スポンサーリンク

海外就職に向いている人・向いていない人

私は、多くの新卒の就活生、転職を考えている人に海外就職はメリットがあると考えています(だから、海外就職を薦めるサイトを運営しています)。

しかし、国内就職より、海外就職の方が絶対良いとか、誰もが海外就職をするべきと主張したいわけではありません。海外就職、国内就職は、それぞれメリット、デメリットがあります。国内就職の方が向いている人も多いと思います。

本記事では、どのような人に特に海外就職をお薦めしたいか、反対にどのような人は海外就職に向いていないのかを解説します。

スポンサーリンク

まとめ

海外就職に向いている人

① 国際的なキャリアを目指したい人、語学力を高めたい人

② 高収入、ハイキャリア志向の人

③ ベンチャー志向の人

④ 世界一の会社で戦いたい技術者

⑤ 不本意な新卒就職をした人

⑥ ブラック企業で消耗している人

⑦ 差別にうんざりしている女性

⑧ 婚活中のアラサー男女

⑨ 安定志向の人

海外就職に向いていない人

① 海外が苦手な人

② 海外に行ったことがない人

③(伝統的な)日本の会社で出世したい人

④ 仕事は誰かに教えてほしい人、会社に育ててほしい人

⑤ 友人の年収に負けたくない人

⑥ 家族がいる人

⑦ 日本の人間関係を大事にしたい人

⑧ 安定志向の人

海外就職に向いている人

①国際的なキャリアを目指したい人、語学力を高めたい人

確実に海外に関わる仕事ができる

日本で国際的な仕事をすることも、もちろん可能ではあります。商社や貿易関連の会社に入ったり、メーカーなどで海外担当の仕事を目指すなど。

しかし、問題点として、日本の就職は、ほとんどの場合、就職ではなく就社です。特定の職に応募するのではなく、会社の「総合職」や「一般職」に応募して、入社してから部署を決められるのです。よって、商社など海外と関連の強い会社に就職したとしても、必ずしも海外営業など海外と関係のある仕事をできるとは限りません。

すぐに海外で働ける

駐在員として海外で働くことを目指している人も多いかもしれません。駐在員は、自分で現地就職することに比べて、家賃補助など手当てが手厚く、給与水準も高いです。

しかし、将来的に海外に駐在できるとしても、いつできるのか、どこの国に駐在できるのかは、定かではありません。日本で就職するなら、所属はあくまでも日本の本社だからです。私の知り合いでも、海外適性が非常に高く、海外赴任希望を毎年出しているのに、実現していない人もいます。

海外就職なら、自分が行きたいタイミングで、自分の希望の国で働くことができます(もちろん、選考やビザはクリアする必要がありますが)。すぐに海外で働きたいなら、いつ来るか分からない駐在の機会を待ち続けるよりも、自分では仕事を探しましょう。

効率的に語学を学べる

海外就職をすると効率的に語学力を高めることができます。

英語やその他の言語の「運用力」が高い人(TOEICの点数が高いとかではなく)の大部分は、留学や仕事で長期間の海外経験があります。語学の習得は、その言語を使用する環境が日常的にあることが、圧倒的に重要だからです。

日本でも、もちろん語学は習得できます。しかし、日本で語学を勉強しても、普段使うのは日本語です。日系企業で海外担当をしていたり、外資にいたとしても、日本にいる限りは、日本語がメインの人が多いと思います。また、仕事は外国語だったとしても、生活は日本語です。海外にいないと、なかなか一日中外国語を使う環境にはなりません。

留学も同様に外国語の環境を作ることができます。しかし、留学はお金を払う必要があります。海外就職は、逆にお金を頂きながら、語学も磨けるのです。また、仕事で使える語学運用力を身につけるのは、仕事で使うのが最も効率的です。

②高収入、ハイキャリア志向の人

日本で最高ではなく、世界で最高の就職先を探す

在学中から複数のインターンを経験し、狙うは外資コンサル、外銀、有名ベンチャーの「意識高い」就活生。

なぜ、日本だけしか検討してないのでしょうか?意識高く、世界から最善の就職先を選びましょう。本当に自信があるなら、外資の日本支社だけでなく、本社や他の国の支社も検討できます。

実際、私のMBAの同期でも、特に発展途上国から来た学生は、当たり前のようにアメリカ、イギリス、シンガポールなど所得の高い国での就職を目指していましたし、多くの人が実現していました。

アメリカのテクノロジー企業にも大勢の外国人エンジニアが働いています。中国人など、日本人と同じように英語でハンデが大きいにも関わらず、アメリカで就職している人も多いです。

海外の意識高い人は世界で戦っています。日本の意識高い系も世界を目指しましょう。

高収入を目指すなら海外へ

日本がお金持ちのイメージは根強いですが、先進国の中では日本の所得は高くありません。他の先進国の所得は上がり続けているのに、日本は20年間に渡り停滞しているからです。

下の表の国別賃金を見ていただくと、2015年の日本の平均年収33,542ドル は、G7の中ではイタリアに次いで低い水準です。アメリカは58,714ドルと日本よりも75%も高いです。英語圏の先進国は総じて高く、オーストラリアがアメリカと同水準、イギリス、カナダも日本よりは50%程度高いです。

大学新卒時の給与を比べてみると、アメリカは日本の2倍以上です。日本の大卒初任給は20.3万円(2016年、厚生労働省)、年間にして約240万円です。それに対して、アメリカの大学新卒の年収は54,803ドル、約600万です(NACE’s Winter 2017 Salary Survey, ボーナス、コミッション、残業代など含まず)。

日本の方が残業代、ボーナスなどが多いと仮定したとしても、アメリカは日本の2倍前後は高いと言えそうです。同じ「先進国」とは思えないレベルの格差です。

平均値でも、日本の給与は低いですが、トップ層の格差は更に大きいです。アメリカなど欧米先進国では、新卒から実力主義で、給与に大きく差が出るからです。例えば、こちらの記事では、年収1500万円は「シリコンバレーでは皆が新卒で普通に貰える給料」と紹介しています。

Hatelabo: エリート情報系の諸君.今すぐ内定を蹴ってシリコンバレーに来なさい.

高収入、ハイキャリア志向の人は、日本で高収入の仕事を探すのではなく、アメリカなど高所得の国での就職を狙った方が良いのではないでしょうか?

③ベンチャー志向の人

何が何でもベンチャーに入りたい人。海外にもベンチャーはあります。しかも、日本よりも遥かに多く、規模が大きいです。

ベンチャーマインドなあなたは、より良い機会を求めて、日本だけでなく、海外のベンチャー企業も検討すべきではないでしょうか?

日本のベンチャー投資額は、アメリカの90分の1、中国の60分の1

大手会計事務所 Ernst & Youngのリサーチによれば、ベンチャー投資額は、アメリカ 723億ドル、中国 492億ドル、インド 80億ドル、イスラエル 26億ドル、日本 8億ドルです (EY global venture capital trends 2015)。

アメリカは、実に日本の90倍のベンチャー投資額です。中国も日本の60倍以上です。日本は、イスラエルやカナダにさえも大差で負けています。

ユニコーン企業も日本には、ほとんどない

10億ドル以上の評価額の未上場企業のことを「ユニコーン企業」と呼びます。TechCrunchによれば、2017年5月時点で、ユニコーン企業は世界で221社。国別では、アメリカ 114社、中国 62社、インド 8社、イギリス 8社、ドイツ 5社、イスラエル 3社、日本はたったの1社(メルカリ)です。メルカリでさえも、世界の上位のユニコーン企業と比べると、規模が桁違いに低いです。

このように、ベンチャーの規模感を日本とアメリカ、中国で比較すると、数十倍の差があります。合計の金額だけではなく、企業数でも大きな差があります。ベンチャー企業を定義するのは難しいですが、例えば、中国の深センには、2016年末時点で140万社の中小企業があり、1年間で26万社増えています(三井物産戦略研究所)。日本では、増加どころか、10年間以上減少の傾向です。

④世界一の会社で戦いたい技術者

自分の技術は世界でも戦える、または世界のトップで修行したい。そんな人は、自分の専門分野のトップの会社を目指してみましょう。多くのテクノロジーの分野では、世界のトップは、日本の会社ではないはずです。

インド人、中国人、ロシア人や、イスラエル人は、当たり前のように世界一の会社を目指して欧米で就職しています。英語が完璧な人ばかりでもありません。日本の優秀な技術者や理系の学生もできるはずです。

革新的なサービス、商品の多くは海外発

ニュースで話題になるような革新的なサービス、商品で、どれだけ日本発のものがあるでしょうか?ほとんどが、Facebook、Apple、Amazon、Googleなどのアメリカの巨大IT企業や、ベンチャー企業ではないでしょうか?

最近では、中国発のイノベーションも目立ってきました。中国を偽物の国、モノマネしかできない国だと思っている人がいるかもしれませんが、今や中国はイノベーションの源泉地です。

例えば、深センが本拠地のDJIは世界のドローン市場の60-65%のマーケットシェアを持っており、100億ドルの時価総額と推計されています(Bloomberg)。日本でも最近、ライブ動画ショッピングを取り入れるサイトが増えてきましたが、中国では数年前から一般的なサービスです。シェアリングエコノミーの分野でも、中国発の自転車シェアリングは、世界に広がろうとしています。

製造業の世界一も海外企業

日本はソフトウェア、サービス、ブランディングでは負けているが、モノづくり(製造業)では世界一だという神話があります。

しかし、少なくとも売上規模や時価総額を見る限りでは、日本の企業が世界をリードしている分野は少ないです。主要産業で日本が強いのは、自動車ぐらいでしょう。

世界の会社の売上ランキング Top 500を集計したFortune 500 2016年度版によれば、Electronics, Electrical Equip (電気・電子機器)の1位は韓国のSamsung、2位はシャープの買収で有名になった台湾の鴻海(ホンハイ)、3位はドイツのSiemensです。日本の最高は4位の日立製作所です。

半導体・電子部品の1位は、Intel。2位は、知らない方が多いと思いますが、台湾のTSMC(Taiwan Semiconductor Manufacturing)。利益率も高く半導体製造技術で世界を引っ張り続けている超優良企業です。日本の半導体・電子部品の会社は、Fortune 500の中に1社も入っていません。

日本の製造業も素晴らしい会社は多いと思います。しかし、本当に、Samsungや鴻海、IntelやTSMCよりも優れているのでしょうか?世界で一流の技術者を目指すなら、日本だけでなく、世界のトップ企業も検討してもいいのではないでしょうか?

⑤不本意な新卒就職をした人

誰でも、人気企業、有名企業、業界トップの企業に入社できるわけではありません。たまたま面接で実力を発揮できなかった人、不運にも就職氷河期に当たってしまった人などは、転職で人気企業へのリベンジを考えているかもしれません。

そんな人は、海外に転職して、日本の就職格付け、就職偏差値争いから脱出するのはいかがでしょう?国内就職の戦いに敗れたと感じているなら、そこで戦い続ける必要はないです。広い世界で勝負をすれば、日本の些細な就職偏差値の違いは、気にならなくなるでしょう。

⑥ブラック企業で消耗している人

日本のワークライブバランスは世界最低水準

毎日遅くまで残業、意味もなく長い会議、同僚より先に退社できない雰囲気。転職しようにも、同業他社は、似たような会社が多そう。そんなブラック企業で消耗されている方は、気分を変えて、海外はどうでしょうか?

OECDの「より良い暮らし指標(Better Life Index)」2016年版によれば、日本のワークライフバランス(Work Life Balance)は、調査対象38ヵ国中34位です。上位は、オランダ、デンマーク、フランス、スペイン、ベルギーと全てヨーロッパの国です。ヨーロッパは、定時にきっちり帰り、バケーションも長い印象ですね。日本よりも悪いのは、イスラエル、韓国、メキシコ、トルコ。韓国は、日本以上にワークライフバランスが悪いと聞くことが多いので、納得の順位です。

日本は長時間労働の割合が極めて高い

日本のワークライフバランスで、特に足を引っ張っている要因が長時間労働をしている人の割合です。全体の21.9%が週50時間以上の労働をしており、調査対象38ヵ国中35位の水準です。日本で週50時間というと、そこまでブラックでないくらいの印象ではないでしょうか。。。世界的に見ると、日常的に残業している人は少ないのです。

海外の人の話を聞いても、日本のように普通の会社員が毎日深夜まで働かせられるのは、非常に珍しいようです。特に、給与水準が低い人が、深夜までサービス残業をさせられているのは異常です。海外の多くの国では、激務とはエリートがやるもので、一般の人は定時に帰るからです。

ブラックな環境にうんざりしているのであれば、日本を離れて心機一転、新しい環境で仕事してみましょう。ブラック企業で働く人は、その会社でしか雇ってもらえないと思いがちだそうです。そんなことはありません。いったん海外に行って、日本に帰って来ても仕事はあります。日本は、高齢化、少子化で、長期的に労働者不足だからです。窓際族の人ならともかく、処理しきれないほどの仕事をしている人が、転職先が全く見つからないというのは、考えにくいです。


ブラック企業 日本を食いつぶす妖怪 (文春新書) – 今野晴貴 (著)

⑦ 差別にうんざりしている女性

日本の男女格差は世界最悪水準

以前よりは改善しているように思いますが、日本は先進国の中では、極めて女性の立場が弱い国です。世界経済フォーラム(WEF)の「ジェンダー・ギャップ指数」2016年版によれば、日本は調査対象144カ国のうち111位です。

OECDで、日本よりも低いのは、韓国の116位のみ。他は、中東など、いかにも女性差別のあるイメージの国がほとんどです。逆に上位は、アイスランド、フィンランド、ノルウェー、スウェーデン、ルワンダ。ルワンダは意外ですが、上位の大部分はヨーロッパです。

日本の評価が悪い要因は、経済的参加度および機会で、全体の順位よりも更に悪い118位。日本は、女性が活躍しにくい社会なのです。私のMBAの学友でも、日本が好きだが、日本では絶対に働きたくないと言っていた女性がいました。彼女によれば、日本の女性は職場で不当な扱いを受けるからとのことです。

アジアの女性経済参加度は高い

アジアは、フィリピンが7位に入っているくらいで、シンガポール 55位、タイ 71位、インドネシア 88位など、あまり良くありません。しかし、これは政治など経済以外の要因が大きいです。経済的参加度および機会だけで見ると、シンガポール 16位、フィリピン 21位、タイ 22位、ベトナム 33位と健闘している国も多いです。

今の会社で、お茶くみなど意味の分からない仕事をさせられている。女性は、管理職に明らかになりにくい。男性ばかりで居心地悪い。仕事を頑張りたいのに、アシスタント的な役割しか期待されていない。そんな人は、女性の経済参加が高い国で働いてみると、良いのではと思います。

⑧婚活中のアラサー男女

海外就職や、海外留学の懸念点で、婚活の問題を挙げる未婚の人は多いです。特にアラサーの女性は気にする人が多いです。

皆さんもご存知のように、特に30歳前後(アラサー世代)の女子の結婚に対するプレッシャーは非常に高いものがあります。私の知り合いでも、婚期を逃すのが嫌で、海外留学を断念したり、多忙になりそうな転職を控えたりする人がいます。

しかし、海外で生活することは、むしろ婚活のプラスになることもあります。

日本人女性はモテる

日本人女性が海外に行くと、大体日本よりもモテます。先進国、発展途上国、欧米、アジアを問わず、日本の女性は圧倒的に人気が高いです。

日本人女性が人気の要因は諸説ありますが、イメージが良い、性格が穏やか、容姿が洗練されている、などが考えられます。また、日本人男性が海外の女性からモテないことも要因です。日本人女性は、現地人からも日本人男性からも人気ですが、日本人男性の多くは現地人から相手にされないので、人数の限られた日本人女性しか選択肢がありません。女性の方が選択肢が多いので、日本人男性に対して有利になるのです。

共通点のある人と知り合える

男性、女性共通で良い点として、明らかに共通点がある人と知り合えることです。日本で、例えば同じ東京に住んでいても、それを共通点とは思いませんが、日本人が海外の同じ都市に住んでいるということは、それだけで大きな共通点です。海外に興味がある人なことは間違いないでしょうし、その国が好きで住んでいる可能性も高いでしょう。日本に帰国しても、一緒に海外で過ごした経験は、貴重な思い出になるに違いありません。

⑨安定志向の人

あえて海外就職には、縁の遠そうな人にも薦めてみます。安定志向なので、日本の伝統的な大企業に入りたい人。

大企業が安定というのは神話

なぜ、大企業が安定だと思うのでしょうか?ここ10年でも多くの大企業、かつての優良企業が経営不振でリストラを行いました。大企業が倒産したり、外資に吸収される例も多いです。今から新卒で就職するとして、20年後、30年後まで、会社がリストラを行うのか予測することは不可能です。

20年前にソニーやシャープに入った人は、まさか自分がリストラに遭うとは思わなかったでしょう。大企業に就社して、そこで定年まで会社が無事であることを願うよりも、いつでも転職できるスキルと心構えを身につけた方が、よっぽど長期的なリスクが低いと思います。

外国語は身につけやすく、価値の高いスキル

もちろん転職市場で活かせるスキルであれば何でも良いですが、外国語は誰でも習得可能なわりには、転職市場で価値が高いスキルです。

また、長年勤めている会社が外資に買収されたり、会社の方針で、突然英語が公用語になることもあります。英語ができないのに管理職だった場合、降格になるかもしれません。英語ができないことは、大きなリスクなのです。語学を学びやすい若いうちに身につけてしまった方が、長期的なキャリアプランでは安定、安心です。

海外就職に向いていない人

①海外が苦手な人

海外旅行に行って、二度と行きたくない、早く日本に帰って味噌汁食べたいと思っているような人は、さすがに止めておいた方が良いです。海外で就職することは、海外で暮らすことだからです。語学やスキルは身につけられますが、海外が好きか嫌いかというのは、なかなか変わらないと思います。

②海外に行ったことがない人

①と同じような理由です。さすがに、全く海外経験なしで海外就職を目指す人は少ないですが、就職する予定の国に一度も行ったことがない人は、少なからずいます。

就職を決める前には、必ず現地に滞在しましょう。できれば、数週間以上滞在して、現地で生活できるか感触を確かめておきましょう。

海外就職は、仕事ではありますが、海外に住むことに違いはありません。フィーリングが合わない国だと、長く続けるのは難しいと思います。仕事の面でも、現地の同僚や、取引先と話をするときに、その国が好きかは大事です。好きでその国に住んでいるのか、仕方なくいるのかは、相手は敏感に感じ取れるものです。

③(伝統的な)日本の会社で出世したい人

将来的に、新卒採用が主流の会社、業界で出世を目指すつもりなら、海外就職は止めておいた方が無難です。新卒で希望の会社に入って、出世競争を戦いましょう。

伝統的な日本企業の多くは、新卒一括採用です。海外就職をして、日本の新卒チケットを放棄することは、希望の日系企業で働く可能性が小さくなるということです。中途採用を積極的に行わない日系企業で働きたい人には、新卒での海外就職はお薦めできません。

新卒で日本企業に入った人も同様で、一度海外に出てしまうと、新卒が主流の企業に戻って働くことは難しくなります。中途採用があったとしても、生え抜き社員が主流の会社だと、外から入った人は、出世コースに乗りにくいでしょう。

実際のところ、海外留学や海外就職の経験者は、日本に帰国すると外資やベンチャーに就職するケースが多く、伝統的な日本の会社に就職することは少ないです。

給与など条件面や、企業文化の面も影響はしていますが、転職者が活躍できる伝統的な日本企業が少ないことが大きな要因です。

海外志向の人は、将来日本のモノやサービスを世界に売る仕事をしたいと考える人が多いです。もし、海外就職をした後に日本の会社に転職するプランを持っているなら、海外に行く前に、本当に希望の会社や業界は転職者を採用しているのか、確認してから実行しましょう。

④仕事は誰かに教えてほしい人、会社に育ててほしい人

新卒で海外就職をするデメリットとして、新人への教育が挙げられることが多いです。

海外の大部分の国では、日本のような新卒向けの手厚い新人研修はありません。新卒だけが採用対象の求人が少なく、新卒でも即戦力として働くことが求められるからです。

また、日本は終身雇用、長期雇用が前提の企業が多いです。長期雇用が前提だと、長期的な視野で社員の育成に取り組むことになります。一方で、海外の多くの国では、数年で転職を繰り返すことが当たり前です。よって、会社主導での長期的な育成計画がある企業は少ないです。

新人研修などで、体系的に仕事を覚えたい人、先輩から懇切丁寧に仕事を教えてもらいたい人には、海外就職は向いていません。特に、新卒海外就職は止めておきましょう。

反対に、自律的に自分で仕事を覚えられる人は、新人研修を飛ばして、すぐに仕事を始められるので、却って良い環境だと思います。

⑤友人の年収に負けたくない人

シンガポール、香港以外のアジア就職を考える場合、年収は、ほぼ確実に日本で働く場合よりも低くなります。

日本は相対的に貧しくなってきていますが、それでも日本の一人当たり名目GDPは、アジアではシンガポール、香港に次ぐ3位です。中国、東南アジア、インドなどと比べると、収入格差は大きいです。

新卒でアジア就職をすると、大学の友人より年収は、かなり低くなるでしょう。半分以下かもしれません。転職の場合、前職の給与よりも、低くなる可能性も高いです。友人や昔の同僚との年収格差が気になる人は、アジア就職は止めておきましょう。

⑥家族がいる人

これも、アジア就職の収入に関してです。

アジア就職は収入は半分だけど、物価は半分以下だから、収入的には問題ないとする意見があります。基本的には、私も同じ考えです。実際に、私が台湾で働いていた時は、日本の半分くらいの年収の感覚でしたが、物価が低かったので、生活に全く問題はありませんでした。

しかし、収入が半分でも豊かに暮らせるというのは、1人暮らしで気ままに過ごすことが前提です。もし、家族、特に小さい子供がいた場合は事情が変わります。

例えば、就学期の子供がいたとします。現地の学校は安いかもしれませんが、タイやベトナムの現地語の学校で学ばせるでしょうか?大部分の日本人は、日本語学校か英語のインターナショナルスクールに通わせるのではないでしょうか?そうすると、日本での教育費よりも却って費用がかさみます。一般的なアジア現地採用の給与では、厳しいです。

1人暮らし、特に男性の場合は、それほど高い部屋に住む必要はないかもしれません。しかし、家族がいる場合、外国人向けのセキュリティが高く、快適なアパートに住むのではないでしょうか?

年金は、どうでしょうか?現地採用の日本人の多くは、日本の年金の支払いは止めていると思います。若いうちに数年ならいいと思いますが、家族がいるような年齢で長期的に住むなら状況が違います。アジア現地就職の低い給与で、老後の蓄えは大丈夫なのでしょうか?

一例として、こちらのタイについて記事を共有します。タイで現地採用として働いた場合の給与、教育費用、年金を豊富なデータで検証しています。

バンコク留学日記:【数字で見るタイの現地採用】タイのような中所得国で現地採用になると、子どもに日本人としての教育を与えられず、最後は生活保護に頼るしかなくなる

日本の人間関係を大事にしたい人

日本に恋人がいる、毎週でも会いたい友達がたくさんいる、家族の近くに住みたい人など。

海外に行ったからといって、関係がなくなるわけではないですが、やはり「遠くの親戚より近くの他人」です。家族はともかく、友人関係は疎遠になる人も多いでしょう。その分、海外で新しい友人が増えることがプラスの面ではありますが。

現在の日本での人間関係が大満足なら、あえて海外に行くリスクは取る必要ないかもしれません。

⑧安定志向の人

「海外就職に向いている人」で薦めてみましたが、安定志向の人が海外就職をすることは大変だと思います。自分の生まれ育った国ではないので、日々想定外の事が発生します。それを貴重な経験、面白い話のネタと思えないなら、海外で働くこと、住むことはリスクが高いです。


「海外就職はじめに」次の記事

海外就職のデメリット・懸念点まとめ
海外就職のデメリット・懸念点まとめ
海外就職をしようと決めている人も、これから検討する人も、海外就職のデメリットも知ったうえで、海外に飛び立ちましょう。①伝統的な日系企業で働ける可能性は小さくなる。②職種、業界の選択肢が狭くなる。③日本のビジネススキル。。。

「海外就職はじめに」一覧に戻る

海外就職はじめに
海外就職はじめに
①なぜ海外就職なのか考えよう ②海外就職の方向性を決めよう ③就職する国・都市を...
スポンサーリンク

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする