高校留学のメリット・デメリット

photo by Kenneth C. Zirkel; CC-BY-SA from Wikimedia Commons

一般的に留学というと、大学や大学院での留学、語学の短期留学が多いです。しかし、高校から海外留学する選択肢もあります。

本記事では、高校留学のメリット・デメリットを解説します。高校留学といっても、期間限定の交換留学と、3年間通う留学では大きく異なります。本記事は、後者についてです。

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メリット① 英語(外国語)の習得は若いほど有利

英語や外国語の習得をする年齢は早ければ、早いほど有利です。

子供の英語教育・英会話は、いつから始めるべき?意味がない?
「英語は小さいころから学習すべきなのか?」、「いつから習うのがいいのか?」、「母語の日本語には影響がないのか?」など早期の外国語学習は、多くの人が疑問に思うテーマです。日英バイリンガルの子供を育てたいとして、英会話・英語教育は、いつから行うべきかを考えます。

大学からより、高校から英語の環境で勉強をした方が、ネイティブに近い英語力を身につけられる可能性が高くなります。

以下の研究は、アメリカに移住した中国人、韓国人の子供を対象にしたものです。3-7歳までに移住した子供はネイティブと同程度の英語力を身につけますが、8歳以上になると、移住時の年齢が上がるごとに、最終的に到達する英語力が下がります。

Proceedings of the National Academy of Sciences of the United States of America「Economic, neurobiological, and behavioral perspectives on building America’s future workforce」

メリット② 国際感覚、多様な価値観を身につけることができる

日本でも外国人は増えてきましたが、普通に生活していると、小学校から大学まで、ほとんど外国人と接する機会はないと思います。

海外の高校で学べば、日本人はほとんどいません。

アメリカなど英語圏の高校では、移民や留学生が多いので、様々な国の出身の学生と知り合う機会もあると思います。

日本語では話せない人、日本の常識とは異なる文化を持つ人と交流することは、バランスの取れた国際感覚、多様な価値観を身につけることに役立ちます。

メリット③ 海外大学への留学がスムーズ

世界のトップ大学は、ほとんどがアメリカ、イギリスなどの英語圏の大学です。

「U.S. News Best Global Universities」のランキングでは、上位20位は全て英語圏、上位50位でも英語圏もしくはヨーロッパの大学です。

出典:U.S. News Best Global Universities 2018

アジアのトップは、43位のシンガポール大学、55位に同じくシンガポールの南洋理工大学。日本のトップは、東京大学の57位、京都大学でさえも100位以下です。日本の大学の順位は、年々下がっています。

出典:U.S. News Best Global Universities 2018

英語圏のトップ大学に進学したいなら、入試の時点で高い英語力が必要になります。

日本の高校で日本語で勉強しながら、並行して海外トップ大学に入学できる英語を身につけるのは、ハードルが高いです。

また、日本の高校から海外の大学に進学する人はほとんどいません。周りにほとんど海外大学進学に詳しい人がいない状況で、進学の準備をしなければなりません。学校からのサポートも期待できないです。

高校から海外に進学すれば、高校を卒業する頃には、現地の生徒の英語力に追いついてきていると思います。進学の準備も、先生や友達から情報を得ながら進めることができます。

メリット④ 帰国子女枠を使うことができる

日本の受験勉強は大変です。

トップ大学に進学しようとすると、大学受験のための勉強を長時間する必要があります。

受験勉強が役に立つかは、人によって見解は分かれると思います。しかし、多くの人は、受験勉強は大学に入るための必要悪で、できれば避けたいと思っているのではないでしょうか?

大学によっては、海外で高校を卒業した人を対象に、一般入試とは異なる「帰国子女枠」を設定しています。

帰国子女枠に該当する場合、一般の筆記試験は免除され、高校の成績、TOEFLなどの外部の英語試験、小論文などの提出などで入試が行われます。一般の大学入試よりは、遥かに受験勉強の負担は少ないです。

また、帰国子女枠は、東大、京大、慶應、早稲田など、多くの有名大学でも実施しています。大学受験で測る筆記試験の「学力」では入学が難しい生徒でも、帰国子女枠であれば、可能性が高くなることもあります。

メリット⑤ 自立心が身につく

日本の多くの学生にとって、一人暮らしをするタイミングは大学進学だと思います。人によっては、社会人になっても実家住まいの人もいます。

実家暮らしだと、多くのことを両親に頼っています。例えば、公共料金などのライフラインの支払いも知らないでしょうし、家事も親任せかもしれません。困ったことがあったら、親や、昔から知っている友達に相談できます。

海外高校に進学したら、親に頼ることはできません。トラブルがあっても、慣れない海外の環境で、何でも自分で調べて、解決する必要があります。友達も一から作っていく必要があります。

多くの人が大学や社会人になってから独り立ちしていきます。高校から大きな環境の変化を経験し、自分の力で生活をすることは、早くから自立心を養うことにつながります。

デメリット① 費用が高い

日本の公立高校であれば、学費は安いです。また、高校は実家から通っている人が大部分なので、家賃もかかりません。

高校留学をする場合、まず一人暮らしのための生活費が必要です。アメリカ、イギリスなど英語圏の国だと、地域によっても異なりますが、日本よりも物価が高い場合があります。

また、英語圏の私立学校は、学費が非常に高い学校が多いです。公立学校であっても、留学生(あるいは、他の州からの生徒)については、別途高い学費を設定してるところもあります。

・高校留学の費用目安(「留学くらべーる」調べ)

国名 1か月 3か月 半年 1年
アメリカ 30~70万円 70~100万円 150~300万円 200~600万円
カナダ 30~50万円 80~100万円 100~200万円 200~450万円
オーストラリア 30~60万円 80~100万円 120~200万円 200~450万円
ニュージーランド 30~50万円 70~100万円 100~150万円 200~500万円
イギリス 40~70万円 150~200万円 200~400万円 300~600万円
ハワイ 40~70万円 70~100万円 150~300万円 300~500万円

※授業料・食費・滞在費を含めた費用の目安になります。

出典:留学くらべーる

デメリット② 日本の大学進学の選択肢が狭くなる

日本の高校で学ぶ内容と、海外で学ぶ内容は異なります。国語は当然習いませんし、他の教科でも、高校で習う内容は異なります。

同じ内容だったとしても、海外の学校では英語の単語で覚えているので、日本語に置き換えて考える必要があります。言語が関係なさそうな数学でも、「方程式」や「三角関数」など、専門用語をたくさん覚える必要があります。

海外で勉強しながら、日本の受験対策も並行して行うことは困難です。一般入試であれば、最低1年は浪人を覚悟すべきでしょう。

帰国子女枠であれば、比較的日本語の負担は低くなりますが、希望の学校・学科に帰国子女枠があるとは限りません。

デメリット③ 日本の家族や友達と離れることになる

国内での進学でも、大学で一人暮らしを始めると、ホームシックになる人がいます。

高校での海外留学は、環境の変化に対応するのが、更に大変です。

高校生は、まだ親離れしていない人も多いでしょう。しかも、国内の引っ越しよりも、遥かに環境の変化が大きい海外での一人暮らしです。

日本でのホームシックであれば、すぐに実家に帰ることもできます。電話も簡単にかけられます。海外での一人暮らしは簡単に帰国はできません。電話も時差があれば、簡単にはかけられません。

慣れ親しんだ日本の友達とも離れることになります。最初は現地の友達もいません。言語のハンデもあるので、気軽に相談できる友達を作るのにも時間がかかると思います。

デメリット④ 勉強についていくのが大変

海外での授業は、当然英語です。

一般的な日本の中高生の英語力では、ほとんど英語が聞き取れないと思います。英語力がそれなりにあったとしても、それぞれの科目で使う専門用語は、習ったことがないでしょう。

また、授業のスタイルも異なります。一般的に英語圏の学校では、参加型の授業が多いです。日本では、黙って授業を聞いて、筆記テストさえこなせば、良い成績が取れます。英語圏の高校では、授業での発言や、他の生徒とのグループワーク、レポートの作成や、プレゼンテーションなどが求められます。

英語力でハンデがあるなかで、更に授業スタイルの違いにも適応しなければなりません。

留学生向けのESL(English as second language)プログラム

英語圏の高校では、留学生や移民の子供など英語が不自由な生徒が多いです。そこで、英語にハンデがある生徒向けにESL(English as second language)というプログラムを提供している学校も多いです。

ESLのクラスでは、英語自体の勉強をしたり、留学生向けに他の科目を英語で勉強したりします。英語力が十分につけば、一般の学生のクラスに編入します。

英語に不安がある場合は、ESLなど、留学生のサポートが手厚い学校を選ぶべきだと思います。

デメリット⑤ 日本の事情や日本語に疎くなる

日本人だからといって、自動的に日本語が完璧になったり、日本の事情に精通できるわけではありません。

3年間高校生活を海外で過ごすということは、その分、3年間日本にいないということです。日本語を使う機会が少なくなりますし、特に勉強など「難しい」日本語に触れる機会が少なくなります。

日本のニュースや、テレビ、音楽などに触れる機会も少なくなります。日本で話題になっていること、日本の同年代が当然知っていることにも疎くなります。

大学で日本に戻ってくると、逆に日本に順応するのに苦労する人もいるかもしれません。更に海外大学に進学して、日本に帰って就職する場合は、一般の新社会人とは、かなりギャップが大きいと思います。

将来日本に帰ってくるつもりなら、英語や海外現地での常識を身につけるだけでなく、日本語のメンテや、日本人としての常識を身につけることも意識すべきです。


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