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アジア就職の人に欧米を薦めてみる

海外就職の本やブログは、どういうわけか「アジア就職」が多いです。

海外全般の就職でもなくて、特定の国での就職でもなくて、アジアでの就職なわけです。

しかも、アジア全般というわけでもなくて、タイ、ベトナム、マレーシア、インドネシア、フィリピンの東南アジア諸国での就職を意味していることが多いです。中国、台湾、韓国は、大体入っていないです。シンガポールも、微妙に入っていないことが多いです。

アジアというか、東南アジアの就職も、もちろん良いと思います。しかし、留学では欧米などの先進国を目指す人が多いことを考えると、少し奇妙に思います。今回は、アジア就職を考えている人に、あえて欧米での就職もありなのでは、とお薦めしてみたいと思います。

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留学者数では圧倒的に英語圏の先進国が多い

日本人の海外への留学者数を見ると、アメリカが全体の22%でトップ、次いでカナダ、オーストラリア、イギリスです。圧倒的に英語圏の先進国の人気が高いことが分かります。

次に多いのが、中国、韓国、台湾の東アジア各国。日本に地理的に近く、経済的なつながりも深い国です。「アジア就職」では、タイやマレーシアなど東南アジアの国が取り上げられる傾向がありますが、留学では東アジアの方が断然人気です。

東南アジアで最も多いのは、タイの4%、フィリピンが3%。アジア就職では人気のベトナム、マレーシア、インドネシアは入っていません。

国・地域 留学者数 比率
アメリカ合衆国 18,676 22%
カナダ 8,189 10%
オーストラリア 8,080 10%
イギリス 6,281 7%
中国 5,072 6%
韓国 4,657 6%
台湾 3,487 4%
タイ 3,183 4%
ドイツ 2,822 3%
フィリピン 2,692 3%
その他 21,317 25%
合計 84,456 100%

出典:独立行政法人日本学生支援機構 平成27年度(2015年度)外国人留学生在籍状況調査

*補足:フィリピンについては、実際の留学生数は、もっと多いはずです。以下のグラフは、Googleでの「アメリカ留学」、「中国留学」、「フィリピン留学」の検索数です。直近では、フィリピン留学の検索数は中国より多く、アメリカ留学の6割程度です。

検索数と留学生数は、ある程度連動しているはずですので、少なくとも中国への留学数と同等以上と思われます。

統計上ではフィリピンの留学生数が少ないのは、おそらく短期の語学留学が多く、留学ではなく旅行の扱いで渡航しているためだと思います。

出典:Google Trend

アジア就職の理由:「ノースキルの文系」でも就職できる

アジア就職をする人は、元々アジアが好きというよりは、海外就職しやすそうだからアジアを選んでいる人が多いようです。確かに、欧米に比べるとアジアは特にスキルのない日本人でも就職しやすいです。

アジアでの日系現地採用は、難易度が低い

今のところ、東南アジアでは、いわゆる「ノースキルの文系」の人でも、日系の現地支社に就職できます。良いか悪いかは別として、日系の現地支社では日本語や日本的なコミュニケーションスキルは、重要スキルです。

日本語ネイティブであるだけで、もしくは普通に日本で社会人経験を積んだだけで、価値があります。現地の人だけでは、日本語がネイティブレベルで話せる人は足りないですし、日本から出向させるとコストがかかりすぎます。そこで、比較的安価な現地採用の日本人が重宝されています。

日系の現地採用について、こちらの記事もご参照ください。

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「海外現地採用」とは、駐在や転勤ではなく、海外で直接採用されることです。海外現地採用には、日系、現地企業、外資企業で就職する選択肢があります。本記事では、それぞれの場合のメリット・デメリット、就職活動の進め方を解説します。

欧米は就労ビザが厳しい

一方で、アメリカ、イギリスなど、日本人が留学で好んで選ぶ国は、就労ビザが厳しいです。「ノースキル」というか、営業や企画などソフトスキル中心の職種だとビザの取得がかなり難しくなります。ビザの取得が難しいので、そもそも内定も出ません。

ビザについて、こちらの記事もご参照ください。

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海外で働くためのビザ・就労許可の種類、ビザの難易度の国別の難易度の違い、申請の方法について解説します。

欧米就職の理由:欧米の大学で学べばいいのでは?

スキルがないのなら、今から学びましょう

「ノースキルの文系」と自認しているなら、スキルを身につけた上で、海外就職をすればいいのでは?

「ノースキル」と言っている人は、まだ20-30代だと思います。その気になれば、今から学び直すことはできます。特に現地の大学で学べば、専門に加えて、英語(もしくは他の国の言語)も学べて一石二鳥です。

大学生なら、海外大学への編入や、海外大学院への進学が考えられます。

社会人でも、留学の選択肢はあります。日本では、社会人が大学に入りなおすことは少ないですが、欧米では普通です。30-40代の大学生や、大学院生も珍しくないです。

大学生、社会人の留学について、詳しくはこちらの記事をご参照ください。

大学生、新卒のための海外就職戦略
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大学生で海外への転職を考えている人向けに、海外就職を実現するための選択肢を解説します。① 海外大学に留学し、新卒で海外就職。②国内の大学から新卒で海外就職。③ 日本で就職、海外転職を目指す。④ 日本で就職、駐在での派遣を目指す
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社会人(転職、第二新卒)のための海外就職戦略を紹介します。現地就職、インターンシップに応募。日本で駐在や外資での海外転勤を狙う。大学院留学、語学留学、ワーキングホリデーで海外経験を積んでから応募する、など。

欧米の大学に留学すれば、現地のビザの取得でも有利

更に、多くの国では、現地の大学を卒業した外国人は、1-3年間程度働けるビザを申請できます。アメリカだとOPTという制度です。カナダ、オーストラリアにもあります。

海外で就職が難しい原因の一つは、雇用企業にとってビザの申請が面倒で、費用がかかることです。OPTのような制度を利用すれば、自分でビザを取得できますので、雇用企業はビザを申請する必要がありません。元々ノースキルの文系でも、大学を卒業した後に、現地で働ける可能性は十分あります。

アメリカの学校を卒業した外国人向けのインターン制度:Optional Practical Training (OPT) for F-1 Students
アメリカの学校を卒業した外国人向けのインターン制度:Optional Practical Training (OPT) for F-1 Students
F-1のビザでアメリカの大学や大学院を修了した人向けにOptionalでPractical Training(要するにインターン)の機会を提供するプログラムです。申請条件、期間、OPT後のビザなど

欧米就職の理由:ワーキングホリデーなら難しくない

短期間働きたいだけなら、ワーキングホリデーのビザを使う選択肢があります。ワーキングホリデーなら、期間限定ですが、欧米で就労する難易度が低くなります。

ワーキングホリデーとは、日本とワーキングホリデー協定を結んだ外国に1~2年の滞在許可が下り、その間に就学、旅行、就労することができる制度です。18歳から30歳までの年齢制限があります。

欧米や他の先進国では、カナダ、オーストラリア、ニュージーランド、イギリス、アイルランド、ドイツ、フランス、スペイン、などが対象です。ワーキングホリデーの協定国ではありませんが、シンガポールも類似のプログラムがあります。

ワーキングホリデーは、アルバイトのイメージが強いですが、フルタイムの仕事をする人もいます。先ほどのOPTと同じで、自分でビザを申請できるので、企業としては雇いやすいです。また、期間限定のインターンであれば、フルタイムで就職するよりも、ハードルは低いと思います。

アジア就職の理由:成長している国で働きたい

アジアの経済成長率は欧米より高い

下の表のように北米、ヨーロッパの主要国は、2006-2016年の10年間でGDPが30%程度成長しています(日本は、先進国の中でも極端に低い2%)。

一方で、同じ期間で中国、インドネシア、インドは200%以上(つまり3倍以上)、ベトナムは300%以上GDPが増加しています。マレーシアも100%、シンガポール、タイも70%を超えています。

直近の2016年の成長率を見ても、既に世界有数の豊かさになったシンガポールの成長率は落ちていますが、他の東南アジアの国や、中国、インドは高い成長率を保っています。

表:名目GDP成長率(現地通貨ベース)

2006-2016 2016
ベトナム 324% 7.4%
インド 254% 11.0%
インドネシア 242% 7.6%
中国 237% 6.8%
マレーシア 100% 6.3%
シンガポール 75% 0.5%
タイ 71% 5.1%
カナダ 36% 2.1%
アメリカ 34% 2.8%
イギリス 33% 3.6%
ドイツ 31% 3.3%
フランス 20% 1.6%
日本 2% 1.3%

出典:World Economic Outlook Database, October 2017, 本サイト整理

成長している国は、若手にとって有利

成長している国では、どんどん新しい仕事が増えますし、会社の組織も大きくなっていきます。新しい仕事が増えれば、人手が足りないので、若手にもチャンスが回ってきやすいです。

日本のような低成長の国だと、多くの業界・会社は、ゼロ成長、マイナス成長です。低成長の組織では、新しい仕事が作られにくいし、組織も安定していて、責任の範囲も固定されがちです。いつまでも同じ人が同じ仕事をする職場は、若手にとっては良い環境とはいえません。

欧米就職の理由:一流企業は欧米にある

確かに、中国、インドや東南アジアの国は成長力が高いです。

しかし、成長力が高い国であれば、どんな会社でも良いというわけではないです。海外就職でも、国内就職と同じように、就職する会社は吟味すべきでしょう。

東南アジアには、世界の一流企業は少ない

一流の企業で働きたいなら、アジアでは選択肢が少ないです。中国やインドはともかく、タイやマレーシアで知っている企業はいくつあるでしょうか?外国人が活躍できるような、国際的な企業が思い浮かぶでしょうか?

東南アジアは成長していますが、現時点では、日本人が是非働きたいと思う会社は少ないと思います。東南アジアで、日系企業に勤めるのも、日系企業に入りたいのではなくて、単に現地就職の手段だと思います。

世界の一流企業は欧米にある

現時点で、普通の人が知っている世界の有名企業のほとんどは欧米です。世界の最先端の技術の会社、最高のブランドの会社、最も影響力のある会社は、欧米など先進国の企業ばかりです。もしくは、アジアでも東南アジアではなく、中国、韓国、台湾やインドの企業です。

世界の一流企業で働いてみたいなら、目指すべきは東南アジアではなくて欧米です。例えば、ITやその他先端テクノロジーならアメリカの西海岸。金融なら、ニューヨークやロンドン。車が好きならドイツ。ファッションでフランスなど。

欧米就職の理由:給与が高い

アジア現地採用の給与は低い

アジアで現地採用として働く場合、はっきり言って給与は低いです。日系で働けば、現地の平均給与よりは高いですが、それでも日本や先進国の水準の給与をもらうのは困難です。

現地で生活する分には、物価も低いので問題ありません。私も台湾で働いていたときは、明らかに日本よりも低い給与でしたが、生活費が日本の半分程度でしたので、生活には余裕がありました。

現地での生活は問題ありませんが、国外に出ると事情は違います。日本に頻繁に帰国したり、海外旅行をしたりすると、給与が低いと苦しいです。日本の友達が多いなら、どうしても友達と自分の給与を比べてしまうこともあると思います。

欧米で働けば、日本と同等以上の給与が期待できる

欧米先進国の給与水準は、日本よりも高いです。現地で普通の給与でも、日本よりは給与が高くなることが多いです。また、多くの国では、就労ビザ申請の条件として、その職種の平均以上の給与が必要です。つまり、就職することができたら、現地の人並みの給与、日本よりも高めの給与がもらえる可能性は高いです。


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