

オンライン英会話の活用

一部の学校では、英会話の実践にオンライン英会話を活用しています。

佐賀県上峰町の例

佐賀県上峰町は、オンライン英会話のレアジョブと提携して、小学校でオンライン英会話を実施しています。

このように外国人の先生と1対1でレッスンをしています。

出典(以下の表、グラフも同様):佐賀県上峰町とレアジョブ オンライン英会話の業務委託契約を4年連続締結

週1回、15分間、生徒が外国人の先生と1対1でオンラインで会話をします。たった15分とはいえ、毎週定期的に外国人と1対1で英語を話す機会があるのは、モチベーションの向上になりそうです。

オンライン英会話の効果

オンラインレッスンの受講前後に行われたアンケートでは、様々なコミュニケーションの項目で改善が見られました。特に、「英語を使って、自分の好きな事や、したい事を外国の人に伝えることができますか?」の項目で、47.1%から76.3%と大きく向上しています。

他のオンライン英会話の活用事例

レアジョブの他にも、weblio英会話学研オンライン英会話、など様々な企業が学校向けのサービスを提供しています。

以下の写真は、飯塚市の小学校の例です。学研オンライン英会話がシステムを提供しています。受講後に行ったアンケートでは、「英語が話せるようになりたいと思う子どもの割合」が98%を超えたそうです。

出典:学研オンライン英会話「マンツーマンオンライン英会話導入 飯塚市教育委員会(福岡県)」

オンライン英会話導入のハードル

アンケート結果でも成果が出ているように、効果は高そうです。しかし、全国的な導入はハードルが高そうです。

学校のICT環境

1人1台のPCを確保できるのか?数十人が一斉にビデオチャットできるネット回線が確保できるのか?機器やソフトにトラブルがあった場合のサポートなど。

現状の小学校のICT環境を考えると、なかなかハードルは高そうです。上記の上峰町の担当者も、インタビューで導入時に苦労した点として挙げています。

費用

具体的な費用について情報が見つからなかったのですが、それなりに費用はかかるのではないでしょうか?

私立はともかく、公立だと費用の負担が大きな課題になりそうです。実際、レアジョブに掲載されている実績校は、ほぼ全て私立の学校です。

海外の学校と国際交流

インターネットを活用する他の方法として、海外の学校との国際交流があります。

オンライン英会話サービスは、プロの先生との交流ですが、国際交流は海外の生徒と交流します。

佐賀市立北山校の例

小学校ではないですが、佐賀市立北山校(中学校)が、テレビ会議システムを通して、オーストラリア・クイーンズランド州の高校の生徒と交流を行っています。

出典:IT Media「テレビ会議で国際交流、佐賀の小学校にスゴイ設備」

オーストラリア側は、日本語を勉強している生徒で、日本の生徒は英語で話して、オーストラリアの生徒は日本語で話す形式だそうです。

Language Exchange (言語交流)というスタイルの学習方法です。

日本語を学ぶ生徒との交流だと、お互いの生徒にメリットがあって、継続しやすいのではと思います。英語だけで交流する方式だと、英語の不自由な日本の生徒と交流するメリットが相手側の生徒に薄いです。

もしくは、英語圏の生徒ではなく、アジアなど英語を学んでいる生徒同士の交流も面白いかもしれません。

国際交流のメリット

・生徒との交流なので、先生への支払いがない。

・同年代の生徒と交流でき、海外の学校の様子を知ることができる。

・先生との交流よりも、共通の話題を見つけやすいと思われる。

導入のハードル

費用

オンライン英会話と同じで費用は課題です。生徒との言語交流なので、相手側への支払いは必要ないでしょうが、テレビ会議システムの導入やメンテナンスは費用がかかるはずです。

交流先を見つける

オンライン英会話は、サービス料さえ払えば、業者がサービスを提供してくれます。

業者に頼らずに言語交流する学校を見つけることも、理論的には可能です。しかし、多くの学校で導入するとなると、日本と海外の学校をマッチングする仕組みがないと厳しいかと思います。

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