留学先の国を決める要素は色々とあります。その国の文化が好き。観光で行って、住みたいと思った。勉強している専攻で有名な大学がある。友達が先に留学している。などなど。
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就労ビザの取りやすさも考えましょう!
語学留学ではなくて、大学や大学院などへの長期の留学の場合、卒業後に引き続き住みたい、現地で仕事をしたい人は多いです。
その内のかなりの割合が、就労ビザが取れなかったり、仕事が見つからなくて断念します。仕事が見つからないのも、就労ビザが厳しいことが大きな原因です。就労ビザが厳しい国では、ビザがない外国人は、そもそも選考の対象外になりがちだからです。
就労ビザの取りやすさは、国によって大きく違う
例えば、アメリカやイギリスなど英語圏に留学するとします。
アメリカ、カナダ、オーストラリアでは、現地の大学を卒業した外国人向けに、期間限定で就労できるビザがあります。留学の後の研修という位置づけです。ほぼ無条件で、雇用企業が決まっていなくても申請できます。アメリカだと、OPTという名称です。



雇用企業がなくてもビザが取れるというのがポイントです。大部分の就労ビザは、先に内定を取って、ビザの申請するスポンサー企業が政府に外国人の就労許可の申請をする必要があります。就労許可の申請は、通常非常に煩雑な手続きで、費用もかかります。企業側からみると、ビザを持っていない外国人を採用するのは面倒です。よっぽど取りたい人材でなければ、内定はもらえません。
イギリスは、OPTに相当するビザがないので、通常の就労ビザを申請します。ただでさえ難しい就労ビザを、職務経験がない新卒が申請するのは、非常に難易度が高いです。イギリスに留学した場合、そのまま現地で就職できる可能性は、他の英語圏の国に比べて低いです。留学後に現地で働く希望があるなら、イギリスの選択肢はないと思います。(通常の就労ビザが取れる自信があれば問題ないですが。。。)
卒業直後のビザだけではなく、長期的なビザ、永住権ビザも大事
就労関連のビザは、長期間のビザ、職種などの制限が少ないビザほど難易度が高くなります。最も難易度が高いのは、就労目的での永住権の申請です。
OPTのような留学生向けの研修ビザがあれば、卒業直後のビザの取得は簡単です。
しかし、1-2年間仕事をしたら、そのまま続けたいと思う人は多いはずです。そこで問題になるのが本格的な就労ビザの申請です。アメリカの留学生でOPTの後にビザが取れなくて、帰国するというのは、よく聞く話です。
アメリカの最も一般的な就労ビザはH-1Bです。H-1Bは、毎年申請できる人数が決まっており、申請希望者の数が、申請者枠を大きく上回っています。職種の条件などもあり、取得が難しいビザです。
オーストラリアも同様で、留学直後のビザは簡単ですが、一般のビザになると、職種の制限などで難しくなります。
カナダは、少なくても現時点では、カナダの大学を卒業して、卒業後の「Post-Graduation Work Permit Program」で3年間働けば、ほぼ永住権申請の条件に該当します。アメリカやオーストラリアのような厳しい職種の制限はありません。オーストラリアで職種の制限が厳しくなったのも最近のことなので、いつ変更になるかは分かりませんが。。。。
現地の大学の卒業生は、就労ビザの申請で有利
留学は好きな国にして、就職はビザが取りやすい国を選ぶことは可能でしょうか?
現地の学校を卒業していなくても、就労ビザの申請はできます。しかし、難しいです。多くの国では、現地の学校を卒業すると、ビザの申請で優遇されます。例えば、アメリカの就労ビザのH-1Bでは、アメリカの大学で修士以上を取得した人に優先してビザを割り当てています。
現地の大学を卒業すると、OPTのような期間限定のプログラムで就労することができます。現地で就労経験があることも、ビザの申請で優遇されます。例えば、カナダの「Canadian Experience Class」などです。ビザの申請に有利な現地での就労経験を積むためには、現地での留学経験が必要なわけです。
卒業してから就労ビザのことを考えても既に遅いです。現地で就職する可能性があるなら、留学先を決める段階から就労ビザの検討をした方がよいです。
専攻によって、ビザの難易度は異なる
先ほども紹介しましたが、国によっては、職種によって就労ビザの難易度が大きく異なります。一般的には、就労ビザで申請する職種は、学校の専攻と関連している必要があります。例えば、いくら天才プログラマーでも、文学部卒であれば、プログラマーとしてビザを申請するのは難しいです。
将来の留学先での就職を考えるなら、その国で、自分の専攻でビザが取得できるのか事前に確認しましょう。もしくは、留学したい国が決まっているなら、その国でビザの取得をしやすい専攻を選びましょう。
例えば、アメリカではOPTの段階から、理系が圧倒的に優遇されています。一般の学生が1年間なのに対して、理系は最長3年間です。一般の就労ビザのH-1Bも普通の文系の専攻だと、非常に難易度が高いです。過去の申請実績を見ると、大部分は理系の技術職です。詳しくは、以下の記事を参照ください。

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