海外就職の前に社会人経験は必要?新卒 / 既卒のメリット・デメリット

海外就職についての書籍やブログを見ると、日本で3年くらいの社会人経験を積んでからの海外就職を推奨している内容が多いです。一方で、新卒海外就職の経験者の意見は、新卒海外就職に肯定的な内容が多いです。

新卒、既卒の海外就職は、それぞれ異なるメリット、デメリットがあります。一概にどちらが正しいということはないです。自分の状況に合わせて、新卒で海外就職をするか、日本で社会人経験を積むか考えましょう。

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なぜ、新卒海外は止めるべきという意見が多いのか?

さきほど紹介しましたように、海外就職の本やブログを見ると、「新卒海外就職は止めるべき」、「3年くらいは社会人経験を積むべき」のような意見が多いです。特に、書籍を書いているような海外就職の専門家は、そのような意見が多いです。

新卒、既卒のメリット・デメリットを説明する前に、なぜ新卒の海外就職は止めるべきという意見が多いのかを考えてみます。

海外就職専門家の多くは人材紹介会社

海外就職について積極的に発信している「専門家」の多くは、人材紹介会社など人材関連のビジネスを運営しています。海外就職ビジネスのの一環として、ブログなどで発言しているわけです。

海外就職に限らずですが、ある人の意見を判断するには、その人がどのような立場で発言しているかを知ることが大事です。

人材紹介会社を運営している人の意見は、人材紹介ビジネスにプラスになるようなバイアスが入っていると判断すべきです。

人材紹介会社にとって、新卒は扱いにくい

人材紹介会社のビジネスとは、求人企業の求人と、求職者をマッチングさせ、求人企業から紹介手数料を得ることです。効率的に紹介手数料を得るには、紹介手数料の単価を上げるか、マッチングの速さを上げる方法があります。

人材紹介会社にとって、新卒の海外就職希望者というのは、あまり良い顧客層ではありません。紹介手数料も低いし、マッチングにも手間と時間がかかるからです。

新卒が応募する求人は、給与が低いので、紹介手数料の単価も低いです。また、海外では新卒も中途と同じ仕事に応募します。よって、新卒が応募するようなエントリーレベルの仕事では、新卒よりも社会人経験が3年くらいはある人の方が圧倒的に採用されやすいです。

新卒海外は難しいが、不可能ではない

人材紹介会社の観点では、新卒の対応をするのは不効率です。頑張って仕事を紹介しても採用されないかもしれない新卒よりも、ほぼ確実に採用される新卒数年目の社会人を優先するのは当たり前です。

確かに、新卒の海外就職は難易度が高いです。しかし、難易度が高いとは、不可能という意味ではありません。また、難易度が高いとは、必ずしも本人にとっては悪い選択肢というわけでもありません。

自分自身が判断する基準としては、難易度は一つの判断基準に過ぎません。難易度が高くても、新卒で海外就職をするメリットが高いなら、挑戦してみるべきです。人材紹介会社の都合で、判断を変える必要は全くありません。

新卒海外就職の経験者が少ない

海外就職の経験者でも、新卒海外就職の否定派は多いです。

海外就職に限らず、多くの人の意見は、自分自身の経験を肯定する方向にバイアスがかかっています。特に、自分の経験に満足している人ほどそうです。

現状、海外就職経験者の多くは、新卒ではなく、転職での経験者です。その人たちに話を聞くと、自分自身の成功体験から、転職での海外就職を薦められる可能性が高いです。

実際の経験者は、新卒海外を肯定している

新卒海外就職を薦める意見が少ない理由は、新卒海外の経験者が圧倒的に少ないからです。実際に新卒海外を経験している人だけの意見を見ると、大部分が自身の経験を肯定しています。

ちなみに、私も新卒で海外就職をしています。この記事についても、新卒海外就職を薦める方向にバイアスがかかっていることは、ご理解の上、読んでいただければと思います。

新卒のメリット①:時間の余裕がある

私は、どちらかと言うと新卒での海外就職を薦めます。最も大きな理由は、新卒の方が、就職活動をするための時間があるためです。

まだ学生の読者は実感を持って分からないと思いますが、社会人は時間がありません。特に、優秀な学生ほど激務の会社に入りがちで、海外就職の準備をする時間や気持ちの余裕がないです。

国内の転職活動であれば、仕事をしながらでもなんとかなりますが、海外への転職は国内の転職よりも、遥かに時間がかかります。仕事に追われながら、仕事と関係ない言語の勉強をしたり、海外の求人を確認したり、英語の履歴書を作ったりするのは大変です。面接を現地で受けるのも、時間的に厳しいと思います。

新卒のメリット②:語学の習得が有利

特に説明は必要ないと思いますが、語学の習得は、若ければ若いほど間違いなく有利です。海外就職の大きな目的が、現地の語学の習得だとすれば、可能な限り若いうちに就職した方が良いです。

新卒のメリット③:低い給与が気になりにくい

アジアなど発展途上国で就職する場合、給与は日本よりも低くなる可能性が高いです。

国内の転職でも同じですが、社会人の場合、給与が下がる転職は心理的なハードルが非常に高いです。長期的に見れば、キャリアにとってプラスになるようなケースであっても、給与が下がる転職をするのは勇気がいります。

新卒の場合は、給与がない状況からなので、どんなに低くてもプラスにしかなりません。もちろん日本で新卒で就職するよりは低くなりますが、転職で給与が下がるよりは、心理的なハードルは明らかに低いと思います。

私も新卒で台湾に就職して、日本の初任給より低かったですが、全く気になりませんでした。逆に現在は日本で働いていて、給与が大きく下がる国への転職は難しい気がします。

既卒のメリット①:職歴を活かした就活ができる

新卒だと職歴がないため、就職の難易度が高くなります。

海外の多くの国では、日本のような新卒一括採用がありません。新卒と既卒の求人がはっきりと分かれておらず、新卒と既卒が同じ採用枠を争います。エントリーレベルの求人であれば、新卒が一般向けのポジションに応募することは、問題ありません。ただし、経験者と比較されるので、不利なことは間違いありません。

既卒だと、職歴があるので、経験を活かした就活ができます。また、日系企業に就職する場合は、日本の会社での仕事の仕方も分かっているので、海外でもそれほど違和感なく仕事を始められるのではと思います。

新卒一括採用がない国でも、新卒で就職活動をしている人は、当然いるわけですから、求人側が求めている学歴、経験があれば、職歴がなくても就職することは可能ではあります。学校で勉強した内容、課外活動、アルバイト、その他の経験から、職歴がなくても、応募している仕事に対応できることをアピールすることが必要です。もしくは、インターンで学生のうちから職歴を積むこともできます。

既卒のメリット②:日本的なビジネスマナーを身につけられる

海外で働くといっても、日系企業で働く人が多いです。日系の現地採用の場合は、社内でも社外でも日本人との仕事が多くなります。日本的なビジネスマナーは、日系で仕事をする上では、非常に重要なスキルです。

日本的なビジネスマナーは、新卒の時に日本で働いていた方が学びやすいです。日本の会社では、新人研修などでビジネスマナーを学ぶので。

しかし、私としては、日本的なビジネスマナーは、新卒で海外に就職しても身につけられると思います。座学で学ぶようなマナーは、ネットで調べられますし、あとは実際の仕事の場で学んでいけば良いと思います。

既卒のメリット③:日本の充実した新人研修を受けられる

海外の多くの国では、日本のような新人研修がありません。もしくは、非常に短いです。新卒一括採用が少ないので、新卒でも入ってくるタイミングも職種もバラバラです。よって、日本のように時期を合わせて、同じ内容の研修をすることが難しいのです。

私が新卒で入った会社は大企業でしたが。新人研修が1日しかありませんでした。仕事は、簡単な引き継ぎの資料をもらって、2日目から実際に仕事を始めていました。電話の仕方も、メールの書き方も誰も教えてくれませんでした。

座学が好きな人、体系的に仕事を教えてほしい人には、日本で充実した新人研修を受ける方が向いていると思います。慣れない環境で、慣れない言語で、自力で新しい仕事を覚えるのは、人によっては厳しいかもしれません。

しかし、個人的には、研修よりも実際の仕事の方が、楽しいし、学びも多いと思います。人によっては、海外就職で研修がないのは、むしろメリットだと思います。

新卒・既卒のメリット・デメリットまとめ

新卒 既卒
<メリット>
・時間の余裕がある
・語学の習得が容易
・低い給与が気になりにくい
<メリット>
・職歴を活かした就活ができる
・日本的なビジネスマナーを身につけられる
・日本の充実した新人研修を受けられる
<デメリット>
・職歴がないと就活の難易度が高い
・日本で日本的なビジネスマナーを身につける機会がない
・新人研修が少ないので、座学で教えて欲しい人には不利
<デメリット>
・時間の余裕がない
・年を取るほど、語学の習得は難しい
・給与ダウンの転職になる可能性がある


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