高校留学するには~必要な条件、英語力、準備する資料

photo by JonRidinger; CC-BY from Wikimedia Commons

日本でも国際化が進む昨今、英語の重要性はますます高まっています。

高いレベルの英語力を身につけるために、または若いうちから国際感覚を身につけるために、高校から留学をする人が増えてきています。

高校に留学するためには、どのような条件が必要でしょうか?英語力は、どの程度必要でしょうか?高校留学を目指すに当たり、中学生の間にどのような準備をしておくべきなのか、解説します。

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高校留学に必要な英語力とは?

帰国子女やインターナショナルスクール出身でもない限り、留学の条件で最も気になるのが、英語力だと思います。

海外の高校への入学を申請するときに、どのくらいの英語力が必要かは、受験する学校のレベルや、学校の方針によって大きく異なります。

大きく分けると、必要な英語力は、次の2つのレベルに分かれます。

① 初級レベル~入学してから英語を学ぶことが前提

② 上級レベル~英語での授業についていけることが前提

初級レベル~留学してから英語を学ぶことが前提

留学に最低限必要なレベル

平均的な中学生卒業レベルの英語力があれば、留学することはできます。留学の申請で、特に基準を設けていない学校も多いです。

カナダの例

例えば、カナダの公立高校は、英語力の条件はないようです(カナダ留学センター)。

例えば、ブリティッシュコロンビア州のRichmond学区の申請要件を見ると、英語力の証明について提出する書類がありません。

オーストラリアの例

もう一つ具体的な例で、オーストラリアのビクトリア州の基準は以下の通りです。

英検3級は、「中学卒業程度」の水準なので、英語が得意な中学3年生であれば、現実的なレベル感です。また、テストの点数が足りなくても、最初は語学学校に通えば留学することができます。

・英検3級以上

・TOEFL iBT 69以上

・ビクトリア州で最長21週以上の英語クラスを修了する(期間は、生徒の英語力による)

・その他

ESL(English as Second Language)

留学生や移民の受け入れが多い学校では、外国人向けにESL(English as Second Language)というコースを提供することがあります。

ESLのコースでは、外国人向けの英語の授業をします。また、他の科目の授業についても、外国人向けに提供していることもあります。

ESLのコースを経て、英語力が十分についてくると、現地の生徒に混ざって一般の授業を受け始めることになります。

上級レベル~英語での授業についていけることが前提

有名ボーディングスクールなどでは、留学生であっても、高い英語力を求めます。入学時点で、英語での授業(しかもハイレベルな)についていけることが前提です。

そのような学校では、わざわざ留学生向けの説明ページに「ESLのクラスは提供されていません」と明記されていたりします。

TOEFLの基準

トップ校では、TOEFL iBT 100、TOEIC 900点、英検1級程度

留学生については、TOEFLなど英語力の証明を要求する学校が多いです。要求水準は非常に高いです。

例えば、アメリカの有名ボーディングスクールのPhillips Academyは、iBT 100程度必要だと言われています(Business Insiderduewest)。

TOEFL iBT 100というのは、TOEICだと900点、英検だと1級程度のレベルです。普通に日本の学校で勉強するだけでは、達成できるレベルではありません。

面接を突破できる英会話力も必要

多くの有名校では、面接も実施しています。

TOEFLは、スピーキングの項目もありますが、所詮テストなので、実際の英会話力が低くても高得点を取ることは可能です。

しかし、面接では、実践的なコミュニケーション力が問われます。TOEFLなどテストの準備に加えて、面接を突破できる英会話力も必要です。

上級レベルの英語は、どのように身につけるべきか?

日本の中学で英語の授業を受けていても、上記の英語力を身につけるのは、無理があります。

普通の中学校に通っているなら、留学に必要な英語力を想定した訓練が必要です。

TOEFL対策

私は、基本的には、TOEFL(あるいは志望校が要求する他のテスト)で目標スコアを取るための勉強をすべきだと思います。

TOEFLは良くできたテストで、TOEFLで高得点を取れれば、少なくとも英語の授業を理解するのに必要な「最低限の」リーディングやリスニングは身につきます。

大学留学などでTOEFLを受験する人は多くいるので、日本語で解説している良質な教材が多数あります。日本語の教材に拘らなければ、英語圏で出版された教材は、更に選択肢が多いです。アプリやWebの教材も多数あります。

塾に通いたい人にも、TOEFL対策の塾は選択肢が多いです。

また、TOEFLのリーディングやリスニングで題材にしている内容は、様々な分野の内容がカバーされており、興味を引く内容も多いです。英語のためだけに英語を勉強するのではなく、TOEFLを勉強することで、幅広い分野を知ることができます。

面接に必要な英語

本当であれば、何を聞かれてもスムーズに答えられる、全方位的に高いレベルの英会話力を身につけることが望ましいです。

しかし、帰国子女やインターナショナルスクール出身でもなければ、日本にいながら、そのような英会話力を身につけるのは困難だと思います。

そこで、完璧でない英語力でも面接を突破するには、面接を意識した訓練をすべきです。想定問答を作成して、事前に想定できる質問については、流暢に答えられる準備をしておきましょう。

中学から英語の環境で学ぶ

もしくは、高校で留学することを見越して、インターナショナルスクールなど、英語で授業をする学校で学ぶことも一つ方法です。中学校で3年間、英語だけの授業で学べば、基本的な英語力はクリアできるはずです。

留学する国の学力テスト

学校によっては、学力テストの提出を課している学校もあります。一般的には、大学入試のセンター試験のような統一テストです。

例えば、アメリカだとSSAT(Secondary School Admission Test)が一般的です。

SSATには、Verbal(語彙)、Reading(読解)、Quantitative(数学)、Writing Sample(ライティング)の項目があります。

ネイティブ向けのテストなので、「英語」については、難易度が高いです。外国人向けのTOEFLとは問題の傾向も違うので、早めに対策が必要です。

逆に、数学については、日本の学校はレベルが高いので、簡単に感じる人も多いと思います。

中学校の成績も重要

学校によっては、中学校の成績も入学の選考で重視されます。

有名校を狙うなら、可能な限り全ての科目で最高評価を目指すべきです。

有名校ではなくても、一定の基準が必要なことがあります。例えば、オーストラリアのビクトリア州の基準では、「過去 2 年間に修了したすべての科目で 60%以上の成績」が必要です。

英語以外の長所、興味を持とう

高校留学に限らず、海外志向の強い人は、海外に出る条件=英語、という発想になりがちです。

高校留学の入試を突破するために、(特に有名校では)英語力は重要です。入学した後も、授業を理解するため、現地の友達とコミュニケーションするために英語力は大事です。

しかし、英語力以外の分野も重要です。

入学の申請でアピールできる長所や取り組みが必要

日本にいれば、英語力が高いことは、自慢できる長所です。

しかし、「日本人にしては英語ができる」ことは、海外の入試では、全くアピールになりません。

有名校の入試では、エッセイの提出や面接で、自分の長所や今まで取り組んできたことをアピールする必要があります。

英語以外でも、興味のある分野を見つけて、全力で取り組んでみましょう。

入学してからも重要

無事に入学できても、英語以外の得意な分野は重要です。

「日本人のわりには」英語が上手くても、ネイティブに混じれば、下手な英語です。日本では英語が得意科目だったのに、留学すると英語が「超」不得意な人になってしまいます。

得意なことがないと、クラスメートから興味をもたれず、孤立するリスクが高くなります。友達ができないと、留学の大きな目的である英語力の向上にもつながりません。

逆説的ですが、現地で英語を使うためには、英語力以外の一芸に秀でる方が有利です。「外国から来て英語は微妙だけど、~~でスゴイやつ、~~に熱心に取り組んでいるやつ」というポジションを得るべきです。

得意な分野、周りから頼られる分野、共通の話題にできる分野があれば、現地の生徒や先生などとコミュニケーションする機会が増え、英語も早くキャッチアップできます。

理系科目

数学など理系科目については、そこまで英語のハンデはありません。

専門用語は英語で覚えなおす必要がありますが、用語さえ覚えてしまえば、コンセプトは同じです。

一般的に、日本(というより、東アジア全般)の理系科目の学力は非常に高いです。日本で理系が得意であれば、英語が苦手でも理系の科目は苦労せずについていけると思います。

プログラミング

プログラミングは、理系科目以上に万国共通です。日本で動くプログラムは、当然留学先の国でも動きます。

国や州によって異なりますが、学校でもプログラミングのクラスが増えてきています。

また、優秀なプログラマーが一目をおかれるのは、海外でも同じです。というより、職業としてのプログラマーの立場は、欧米の方が明らかに高いので、プログラミングは非常に実用的なスキルです。

スポーツ

スポーツも英語のハンデが少ない分野です。日本の学校でも同じですが、スポーツができる人は、クラスの人気者になりやすいです。クラブ活動などで、共通の趣味を通して、友達もできやすいです。

打算的なことをいうと、サッカーなど、どの学校でもプレーされていそうなメジャーなスポーツの方が好ましいでしょう(その意味では、アメリカ以外では野球はマイナースポーツ)。

もしくは、自分が取り組んでいるスポーツがプレーされている学校を選ぶのも一つの考え方だと思います。

音楽・芸術

音楽、絵画などの芸術も、言語を超えて共有しやすいです。

日本人の音楽家が世界を股にかけて活躍していることからも、実力があれば、国に関係なくアピールできることが分かります。

ボランティアなど学校の外での活動

欧米では、ボランティアなど学校の外のコミュニティに貢献することが重要視されています。

学校での活動に情熱を注げる分野が見つからなけらば、学校の外の活動に目を向けるのもよいかと思います。

 エッセイ(志望動機など)

欧米の大学入試では、志望動機や、志望者の人となりを知るために、「エッセイ」の提出を求めることが一般的です。

高校留学でも、有名校はエッセイの提出があり、重要視されています。

例えば、有名ボーディングスクールのPhilip Academyで提出を求められたエッセイの例が、こちらのサイトにあります。

良いエッセイを書くためには、充実した経験が必要

有名校に評価されるようなエッセイを書くには、書き方の技術論以上に、書く内容が重要です。

エッセイで書くのは、主に自分のこと、自分の考え方です。書く内容を充実させるには、充実した人生、充実した学生生活を送っていることが必要です。

上記にも書きましたが、「英語だけ頑張った」中学校生活では、エッセイに書く内容が薄くなります。面接でも同様です。

ネットで探せば、海外の高校入試での実際のエッセイの回答例が見つかります。

海外の学生は、どんな学生生活を送っているのか?海外の学生の例と比べて、自分の学生生活は充実しているのか?第三者視点で、自分の取り組みを振り返ってみましょう。

費用の負担

留学の条件で見逃せないのが、費用の負担です。

まず、親元を離れて生活するので、実家から高校に通うよりも費用がかかります。

また、学費も日本で高校に通うよりも高くつきます。公立高校でさえも、留学生向けには高い学費を設定することが一般的です。

留学の費用については、こちらをご参照ください。

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