量産型の海外就職「フィリピン留学経由~東南アジア就職行き」

海外就職業界では、フィリピン留学経由~東南アジア就職行きのパッケージが流行っています。海外就職を目指す社会人向けの「フィリピン語学留学で英語力を身につけてから、タイやマレーシアで日系企業での就職を目指しましょう」という提案です。

記事のタイトルを見れば分かるように、私はこのパッケージに、あまり良い印象を持っていません。海外就職の多種多様な可能性の中で、非常に狭い選択肢だからです。

私はフィリピン留学に反対なわけでも、東南アジア就職に反対なわけでもありません。むしろ、多くの人にとって、留学や就職の有力な選択肢だと思います。「フィリピン留学経由~東南アジア就職行き」の組み合わせも、人によっては最適の選択肢だと思います。

しかし、東南アジアで日系に就職するのが本当にやりたいことなのか?目的を実現するには、フィリピン留学が本当に最適の選択肢なのか?よく考えてみましたか?

もし、「フィリピン留学経由~東南アジア就職行き」が妥協の選択肢なのであれば、本気で理想の海外就職が実現できるか考えてみましたか?なんとなく難しそうだから、諦めていませんか?誰もやってなさそうだから、無理だと思ってませんか?

海外就職は、普通の日本人の人生から飛び出して、外でチャレンジすることです。どうせ飛び出すなら、レールの敷かれた万人向けの海外就職ではなく、思いっきりレールの外に向かってチャレンジしましょう。

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フィリピン留学

近年、フィリピン留学が非常に流行っています。あなたの周りでも、アメリカやオーストラリアではなく、フィリピンで語学留学をした人、検討をしている人が増えてきたのではないでしょうか?

聞いたことがない人は、フィリピンで英語?と思うかもしれません。フィリピンと英語のイメージが結びつかない人も多いでしょう。

フィリピンは、他民族国家で、多数の言語が使われています。フィリピンの国語は、タガログ語をベースにしたフィリピン語で、公用語はフィリピン語に加えて英語が採用されています。

母国語としては英語ではない人が多いですが、流暢な英語を話す人が多いです。大学卒業生は、使用する語彙のレベルも高く、発音も日本人にとっては聞き取りやすいです。

アメリカなど英語圏の先進国と比べたフィリピン語学留学の利点は、価格と、集中できる環境です。

フィリピンは大学卒でも人件費が安いため、一対一で英語を習うことができます。スピーキングの学習は、圧倒的に少人数の方が効率的です。アメリカなど英語圏の先進国は人件費が高いので、大人数のクラスになります。はっきり言って、大人数のクラスでスピーキング力を高めるのは無理があります。

フィリピンでは、長時間の学習を課す学校が多く、ほぼ学校と宿舎に缶詰状態で勉強するそうです。アメリカなど英語圏の語学学校に行くと、授業時間が短い上に、学外での遊びの誘惑が多いため、真面目に勉強する時間は少なくなりがちです。会話で使う活きた英語を習うには、勉強よりも遊びの方が役に立つ場合もありますが、それだけでTOEICの点数が上がったり、仕事で使う真面目な単語や文法を覚えられたりはしません。

フィリピンは、語学留学の選択肢としては非常に良いと思います。私の周りでも経験者が何人もいますが、満足度は高いです。

フィリピン留学経由~東南アジア就職行き

海外就職のブログをみると、フィリピンで語学留学をしてから、フィリピン、マレーシア、タイなど東南アジアで日系企業に就職を決めるケースが一つの成功パターンになりつつあります。

更に、海外就職コンサル、海外専門の人材紹介会社、フィリピンの語学学校、留学仲介業者なども積極的にフィリピン留学経由~東南アジア就職行きを推奨しています。フィリピン留学と東南アジア就職紹介をパッケージにしたプランもあったりします。

なぜ、海外就職や語学留学の専門家、業者がフィリピン留学経由~東南アジア就職行きをプッシュしているのでしょうか?

社会人の語学留学の難しい点は、その後のキャリアです。社会人が語学留学するには、ほとんどの場合、会社を辞める必要があります。語学留学の後に就職できるかは、大きなリスクです。大学など正規の留学であればキャリアにもプラスですが、語学留学をプラス要因にしてくれる会社は、なかなかありません。

東南アジア就職は、社会人の語学留学に有力な出口を提供したのです。語学留学の後に、海外就職できる成功事例を見せれば、語学留学にも勧誘しやすくなります。

海外就職業者から見ると、フィリピン留学は、転職希望者の英語力を担保するのに役に立ちます。日系への転職であっても、一定の英語力が必要です。普通の社会人の多くは、この最低限の英語力がありません。英語を勉強してから、人材紹介会社の門をたたいてくれた方が、仕事の紹介をするのに効率的なのです。

フィリピン留学経由~東南アジア就職行きは、語学留学業者から見れば、留学後の出口を、海外就職業者から見れば、海外就職への第1歩を提供するパッケージです。猛プッシュしたくなるのも分かります。

海外就職も量産型でいいんでしょうか?

フィリピン留学経由~東南アジア就職行きを考えている人の多くが、普通の大学に入学して、普通の大学生活を送り、皆と同じような就職をした人だと思います。

そのような、皆と同じことをしてきた人を、世間では「量産型~」と呼びます。量産型大学生、量産型社会人、量産型ファッションなど。

量産型な人生でも、別に幸せならいいんです。日本は、貧しくなってきたとはいえ、普通にしていれば、十分に豊かな生活が送れる国です。

量産型とは、ある意味「王道」な生き方とも言えます。人と違う生き方は、ある意味「邪道」です。王道を生きていけるなら、外野から「量産型」とバカにされる筋合いは全くありません。

しかし。。。

海外就職に興味のある人は、そのような量産型の人生を送ってきて、なんとなく現状に不満があるのではないですか?自分らしい生き方、他人と違うことをしたいと思ったから、海外就職をしようと思ったのではないですか?

量産型社会人にとって、フィリピン経由東南アジア行きは、量産型の選択肢です。無難な選択肢ではありますが、ありきたりです。

結果としては、量産型の日系現地採用社員になる可能性が非常に高いです。そして、多くの人が、就職した後に、駐在との格差を目の当たりにして、がっくりするわけです。

海外就職に何を求めているのか、もう一度考えてみよう

もう一度、なぜ海外就職に興味を持ったか考えてみましょう。

国際派のビジネスパーソンになりたいから?成長著しいアジアで働きたいから?英語を身につけたいから?人と違うことをやりたいから?

理由は何でもいいですが、そのための手段として、フィリピン留学経由~東南アジア就職行きは最適なのでしょうか?

最終目的がタイやマレーシアなのであれば、フィリピンではなく、最初から現地で留学するのはどうでしょう?

英語をマスターしたいなら、なぜアメリカやイギリスでの就職を目指さないのですか?タイやマレーシアの日系で働いた方が、英語をマスターする良い環境なのでしょうか?私は、そう思いません。

成長力の高いアジアで働きたいなら、なぜ、ぶっちぎりで日本との経済関係が深い中国でなくて、東南アジアなんでしょうか?東南アジアの全部の国を合計しても、中国の規模には及びません。

海外経験を積みたいなら、なぜ日系なのでしょうか?海外でも日本の会社は、半分日本の文化です。現地の会社で、現地人の中で働く方が、面白い海外経験ではないでしょうか?

なぜ東南アジアで日系現地採用なのでしょう?

海外就職について検索してみると、どういうわけか東南アジア就職で日系現地採用を目指す情報ばかり出てきます。

海外就職コンサルや、人材紹介会社が推奨しているのが東南アジアの日系現地採用だからです。なぜ推奨しているのかというと、普通の日本人が最も簡単に海外就職できるのが、その選択肢だからです。

しかし、皆さん本当に東南アジアで日系に就職したいと思ってますか?私は、心から東南アジアで日系に就職したいと思っている人は少数派だと思います。

アメリカやヨーロッパに住んでみたいという人は数多くいます。留学で人気なのも先進国です。東南アジアは旅行では人気ですが、どう考えても、先進国の方が住みたい人は多いはずです。

本当の理由は、海外就職をしたい人にとって、東南アジアが最も無難だからだと思います。東南アジアでの日系現地採用であれば、日本の人材紹介会社が紹介してくれます。ネットで検索すれば、体験者の情報も出てきます。東南アジアは後進国で英語もネイティブではないので、なんとなく心理的なハードルも低いでしょう。

なぜフィリピンに語学留学なのでしょう?

私は、フィリピン語学留学は、英語に自信がない人が、短期間で最低限の英語を身につける素晴らしい選択肢だと思います。

しかし、海外就職という観点では、必ずしもベストな選択肢とは限りません。

フィリピン留学に限らず、語学留学は学歴やキャリア形成の面で、効率的な方法ではありません。一般的に、語学留学の期間は学歴とは認識されないからです。ニートで何もしないよりは、もちろんプラスですが、経歴としては弱いです。

日本では語学留学も留学ですが、中国語では「遊学」と呼んで、大学への留学とは明確に区別しています。日本でも語学留学を「留学」と呼ぶのは止めた方がいいです。語学留学と大学留学は、全く学歴としての価値が違います。

語学留学ではなくて、大学院留学など正規の留学を考えてみてはいかがでしょう?正規の留学の場合は、語学だけでなく学科も学べますし、学歴としても大きなプラスです。

もちろん、正規の留学は語学留学よりハードルが高いです。通常は、入学にTOEFLなど英語テストの点数を要求されます。しかし、一般の人が想像しているよりも正規の留学はハードルが低いです。海外大学といっても、レベルはピンキリです。

また、語学留学でも正規の留学でも、就職を希望する国で留学した方が就職活動で有利です。国によってはビザの面で有利になりますし、現地に拠点があった方が就職活動がしやすいからです。

海外就職くらい、レールの外を歩いて見れば

フィリピン留学経由~東南アジア就職行きは、ノウハウが確立しつつあり、日本の海外就職コンサルや人材紹介会社が絶賛プッシュ中です。誰かがレールを敷いてくれるルートの方が安心かもしれません。

しかし、あなたが本当に行きたい場所がレールの外だったとしたら、レールの外を歩いてみませんか?

欧米や中国は難しいと人材紹介会社の人は言うかもしれません。日系ではなくて現地企業は、難しそうに思えるかもしれません。実際に、東南アジアで日系の現地採用に応募するのは、最も簡単な海外就職に違いありません。

しかし、あなたが普通の私立大学卒で、ぱっとしない会社の営業職だったとしても、アメリカだろうがヨーロッパだろうが、就職するのは不可能ではありません。難しいし、時間もかかるかもしれないし、誰も手取り足取り教えてくれないだけです。

例えば、中国人は世界中のどこにでもいます。彼らの大部分は、大した学歴を持っているわけでも、英語が完璧なわけでもありません。欧米や日本で働くモチベーションが極めて高いため、何とか海外で生き残るすべを見つけるのです。

一般的な話として、難しいこと、誰も教えてくれないことを突破した方が、大きなリターンが得られます。量産型の人生から外に出たいなら、本当に自分のやりたいことを実現するには、自分で考えて、自分で動くことが必要です。


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