海外就職の職種の選び方、日本人が就職しやすい職種

海外就職では、職種を決めて就職活動を行います。

海外求人は営業、経理、製造技術、など特定の職種について募集しているからです(国内の転職も同じ)。職種は決めずに会社に応募する日本の新卒就活とは異なります。

本記事では、海外就職を目指す方向けに、職種の選び方、日本人が就職しやすい職種について解説します。

新卒の場合は、最初の職種は非常に大事です。将来転職する時も、基本的には同じ職種で仕事を探すからです。

既卒の場合は、基本的には現職と同じ職種で仕事探すと思います。しかし、やる気や実力があっても、就職する国や職種によっては、就職が困難なことがあります。そんな時は、自分の職種で就職しやすい国を目指すか、現職から職種を変える検討が必要です。

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日本人が海外就職しやすい職種は、国によって異なる

海外就職がしやすい職種、日本人が求められている職種は、国によって違います。

海外は広いです。日本より裕福な国、発展途上の国、製造業中心の国、サービス業中心の国、色々な国があります。日本で就職しやすい職種でも一般論は無理なのに、海外で就職しやすい職種に一般論があるはずがありません。

ある国では就職しやすい職種も、他の国では困難なこともあります。特に後ほど説明するように欧米とアジアでは大きく異なります。

「海外就職できる職種ランキング」の多くは、一般論のように書いてありますが、実際には特定の状況についてのことが多いです。具体的には、タイ、マレーシアなど東南アジアでの日系現地採用を想定していることが多いです。

本気で海外就職をしたいなら、まず志望する国を決めるべきです。国を決めないと、どのような職種が募集されているか、どのような職種がビザが取りやすいのかも分かりません。

海外就職の国の選び方については、こちらの記事をご参照ください。

海外就職をする国の選び方

ビザについて

国によって就職しやすい職種が異なる背景の一つとして、就労ビザの審査基準があります。職種によって、就労ビザの取りやすさが異なるからです。

特に、欧米やオーストラリアの場合は、ビザが取れるかが海外就活の大きなポイントです

欧米は、一般的に就労ビザの審査が厳しいです。職種によって、ビザの取りやすさが大きく違うので、ビザが取りやすい職種に関連する職歴、学歴があるかが重要です。

アジアの場合は、ビザの取得は比較的容易です

アジアは、欧米に比べるとビザの審査は緩いです。シンガポールや中国は厳しくなってきましたが、それでも欧米よりは簡単です。職種による基準の差も大きくありません。

ビザの問題がなければ、日本人にとって有利なのは、日本語を使う仕事です。更に具体的に言えば、日本人相手の仕事や、日本の市場向けの仕事です。

日系の現地採用か、日系に限らない就職活動か?

就職する国に加えて重要なのが、日本人向けの日系の現地採用を目指すのか、日本人向けの求人に限らず、現地の人と同じように就職活動をするかです。それによって、就職の難易度、就職しやすい職種が異なります。

また、日系の現地採用以外の仕事を探す場合は、日本語が必須の仕事を探すのか、日本語が特に求められていない仕事を探すかで大きく分かれます。

まとめると、海外求人は大きく分けて、次の3パターンに分かれます。これから、それぞれのパターンについて説明します。

① 日系現地採用:日本人を探している

日本人(日本語ネイティブ)限定で探している求人、日本人を優先して採用している求人は、日系の人材紹介会社や求人情報サイトで見つけることができます。

シンガポール、香港以外のアジア就職、特に東南アジアは、このパターンが多いです。

日系の現地採用は、非常に特殊な採用形態です。普通の採用活動は、スキルや経歴を基準に選考します。日系の現地採用は、それに加えて、「日本人であること」や「日本的な立ち振る舞いを知っていること」が評価されます。

単純に日本語ができるだけでなく、日本の取引先や、日本の本社と対応するための、細かい日本的なコミュニケーションを求めているからです。

日系が日本人を優先して採用している求人は、現地人との競合が低いので、日本人にとっては就職しやすいです。英語や現地語の要求レベルも、比較的低いですし、専門スキルがなくても就職できます。

一方でデメリットは、選べる仕事の選択肢が非常に狭くなることです。現地にある日系企業は、全体の企業数から見ると、ほんの一握りにしか過ぎません。日系の求人の中でも、現地採用を積極的に行う企業は更に限られます。

日系の現地採用については、こちらの記事もご参照ください。

海外就活で海外駐在 / 赴任か現地採用どちらを目指すべきか?
海外での就業の可能性は、駐在か現地採用です。駐在の利点として、待遇の良さがあります。現地採用では、現地の人と同様の給与体系になります。逆にメリットは、自由な選択ができることです。自分が行きたいタイミングで、海外就職を始めることができますし、国も自由に選べます。

欧米の場合は、アジアに比べると日系の現地採用は非常に少ないです

欧米の日系現地採用が少ない理由の一つは、現地の給与水準が高いので、現地採用と駐在のコストの差が小さいことです。アジアで現地採用が多い大きな理由は、現地採用のコストが駐在よりも非常に低いからです。

また、欧米には永住権や国籍を持っている日本人も多いので、ビザの申請が必要がない人を優先して雇用するケースも多いです。

② 現地 / 外資企業の日本語採用:日本人に限らず日本語人材

アジア、欧米含め、海外就職全般に当てはまるパターンです。

現地企業や欧米系など外資企業でも、日本語ができる人材を採用する需要はあります。例えば、日系企業向けの営業や、日本の市場向けのマーケティングなどです。

しかし、日系と大きく異なる点は、現地/外資企業は、日本語ができる人材を求めているのであって、日本人であることは、プラスの評価にはなりにくいことです。よって、日本人は、日本語が流暢な現地人と同じ仕事を争うことになります。

現地/外資では、社内のコミュニケーション言語は、現地語や英語です。対外的には、日本語を使う仕事だとしても、社内のコミュニケーションのために、英語/現地語の要求条件は厳しくなります。

日本語を必須条件として応募している求人では、専門スキルの要求レベルは、日系現地採用の求人と同じく、比較的緩いです。日本語が、既に専門スキルの一つだからです。

現地/外資の日本語人材を探している求人の方が、日系の現地採用の求人よりも、求人の数は圧倒的に多くなります。求人が多ければ、可能性のある職種も広がります。

③ 現地 / 外資企業の一般採用:日本、日本語と関係ない

主に欧米やシンガポールなどの先進国での就職で見られるパターンです。

①と②のケースは、どちらも日本人、日本語ネイティブという、日本で育った日本人なら誰もが持っている条件を活用しています。これは、現地の人に対して明らかに有利な点なので、通常は日本人や日本語が絡む仕事を探します。

しかし、日本関連の仕事を探す戦略のマイナス面は、仕事の幅が日本の枠に制限されてしまうことです。例えば、日本向けの営業を担当するとして、その上位の部署は、国際営業部なり、営業本部でしょう。日本の枠に縛られている限り、上位の部署のマネージャーとして活躍できる可能性はありません。

日本、日本語に関係なく仕事を探すのであれば、条件は現地人と全く同じです。全ての求人が候補になります。しかし、日本人としての優位性を活かせないので、英語/現地語と専門スキルのみで、他の求職者と競争する必要があります。語学やビザの面でハンデがある人が多いと思いますので、専門スキルで高く評価されていなければ、就職は難しいです。

日本とは関係ない仕事で海外就職をする選択肢については、こちらの記事もご参照ください。

日本とは関係ない仕事で海外就職をする選択肢
海外就職を目指す人の動機で「日本と海外の架け橋になりたい」という趣旨の言葉をよく聞きます。しかし、個人が海外で働くときに、日本の国を背負って就職する必然性はありません。日本と関係ない仕事で海外就職する選択肢を解説します。

① 日系現地採用で募集が多い職種

日系の現地採用は、主に日系の人材紹介会社や求人情報サイトを通して応募します。

日系企業で募集が多い職種について、「RGF HR Agent (リクルート)」、「Working Abroad」での求人数を参考に、まとめました。

RGFは、リクルートが運営している海外求人サイトです。中国、東南アジア、インドなどアジア各国が対象です。欧米の求人は掲載されていません。

Working Abroadは、名前の通り、海外就職に特化した求人サイトです。サイトでは欧米などの求人も若干掲載がありますが、数が少ないので、アジアの求人に絞って集計しました。

どちらのサイトについても、全ての求人が日本人限定というわけではありません。日本語ネイティブではなくても応募できる求人も含まれていますが、現地採用が多い職種の傾向は分かります。

この二つのサイトに限らず、「海外就職」の人材紹介会社や求人情報サイトの大部分は、実質的にアジア就職に特化したサービスです。欧米なども含まれることもありますが、アジアとは掲載求人数の桁が違います。

日本人向けの海外就職サイトでアジア以外の求人が少ないのは、そもそもアジア以外で日本人を優遇して採用する求人が少ないからです。アジア以外の場合は、日本人向けのサイト以外も探す必要があります。

法人営業

日系企業の現地採用で最も多いのは、法人営業です。主にメーカーや商社で働き、日系のメーカーに営業します。

個人向けの営業は少ないです。現地企業向けの営業も、ないことはありませんが、少ないです。現地の個人や、現地企業向けの営業は、現地のスタッフが担当する方が、明らかに適しているからです。

日系のメーカーへの営業が多いのは、日系メーカーのアジアへの進出数が多いのと、日系メーカーは、日系企業から日本語でサポートを受けることを好むからだと思われます。

メーカーの技術職

法人営業の次に多いのはメーカーの技術職です。例えば、生産技術、生産設備、品質管理の担当など生産関連が多いです。もしくは、法人営業に近いですが、FAE(技術営業)や技術的なアフターサポートなど。

研究開発もありますが、生産関連よりは少ないです。多くの日系企業が生産拠点としてアジアに進出していますが、研究開発拠点としては、あまり活用されていないからだと考えられます。また、一般的に研究開発の機能は、本社がある日本に集中しているのが一般的です。

その他、募集がある職種

日系の求人で圧倒的に多いのは、法人営業とメーカーの技術職です。しかし、事務、購買、経理など他の求人もあります。具体的には、下記の「(参考資料)調査に使ったサイト:日系の現地採用」をご参照ください。

具体的に海外就職を検討している人は、人材紹介会社に登録して、相談してみましょう。あなたの現職に近い仕事はどのようなものがあるか、どのような仕事に応募するべきか、アドバイスしてくれます。

また、登録すると、サイト上に公開されていない求人も紹介してもらえます。雇用企業の意向などで、サイト上に全ての求人が公開されているわけではないからです。

人材紹介会社に相談する場合の注意点は、海外就職に限らず、人材紹介会社が紹介するのは、仲介がしやすい仕事ということです。可能性はあるが難易度は高そうな仕事は積極的に紹介してくれません。現地企業など人材紹介会社の顧客でない企業の仕事は全く紹介しません。希望の職種が無理と言われても、話半分くらいに聞いておきましょう。

人材紹介会社の使い方については、こちらの記事もご参照ください。

海外就職向け人材紹介会社・エージェント・求人情報サイトに登録
日本での就職活動と同じで、海外就職でも最初に行うのは就職サイトへの登録です。海外就職の就職サイトを「求人情報サイト」、「人材紹介サービス」、「ソーシャルネットワークサイト(SNS)」分けて解説します。

人気のわりには、募集が少ない職種

マーケティング、企画

マーケティング、商品企画、事業企画、経営企画など計画立案を担う職種は、人気のある職種だと思います。しかし、そのような仕事を海外の日系企業で見つけるのは、難易度が高いです。求人サイトでマーケティングに分類されている仕事でも、実際は法人営業のケースも多いです。

まず、企業全体の事業や商品の計画を考える職種は、日本の本社に集中しているからです。また、現地の事業計画については、現地支社が担当しているかもしれませんが、事業計画の中枢を担う仕事は、現地採用ではなく、駐在の社員が担当することが日系企業では一般的です。

現地の国内向けの商品やサービスの企画、マーケティングの場合、外国人である日本人は、現地語や文化の理解の面で圧倒的に不利です。日本国内の外資のマーケターも、日本人が担当しているケースが多いのと同じです。わざわざ現地人よりも高い給料を払い、ビザ申請の手間をかけてまで、現地事情に疎い日本人を雇用する意味はありません。

② 現地/外資の日本語採用で募集が多い職種

現地/外資企業の募集は、日本人向けの人材紹介会社/求人サイトでは、ほとんど掲載されていません。現地/外資企業での仕事を探したい場合は、現地の一般の求職者が使っているサイトを見る必要があります。

人材紹介会社/求人サイトは、国ごとに異なります。まずは、志望する国を決めて、その国でよく使われているサイトを調査しましょう。

以下に現地/外資の日本語採用で多い職種をまとめますが、日系現地採用以上に、国ごとの違いが大きいです。また、各国で使用されている人材紹介会社/求人サイトが異なるため、体系的に日本語採用の求人を調査することは難しいです。あくまでも参考程度に参照いただき、詳しくは志望の国のサイトで調べて見てください。

法人営業

日系企業と同じく、現地/外資企業でも日本語の法人営業の需要はあります。どちらも海外で日本語を使って働く点は同じですが、営業の対象が異なります。

日系の営業は、日系企業のサービスや商品を、海外の拠点で売ることが仕事です。営業の対象は、現地にある日系企業も含めて、現地に拠点のある企業です。

一方で、現地/外資企業で日本語を使う営業は、営業の対象は日系企業です。日系企業の場所は、日本の本社のこともあれば、現地支社のこともあります。

日系での営業は、現地拠点での営業が仕事なので、現地から見て国外への営業は少ないです。一方で、現地/外資での営業は、日系企業の日本の本社への国際営業の仕事も多いです。

日系企業以外に営業する機会は、日系企業の方が多いです(それでも少ないですが)。現地/外資企業では、日本人は日本市場の専門家として雇われているので、日系以外の担当をする機会は少なくなります。

マーケティング

日系現地採用よりは、現地/外資の日本語採用の方がマーケティングの求人は多いです。

日本向けの商品・サービスの企画、商品の日本市場へのマーケティングなどの内容です。日本の市場としての魅力は年々低くなっていますが、依然として日本は大きな市場の一つです。日本に力を入れている企業は、日本担当のマーケターを雇用しています。

メーカーの技術職

日系企業と同じく、現地/外資企業でも、メーカーの技術職で日本語が必須の求人は多いです。

日系の場合は上記のように、生産技術、生産設備、品質管理など生産関連の職種が大部分です。一方で、現地/外資企業では、研究開発の仕事も見られます。日系企業にとっては、海外は生産拠点ですが、現地企業にとっては、現地が本社で研究開発の拠点だからです。

ソフトウェア・インターネット関連の技術職

日系現地採用に比べると、現地企業の日本語採用は、ソフトウェア・インターネット関連の技術職の求人が多いです。

日系企業向けのシステムエンジニアや、日本の会社からのアウトソーシング、日本市場向けのアプリの開発などです。

会計士

日系企業の対応や、日本関連のプロジェクトなどで、海外でも日本語ができる会計士の需要があります。日本語を使う会計士の募集は、欧米のビザが厳しい国でも多いです。会計士は専門職なので、ビザが取りやすいからです。

翻訳・通訳

主に社内での現地語/日本語の翻訳・通訳の仕事です。営業や事務職などと兼業のこともあります。日系企業は、外国語が苦手なことが多いので、日本市場に力を入れてい企業は、社内に翻訳・通訳を抱えていることがあります。

飲食などサービス業のスタッフ

長期的な海外就職ではありませんが、ワーキングホリデービザや、その他の短期就労限定のビザでは、サービス業でスタッフとして働くことも多いです。日本食レストラン、ホテルでの日本人対応などです。

現場のスタッフとしての就労だと、欧米などビザが厳しい国では、長期的なビザが出る可能性は低いです。オーストラリアは、以前はビザが出ていましたが、現在は厳しくなってきているようです。

東南アジアなどの外資の高級ホテルで、英語+日本語のフロントとして働くケースは、よく見られます。

その他の仕事

全体の求人数が多いため、上記以外の仕事も多いです。もしくは、日本語必須の求人を出していない企業でも、日本語の需要が全くないとは限りません。

働いてみたい企業があれば、仕事の機会がないか連絡してみましょう。その際、自分の日本語ネイティブとしてのスキルを活かして、どのように会社に貢献できるかプレゼンすると、相手も分かりやすいと思います。

③ 現地/外資の一般採用を目指す場合の職種

アジアで日本と関係ない仕事をするケースは少ない

シンガポールを除くアジアの国で、日本、日本語と関係ない仕事で現地就職をする人は極めて少ないです。

日本人としての特徴を活用できないので、求人の条件は現地人と同じになります。現地の給与水準が低いので、日本関連以外の仕事を探すと、快適に過ごせる給与を確保することが難しくなります。英語圏以外だと、言語の問題もあります。

欧米では、日本と関係ない仕事をするケースも多い

一方で、欧米やシンガポールでの就職は、日本、日本語と関係ない仕事をするケースも多いです。欧米では、日系を除いて、日本語のスキルは、それほど需要が高くないからです。日本関連の仕事に拘ると、選択肢が非常に狭くなります。

欧米で日本人が日本と関係ない仕事で現地就職する大部分のケースは、エンジニアなど専門職、特にソフトウェアエンジニアです。欧米ではエンジニアは不足していますし、営業や企画など言葉が商売の職種に比べて、言語のハンデも小さいからです。

また、欧米での就職は就労ビザの難易度が高いです。ビザの面でもエンジニアなどハードスキルの専門職は有利です。営業や事務などソフトスキルの仕事は、ビザの申請が難しくなります。

職種とビザの関係については、こちらの記事もご参照ください。

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どのように志望職種を決めるか?

一般論として、日本人が採用されたい職種について説明してきました。

しかし、「採用されやすい職種」に実際に応募すべきとも限りません。あなたの経歴や、やりたいことも重要だからです。

前職の職種で探す

最も分かりやすく、就職もしやすいのは、前職の職種の求人に応募することです。海外求人は、ほとんど即戦力採用です。前職の経験がある方が、選考では間違いなく有利です。

特に欧米での就職では、ビザの申請で就労する職種の経験年数を問われるケースが多いです。そうすると、未経験の職種での就職は現実的に難しくなります。

人材紹介会社のサイトで全然求人がない職種でも、絶対に無理というわけではありません。特殊な仕事内容については、そもそも人材紹介会社では、あまり扱われていないからです。

募集の多い職種に職種転換する

海外就職を機に、職種転換をする人もいます。

特に東南アジアやインドで日系企業に現地就職する場合は、未経験の職種に転職する例が多くあります。英語がそれなりにできて、社会人経験のある日本人は、売り手市場だからです。未経験の職種に転職できる可能性は十分にあります。

職種としては、経理や事務など社内業務の職種から、法人営業など日系現地採用で需要のある対外業務に移るケースが多いようです。

将来の転職を意識して職種転換する

同じく職種転換ですが、現状で就職しやすい職種ではなく、長期的なキャリアを考えた職種を目指す考え方もできます。

アジアで現地就職する日本人は、いずれは日本に帰国して働く人が多いです。将来日本で転職する考えなら、その時に役に立つ職種での就職を目指しましょう。

例えば、日本に戻って、海外営業をしたい場合、日本企業だけでなく、現地企業への営業経験があればプラスです。日本に戻って貿易関連の事務をしたい場合は、海外でも同様の仕事を目指すのが良いと思います。

海外留学を挟んで職種転換する

先ほど説明したように、アメリカなど欧米への就職では、技術職や専門職が有利です。一般的な営業や事務では、ビザを取ることが困難だからです。

本気で欧米で働きたい場合は、長期的に計画して、就職をしやすい職種に転換することも一つの方法です。

その場合にお薦めなのが海外留学です。全く経験のない職種で応募しても、欧米で採用されるのは困難です。また、職歴や学歴がなければ、ビザの申請が通る可能性も低くなります。

海外留学で希望の職種に必要な専門を学べば、学歴としては問題なくなります。また、現地で学ぶことで、英語など現地の言語を学ぶこともできます。

また、欧米では、現地の学校を卒業した外国人向けに、インターンのような形で一定期間就労を許可する制度がある国もあります。留学後にインターンで職務経験も積めば、正社員としての内定も得やすくなります。

社会人の留学については、こちらの記事をご参照ください。

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海外就職の職種まとめ

・①日系現地採用、②現地/外資の日本語採用、③現地/外資の一般採用(日本、日本語と関係ない)で、募集の多い職種は異なる

・日系現地採用、現地/外資の日本語採用どちらでも、最も多いのは法人営業とメーカーの技術職

・現地/外資の日本語採用は、日系現地採用より難易度は高いが、職種の幅も広い

・現地/外資の一般採用は、職種の幅は最も広いが、ハードルも高い。欧米ではビザが取りやすいエンジニアなどの専門職のケースが多い

(参考資料)調査に使ったサイト:日系の現地採用

日系の現地採用の職種の調査で使ったサイトです。調査日時点での求人数を掲載します。具体的な求人数は日々変動します。

RGF HR Agent (リクルート)

リクルートが運営している海外求人サイト。下の表に記載のアジア各国が対象です。欧米の求人は掲載されていません。

職種

職種は、営業が最も多く、次いで製造・技術です。3番目は、事務・総務ですが、中身を見ると生産管理などが入っており、一般的な事務や総務の仕事は少ないです。

職種 中国 インド インドネシア シンガポール タイ ベトナム 香港 合計
営業(営業管理・営業アシスタント・営業販促・営業企画・営業事務 他) 43 17 29 10 38 33 12 182
製造・技術 28 8 19 3 21 31 2 112
事務・総務(顧客対応・ビジネスサポート業務・経理・コールセンター  他) 6 8 22 7 15 22 8 88
財務・会計・経理 2 4 11 13 5 6 5 46
テクノロジー関連(プリセールス職・システム開発・コンテンツ制作・プログラマ・エンジニア・Webデザイナー 他) 6 1 4 5 7 12 0 35
総務 0 6 4 11 3 6 0 30
ビジネスコンサルタント・シンクタンク・専門コンサルタント関連 4 2 3 3 9 3 2 26
銀行・金融関連 1 0 1 10 4 1 4 21
社内SE・情報システム ・ネットワーク関連 0 1 2 1 4 10 0 18
不動産・住宅・プロパティマネジメント関連・建築・不動産・ホテルマン 5 1 1 1 4 5 0 17
マーケティング・IR・広報 1 0 2 5 1 2 3 14
管理職・エグゼクティブ関連 4 1 0 4 1 2 0 12
人事・HR 1 0 2 4 0 3 0 10

業種

業種別ではメーカーが最も多いです。職種と合わせると、メーカーでの法人営業か製造・技術が最も一般的な求人なことが分かります。2番目に多いサービス業界は、飲食、海外進出コンサルティング、人材紹介が多いです。

業種 中国 インド インドネシア シンガポール タイ ベトナム 香港 合計
 メーカー(自動車/化学/家電/鉱物/工場 他) 149 25 43 16 48 61 7 349
 サービス業界(メディア/広告/コンサルタント/教育/外食/飲食/美容/娯楽/士業 他) 61 12 22 29 18 39 10 191
 金融業界(資産運用/銀行/保険/不動産 他) 2 2 10 11 7 5 5 42
 商社・運輸・貿易業界 0 3 2 2 18 5 5 35
 小売業界(高級商材/ファッション/アパレル/生活用品/家電 他) 0 0 3 3 4 2 6 18
 ヘルスケア業界(医療/診察/ライフサイエンス 他) 4 0 1 3 1 1 0 10
 業務管理アウトソース(BPO) 0 0 0 1 6 0 1 8

Working Abroad

名前の通り、海外就職に特化した求人サイトです。下記の数字は、中国、東南アジアを中心としたアジアでの求人です。サイトでは欧米などの求人も掲載がありますが、数が少ないので、あまり参考にはなりません。

職種

上記のリクルートと同じく、営業、製造関連の技術職が多いです。3番目のIT関連は、システムエンジニア、ITプロジェクトマネージャー、アプリの開発など、様々なIT関連の仕事を含みます。エグゼクティブ/経営は、営業や技術職のマネージャーが多いです。

職種 求人数
営業 84
機械(自動車/プラント/精密機器) 52
IT関連 50
電機(電気/電子/半導体) 49
エグゼクティブ/経営 46
財務/会計 36
事務系 28
カスタマーサービス 22
マーケティング/PR 20
ホテル/レジャー/外食系/旅行 11

業種

1-3番目までは、全てメーカーです。4番目の商社・卸もメーカー相手の仕事が多いです。

業種 求人数
機械メーカー 27
電気・家電メーカー 26
自動車・輸送機器メーカー 24
商社・卸 18
半導体・電気・電子部品メーカー 17
プラント・建築・建設 16
化学・石油メーカー 13
その他製造業 11
通信・情報サービス関連 10
ビジネスコンサルティング 9
旅行・ホテル・レジャー・外食 9

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